2016年3月30日水曜日

2016年1月期アニメの感想

この2016年1月期にアニメの話題を一本も書かなかったと思います.だって、つまらないんだもん.不作ですな.不作だった2015年をも既に下回っている気がします.

アニメ業界の構造がどうなっているのか、もちろん知る由も無いのだけど、新旧交代の時期でもあるのかしら?と思わなくもない.従来よく見かけた演出家の名前があまり見当たらなくなり、まだキャリアの短めの演出家が多数登場している.それゆえまだ作り慣れないアニメ演出家による作品が目立っているのではないか.たとえキャリアが浅かったとしても、「ワンパンマン」のような良い意味での例外もあったにせよ、「少女たちは荒野を目指す」のような失敗作には正直辟易しますな.

以下は面白かった順に、、、

1位  「僕だけがいない街」      (永久保存)
ノイタミア枠はいつも良作を提供してくれます.今やノイタミア枠だけが頼りだ.
母子家庭、いじめ、虐待、ネグレクト、植物人間、シリアルキラー、、、どんだけ鬱展開なのだと救いの無い作品.「雛月、今度こそ君だけは 幸せにしてみせるよ」と渚クンに成り代わってドキドキしちゃったぞ.殺人犯は誰かというミステリー要素もありますが、タネ明かしされた犯人は意外と予想通りでした.
←雛月加代(当期女性キャラNo.1)
2位  「亜人」
「東京喰種」を観た後だっただけに類似作品への抵抗感があったのですが、亜人の方がはるかに面白いや.2クール目も続くようです.
ポリゴンピクチャーズのあの作風は好きではありません.ですが原作が優れているのでしょう、これを観ている時は体がこわばって血圧が20ぐらい上昇してしまっている自分がいます.血しぶきブシャーな近接戦闘で人がゴミのように殺されまくる、その痛さが良い.
物語を牽引する佐藤さんは「ささみさん」にも出演していた大塚芳忠の声で、佐藤さんの性根の冷酷さとのギャップがいい味です.
←佐藤さん(当期男性キャラNo.1)
3位  「おそ松さん」
迂闊なことに観たのは2クール目からでした.そしたらこれが予想外の良作でした.BLを初めとするアニヲタオリエンテッドな演出が話題なだけのゲス作品なのかと思ったらそうではなく、ナンセンスギャグがキレッキレです.現代でもまだナンセンスギャグが通用することを証明してくれた誉れ高い作品.最終回でトト子が切腹するのには爆笑しました.
←ダヨーン族
4位  「おしえて!ギャル子ちゃん」
セリフが露骨にエロい.ベテランの部類に入るであろう川口敬一郎監督は経験豊富ゆえに上手ですね.ギャル子の色気に毎回悩殺されとります.ひとりピンサロ状態のこういう女子っているんだよね~リアルにも.セリフが露骨にエロい.
←しまった、胸に視線誘導された
5位   「灰と幻想のグリムガル」
SAOのような、異世界転生モノなのかと思ったのですがそういう展開にはなっていません.彼らはどこから来たのだろう?
ファンタジー系には浅い作りの作品が多い中、本作は弱小パーティーの人物描写を主軸とした落ち着いた作りになっています.監督の中村亮介のことは要チェックリストに入れておこう.
←ゴブリンに人権は無い

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以下は、一応観たけれど、基本的に見捨てていました.順不同.

「だがしかし」
丁寧に作られていましたが、いかんせん駄菓子に興味が無いので楽しくはありませんでした.

「GATE」
2クール目はファンタジー世界の内戦であって、あれに自衛隊がどう介入するのさと思っていたら、予想通り自衛隊の役割があやふやなままで終わってしまいました.自衛隊である必要はどこにありましたか?

