2011年10月21日金曜日

失業した理由シリーズ014 企業の青天井感覚は大切か?

ソニーの厚木TECへソニー社員として初出勤したのが1998年7月1日.HP転職時に給料が1.5倍になり、ソニー転職時にさらに給料が1.5倍になったので、2年間で給料が都合2倍になった.初志貫徹でソニーマグネスケールを辞めて正解だった.

初日には辞めたはずの平坂が突然現れるという演出をしたかったらしいが、その前日に行き先掲示板に「平坂」名札が貼られてバレてしまったそうだ.ああ残念.

品行方正なHPからソニーに戻って、ヘリカルスキャンという手離れの悪い複雑な機械の設計に戻り、わたしにはやはりここの居心地ががよいと思った.

なんで居心地がよかったのか?

子会社、外資系企業、大企業と渡り歩いたのを振り返ってみて、真相はこうだと思っている.

ソニーマグネスケールでは、継続的にリストラが進められていた.
労組がないのをよいことに、給料を減らし自発的に退職を促す政策と、隙あらば辞めるよう圧力をかける政策が採られていた.すると社員は搾取されていることを察知し、保身のため逃げ道を模索し始める.まともな奴なら転職するところだが、そうせずにネットワークビジネスや新興宗教にハマる奴が続出し、社内は荒れた.もっとも、子会社ゆえに社長はしょっちゅう替わるので、こういったアンフェアな状況はその後変わったのかもしれない.

HPでは、会社がフェアであることを疑う者はいなかった.
にもかかわらず、漠然と察知されたのは、所詮外資のローカルオフィスであって、何を開発するかは本国のヘッドクォーター(HQ)にお伺いを立てなければならないし、HQの政策次第で開発部隊が根こそぎ消滅させられるかもしれないという「頭の上になにかいる感覚」「青天井でない感覚」だった.これは、IBMにせよMSにせよAppleにせよMacDonaldにせよみな同じだと思われる.外資系企業とはたぶんそういうところなのだ.

昨夜、とある講演会でおもしろい話を聞いた.日本IBMは今や最もドメスティックな企業なのだそうだ.今時は中小企業でもアジアへ進出しているが、日本IBMは日本市場でしか活動できないので、日本経済の盛衰を最も気にする企業になっているとのこと.これこそ「青天井でない感覚」だ.

ソニーは、HPほどではないにせよフェアネスのある会社だ.
また、五反田がHQなので、ソニー社員は自分達のことは全て自分で決められるポジションにいる.この「青天井感覚」が、ソニーに入社して居心地がよいというかスッキリしたようにわたしが感じた理由だ.市場は日本国内だけとか、商品はこれだけなどの言わば封建制状態にある企業は活性度が低下する.だから所属企業の「青天井感覚」はとても大切なことだと思うのだ.皆さんはどう思われるだろうか?

「青天井」「ヘリカルスキャン」「高い給料」「勤務地」を併せ持つソニーに漂着できたことは私にとって僥倖だったと思う.

その後、AITやSAITやDDS/DATなどのテープストリーマ開発で2010年まで過ごすことになった.

--続く--      つづく       前へ

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