前回は、輸出製造業の不景気の原因は何かという始まりだったが、途中から話が脱線して、日本の工場を閉鎖して中国へ工場を移してもコストダウン効果が12%ぐらいしかないのだという世知辛さを解説した.
その続き.
日本国内工場を稼働させてる日本企業の円高抵抗力は1ドル=¥100ぐらいが限界だと思う.
その企業が、日本の工場を中国へ全部移したら15%のコストダウン効果を得られたと仮定しよう.すると、その日本企業の円高抵抗力は1ドル=¥85ぐらいが限界だと計算される.
で、今の為替はいくらかというと、1ドル=¥75ですよね? ¥75なんかで利益なんか出るわけがない.ぜんぜん無理すぎる.赤字しかあり得ません.
で、¥75の円高を受諾せざるをえない企業はどうするか?
国内製造打ち切りの次の手は、国内設計の打ち切りなのだ!
つまり、日本の設計拠点をつぶして、中国やインドにオフショアするわけ.
それまでエンジニアだった日本人は何をするかというと、在中国OEM企業への仕様つくり・品質管理・品質監査・資材屋として価格交渉、あるいは在インドソフトウエア下請け企業の進捗管理、などに職替えするわけです. (円高の防衛策としては仕方ないことですが、10年も経たずに技術力は消滅するでしょう)
ソニーでわたしの身に降りかかってきたこともそれと同じ.
わたしは、設計を廃業する気がなかったから、迷わず辞めた.
受諾できた人と、受諾できなかったわたしとの違いはなんなのか?
あぅ~、話題が自由貿易からどんどん離れてゆくー
--続く-- つぎへ 前へ
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