2016年6月18日土曜日

サイモン・シン 「宇宙創成」 読書中

先日、遅ればせながら読んだ「フェルマーの最終定理」に引き続き、同じ作者であるサイモン・シンの「宇宙創成」を読んでいるところです.

宇宙創成というタイトルから、ビッグバンとインフレーション理論についての本なのかな、と思っていましたが必ずしもそうではないようです.
古代ギリシャから始まります.中世暗黒時代を経て、コペルニクス、ガリレオ、ニュートンと来て、いよいよ特殊相対性理論のくだりに突入するのは上巻の1/2ぐらいの場所です.

現状、上巻の2/3ぐらいまで読みまして、一般相対性理論が登場した直後で、膨張宇宙の発見に至る前夜のあたり.

今後の展開の予想は、、、
ハッブルによる宇宙膨張の発見でアインシュタインが定常宇宙の過ちを認め、ビッグバンの可能性が浮上するところで上巻は終了と予想.
そして下巻の流れとしては、「宇宙背景放射」→「ビッグバン確定」→「インフレーション」→「ダークマター」→「宇宙の加速膨張」→「ダークエネルギー」の順に進むのではと予想します.そしてこれらに絡んで「ひも理論」「加速器」「ホーキング」などが絡んでくるのではないかと.「ヒッグス粒子」は執筆時期よりも後なので出てこないはず.

残念ながら「宇宙創成」の面白さは「フェルマー~」に比較するとずいぶん下がります.「フェルマー~」は数理論理学という浮世離れしていて人間臭さとは隔絶した純粋論理の世界を解き明かそうとする数学者の風変わりな人間性を描くという、逆説的な題材の利があったように思います.それに宇宙論の話題は数学の話題よりも身近で多くを知ってますから.

「宇宙創成」が上梓されたのは2004年.その後の進歩がいろいろとある中で、宇宙論についてよく解説されていると思う動画はこちらのNHKサイエンス・ゼロです.サイエンスライターの竹内薫は元々は宇宙論を専攻した人だそうですので、竹内薫の力の入れようが感じられる番組になってます.
この動画によると、
  -宇宙開闢から138億年だが、
  -我々の宇宙の大きさは、現時点で470億光年に膨らんでいる.
  -しかし我々を含む宇宙全体というのが別途あって、
  -我々を含む宇宙全体の大きさはどれだけ巨大なのかよくわからん.
  -その宇宙全体は空間の曲率が正・負・ゼロの凸凹になっている.
ということだそうです. (モロにインフレーション理論を前提としているようです)

宇宙の造物主が光の速度を30万kmに制限した理由は、曲率が大きいキチガイ宇宙と我々が棲む曲率ゼロの穏当な宇宙とを因果律で区切るためだったのかもしれません.

煮え立つように宇宙が開闢した元となった「宇宙のスープ」がどうなっているのか?
それについての説は未だ知りません.

かしこ


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3 件のコメント:

  1. わたしはいま「暗号解読」読み始めです。

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    1. 暗号はたいそう面白いそうで、買ってあるので暗号も読む予定なのです

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  2. このコメントは投稿者によって削除されました。

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