今回は、クロスを貼る作業です.
1) クロスの幅と長さと天地
クロスの左右あるミミを切断すると、有効幅は最大で920mmぐらいです.
長さはロールに巻かれたクロスを裁断すればいいので、任意の長さを得られます.壁の高さ+10cmぐらいに裁断すればいいでしょう.
クロスは必ず縦に貼ります.横には貼りません.縦貼りと横貼りが混在すると、表面の凹凸が作る陰影が違ってしまうからだと思います.
クロスのロールの巻き始めが天なのか地なのかも決まっていますが忘れました.ミミのところに↑が書いてあるのでそっちが天というふうにわかります.
2) クロスの柄ピッチ
壁の高さ+10cmぐらいで裁断すればいいでしょうと書いたのは、実は無地のクロスの場合であって、柄物のクロスの場合は模様のピッチを考慮して裁断しなければなりませんので、面倒くさいです.
柄ピッチは、160mm、230mm、300mmがあります.下図は壁の高さが1750mm+余分100mm=1850mmの長さで裁断したい場面の裁断方法を示しています.壁に何枚もクロスを貼るのですから、それらの天で柄が揃うようにしなければなりません.天で柄が合うためには、例えば柄ピッチが300mmのクロスであれば、300x7=2100mmで切断し、地の250mmを捨てるしかありません.
3) 柄クロスを貼る順番
ここで説明するのは作業順序的には早すぎるのですけど、クロスの柄ピッチの話に連続して説明しておきます.
2100mmで裁断したクロスを4枚貼るとします.自動ノリづけ機で裁断した時に顕著なのですが、機械のクセで2095mmで裁断されるような誤差があります.貼る順番は、天の寸法余裕の少ないものから貼らなければなりません.さもないと、4枚目を貼ろうとしたら「ありゃ寸法が5mm足りない」なんていう悲劇が起こるかもしれません.要注意です.
4) クロスの割り付け
部屋の寸法を測って、どんな長さのクロスを裁断すればよいかを机上で計画します.
トイレの壁(下左図)に160mmピッチの柄物クロスを貼るケースで説明します.-----天井は後回し-----
右から順番に貼ることとして④③②①⑥の順番で貼ると決めます.右利きの人は右から貼るのがやりやすいそうです.
つぎに、測った寸法を記入した展開図(下右図)を描きます.
つぎに、展開図にクロスの幅が900mmであることを念頭に貼り方を決めます.ここがクロス貼りの最も難しいところかもしれません.
④の貼り方は、右隅に合わせて貼り始めて一気に③まで貼って、③の左入り隅でカットします.
②の貼り方は、右入り隅に合わせて貼り始めて、途中で継ぎ合わせて、左入り隅でカットします.
①の貼り方は、右入り隅から貼り始めて左入り隅でカットします.
⑥の貼り方は、右入り隅から貼り始めて左隅でカットします.②の継ぎクロスの余りを⑥で使います.
ということを考えると、裁断長1920mmを4枚用意すればよいという計画が確定します.
5) クロスのカット
6) ノリづけ
ノリを水で薄めて攪拌ドリルで混ぜます.写真のルーアマイルドという製品は100平米ぐらい貼れる量です.それで刷毛でノリを塗ってゆくのですが、100平米も刷毛でノリづけする酔狂な人はいないでしょう.DIYショップでノリづけしてもらうか、通販ではノリづけした後でビニールを貼ったクロスも売られていますのでそれを使うのがフツーでしょう.ノリをつけ終わったら、ノリ面同士をペタッと合わせてたたんでビニール袋に入れておきます.そうすると乾燥を防げます.ビニール袋に入れるのは、クロスに水分を含ませて伸縮性を持たせる意味もあります.
クロスの端部にノリがべたつくのを防ぐためにテープを貼ることがあります.
7) クロスを貼る
石膏ボードとクロスの間に空気を残さないように貼ります.空気を押し出るのにはブラシを使います.
出隅には、クロスを手で引き伸ばすようにしてみっちりと貼ります.
入り隅には、クロスを入り隅に入れ込むようにして奥まで直角になるように貼ります.
コテで押しつける意味は、隅にきちっとクロスを入れることと、カットするときにクロスが引き攣れるのを防ぐためです.
クロスの継ぎ目はどうするか? 重ね切りします.下図のように、2枚重ね状態でコテを押しつけてカッターを垂直に入れてカットし、下層のクロスを捨てて、ローラーで押しつけます.カットの時に切りすぎたり斜めに切ったりすると凸になってしまいます.
難しいのは天井の入り隅です.ここは下図のように貼ってゆきます.クロスを折って貼って切ってっていうのがコツです.
8) ジョイントコークでボロ隠し
カットを失敗して隙間が開いてしまったところなんかは、ジョイントコークを塗ってボロ隠しします.ただし、ジョイントコークを塗ったところは月日が経つと埃が黒く溜まりやすいので、なるべくだったら使わないほうがいいです.
ほかにも細かいノウハウはいろいろあるんですが、きりがありません.窓のところの複雑形状をどうやって貼るかってことは、旨く説明できません.
クロス貼りは、最後に目に見える部分なので、楽しいですけど、失敗するとすげえがっかりするところでもあります.そうすると困ったときのジョイントコークのお世話になるんですー.
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