2017年5月6日土曜日

proxxonフライス盤をCNCに改造する (28) カップリングはどれがいい?

前回予告したとおり、ステッピングモーターの取付構造を、追加工した元部品を利用する形態に改良しました.

さて~、果てしなく続くproxxonフライスCNC改造シリーズの今回は、ステッピングモーターとボールネジ軸を結合するカップリングの選定について、わたしが知り得たことを書こうと思います.

↓カップリングには沢山の種類があります.わたしが買ってみたのはこの3種類です.左から「スリット型」「ジョー型」「リジッド型」と呼ばれます.
各々の特徴はこんなところだと思います.
・スリット型: 軸があっちゃこっちゃ向いていても許容度高い、比較的安価
・ジョー型:    軸長方向の誤差だけ吸収できると思う、少し高価
・リジッド型: 軸の誤差を吸収できない、とても安価
↓低価格のCNCルーターの製品写真を見ると、スリット型かリジッド型をよく見かけますけど、ジョー型は見かけません.

軸があっちゃこっちゃ向いていても吸収できるスリット型が良さそうだよねぇと素人的に思いましたので、最初に試したのはスリット型だったのですが、どうにも具合が良くない.最終的に、意外にもジョー型が良さそうでした.以下その説明を.

↓ステッピングモーター取り付け部の現物と、透視図を示します.
ステージに締結した部品シャフトカラーとカップリング首締めしているところがミソです.首締めがユルユルだとバックラッシュが生じてしまいます.かと言ってあまりにもキツく締めるとステッピングモーターのトルクが足りなくなってしまいます.

↓この絵は、最初に装着してみたスリット型のカップリングで生じたトラブル状況です.スリット型の自由度はブルー矢印のように多様です.しかし自由度がありすぎるのも困ったもので、回転方向が反転する時に軸がわずかながら斜めってしまいます.するとピンク色の首締め摺動部が固着してトルク不足で止まってしまう...だめだこりゃ.
慣らし運転をすると、多少は症状が緩和するのですが、完治するほどではありませんでした.

↓困ってしまったので、軸心は不変なジョー型に変えてみました.この構造では、軸同士の離れはジョー型カップリングで吸収されます.軸心はステッピングモーターのベアリングで規制されますので、回転方向が反転する時でも軸心はブレませんから回転が滑らかになりトルク不足も解消しました.

↓ここまでガチガチなのもどうかと思い、買ったけれど試してないのがリジッド型.放置プレイのままにしとくつもりです.

↓というわけで、意外にもジョー型に落ち着いたわけですが、そもそも赤丸で囲った部分がバカ穴だっていうところがイマイチだろこんちくしょうと思っちゃうのでした.

首締めクリアランスがバックラッシュ要因の一つなのは確かです.また、ボールネジもバックラッシュ要因の一つです.proxxonフライスではどちらが深刻だろうと考えるに、どっちもどっちという気がします.
バックラッシュレスのボールネジというのが存在しているのですが、首締め問題が在るだけにあまりやる気が起きないわたしです.

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かしこ

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