2013年8月11日日曜日

アニメ「short piece」を観て微妙だった件

大友克洋はアニメを作らない方がいい.大友はアニメの才能がないので、日本のアニメ業界に何の足跡も貢献も残していません.大友のネームバリューでアニメ業界のリソースを調達し、一定レベルのアニメを制作した、ただそれだけです.枯れ木も山の賑わいってぐらいの効用ならあったかもしれませんが.しかしどういうわけか、大友がアニメを作るならなにかやってくれるかもしれない、などと誤解する業界人が一部に存在するようで、新作アニメ「short piece」はテレビコマーシャルまで流す熱の入れようでした.

この作品は4作品のオムニバスです.

「火要鎮」 (ひのようじん)
江戸時代、気が進まぬ嫁入り前の女性が火事を起こしてしまい、焼け死ぬという話でした.監督は大友ですが、なにをやりたかったのかよくわかりません.この絵がアニメで動くのは少し面白かったけれど、CGでアニメ制作が出来る今日、それほど高難易度のテクニックだとは思えませんでした.
九十九
江戸時代、様々な家財道具を修理する業者であるこの男が、山中で雨に降られて壊れかけた祠で雨宿りする.その祠に棲む魔物が襲ってくる.最初は傘の化け物、つぎは和服の化け物、最後はガラクタの化け物.男はその化け物を修理して怒りを静める.雨が止んで帰るとき、化け物からの贈り物をもらう、という話.とくに観るべきところはなかったです.男のアニメがモロに3DCGだと判ってしまうので興醒めしてしまいます.
GAMBO
江戸時代、墜落した宇宙人が女子をさらって喰うので、山里が壊滅寸前になっている.その山里の危機を救うのが、GAMBOというシロクマ.宇宙人と闘ってくれました.だからなんだっていうの? テクニック的にもとくにすごいと思うところはありませんでした.
武器よさらば
これが観たかった作品でした.
戦争後に砂漠化した東京で、古物を探索・回収する武装部隊の話.めちゃめちゃ強いロボット兵器に遭遇し、部隊は一人を残して壊滅.残った一名は、故障したパワードスーツを脱いだため、丸腰の民間人とみなされてロボット兵器に無視されるというトンマな生き残り方をする.だから「武器よさらば」
マンガ版では地上での戦闘で完結しますが、アニメ版では地上戦で状況終了と思ったらロボットがまだ生きていて、地下鉄の廃墟でレーザーで撃たれまくるって展開です.
監督はガンダムUCのカトキハジメ.メカの3Dモデリングは最高といってよいくらいGOODでした.戦闘シーンの絵コンテが超優秀だったとしたら日本アニメ史に残る名シーンたり得たのですが、70点ぐらいでした.改善の余地はまだある.カトキハジメってメカ設定は一流だけれど、絵コンテはちょっと弱いなぁ.時間感覚の問題かな?  制作がサンライズですので、カトキハジメに白羽の矢が立ったのでしょうけど、残念な結果に終わりました.

では誰に絵コンテを描かせれば良かったのか? それは吉原正行という天才がよかったと思う.吉原正行は「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」第4話のこのシーンを作った人で、わたしはこれほどまでにガッツリと構造化された戦闘シーンを他に知りません.鬼才、天才、神様、吉原正行様ってことで、アニメファンならぜひ記憶に留めておきましょう.

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