「少女たちは荒野を目指す」
高校生がゲームを作る、それは「冴えない彼女」と似た設定でしたが、ゲーム製作過程の描写がショボくてつまらなかった.ホテルに缶詰にされたら脚本をサクッと書けちゃいましたでは納得がいかないぞ.近頃ありがちな、経験不足なスタッフが作ってるなぁと感ずる失敗作.
←詩羽先輩じゃありません
「ハルチカ」
高校の吹奏楽部の悲喜こもごもが描かれるというわたしが苦手なジャンル.恋人ではないが仲の良いハルタとチカの関係性が今後どのようになってゆくのか、少し興味があります.
チカの目の多色系デザインが特徴的でした.
OPがすごく良かった.今期のOPで一番よかったです.fhánaというバンドは他にもアニソンをやってますけど、今回初めて存在を認識しました.

「蒼の彼方のフォーリズム」
飛行軌跡のパースの描き方が上手でした.

「ヘヴィーオブジェクト」
二人の下級兵士がその智恵と機転で最終兵器をやっつける.「戦略が戦術に負けて堪るか!」と絶叫していたのは「コードギアス」のルルーシュだったが、本作の二人はまさのその戦略破りを連発させます.だがしかし、その戦いぶりをいまいち納得できなかった...
2クール目のEDが耳にこびりつきます.「変わる強さより~変わらない強さ~」とは、リストラに忙しい多くの企業への当て付けのような歌詞でした.0:55ぐらいから聴こう.

「うたわれるもの 偽りの仮面」
なんじゃ~こりゃ~ストーリーが進行しない! 最終回を見るまでは構成作家の意図がさっぱり不明だったのですが、最終回でようやく意図を理解しました.全25話のうち24話までは進行なし.25話で偽りの仮面=影武者と解説されて終わる.この続きはゲームでどうぞ、という構成でした.つまりゲームのプロモ以上でも以下でもない作品でした.構成の意味はわかったけど、これではアニメBDは売れそうにないし、数億円かけたゲームプロモーションの価値は在ったのだろうか?
←水戸黄門じゃありません

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」
監督が長井龍雪ということで期待していましたが、戦争モノは苦手のようで、地味なストーリーで終わりました.面白かったところが何も無かった失敗作.火星独立戦争のはずですが、鉄火団がなぜか火星代表になり、迎え撃つ地球軍がそれに呼応するかのごとく小規模で、つまり本格的な独立戦争を描くのが大変だからゲリラ戦設定にしたところに無理があったと思われます.アクシズぐらい落としてみろ鉄火団.
長井龍雪作品は学園物に限る、という教訓を得ました.
来期のUCに期待しとこう.


他にも多数の作品が在りましたが、途中で挫折しました.

来期に期待しまーす.来期のこの4つは着目してます.
・「ルル子」           あのTRIGGERです
・「機動戦士ガンダムUC」    OVAベースに新作カット追加だとか?
・「ふらいんぐうぃっち」          監督:桜美かつし    ←「月姫」以来か?
・「迷家-マヨイガ」           監督:水島努

かしこ


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3 件のコメント:

  1.  この中でちゃんと見たのはGATEくらいなのですが、この作品には何も思想や理念が無いなという感想で、平坂さんと同じような感じです。
     でも、たぶん九条と道徳のはざまで悩む兵と指揮官とかそういうのをちゃんと描こうとしたら、映像化の企画が通らなかったんじゃないかと思います。政治的理由で、、、

     そういうところからこの作品をみたときに「日本政府の指揮下で人間相手の武力攻撃を行う自衛隊」を映像化したのは、とても珍しくて(これが初めて?)史料的には節目となる存在なのかも、などと思いました。

    ※EZ-USBの記事でこのブログに来たのですが、とても助かっています。

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    1. GATEの制作には自衛隊が協力していてエンドテロップにも自衛隊の名が表示されていましたね.

      異世界で自衛隊が行使する武力をどのように定義するのかについて、国会や政府の腰が定まらないような描かれ方が1クール目ではされていましたが、問題提起はあれど結論は出さずじまいだったように記憶しています.もっとも結論なんぞ云える訳が無いとも思いますがw.

      そして2クール目では異世界の内戦で片方の味方になる自衛隊という図式でした.集団的自衛権を相手国の領土で行使するというかな~りキワどい図式という感じがして、大丈夫なのかオイとか思ってました.

      ともあれGATEが引き金になって自衛隊へのネガキャンが蔓延するようなことにならなくてホッとしています(笑)

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