当ブログで1クールの間、アニメの話題をほとんど書かなかったのは異例のコトでしたが、なぜかというと書く気にならなかったんです.
アニメファンの方ならこの気持ちがわかるんじゃないでしょうか?
このアニメを見終わるまでは、交通事故に遭っても死ぬわけにはいかん!
「四月は君の嘘」がそうだったし、「残響のテロル」がそうだったし、「ヤマト2199」がそうでした.でも、2015年4月期のアニメにはその熱意を感ずる作品はありませんでした.以下、作品の印象などを書きます.印象に残った作品は多くないです.
fate stay night UBW (永久保存)
日本のアニメのクオリティインフレーションもついにここまで極まったか、、、と愕然とするのが本作の位置付けではないかと思います.
「他者の救済を願えば自らが滅ぶ」という前作から引き継いだテーゼを、士郎という青少年にかぶせて描き、素人だった士郎が最終的にはあんなに成長して見事に主人公たる活躍をしました.いやはや、優れた脚本であったことよ.
「他者の救済で自己が滅ぶ」というと「まどか☆マギカ」を連想するところですが、作品の登場年度からすればfateの方が先ですから、 「まどか☆マギカ」はfateにインスパイアされて作られたのかな?と、fate UBWを観終えて思いました.
少しの手抜かりもない作画に感服するのは言わずもがなでした.それだけではなく、画像効果をぶ厚く積み重ね、それによって、高速すぎてもはや描ききれないキャラの殺陣を表現するという取組は、3Dアニメの一つの到達点じゃなかったかと思う.
ヤマト2199は、3Dによってメカを重厚に描く到達点だったと思われます.一方でfateは、3Dで画像効果をぶ厚く積み重ねるコトによって、見えない空気とか、見えない衝撃波とか、速すぎて見えない動きを表現する到達点ではなかったか? 元々ひら的には背景で描くアニメって大好きなんで、よかったよかった.
イリアスフィールがあっけなく死んだのは意外でした。母親のごとく重要キャラなんだろという予想はどハズレでした。
スタッフの皆さま、素晴らしいアニメを魅せていただき、ありがとうございました.
パンチライン (永久保存)
パンチラというと、「Aika」でローアングルアニメというジャンルを打ち立ててしまった西島克彦の向こうを張った、リビドー全開のアニメなんだろなぁ、と予想していたわたしでしたが、全然違ったじゃん.(汗) いきなり人類が滅亡するわ、時間パラドックスだわ、主人公が女子だったり、友達が死んだり、、、どんだけ深刻な作品だよって、途中から見る目が変わりました.
人類が滅亡するendingから解脱するまで時間ループし続ける、そして約1億回目のループで解脱に成功する.パラレルワールドではなく、シングルワールドの局所時間をループさせていたようでした.だとすると、「ハルヒ」の「エンドレスエイト」みたいでしたな.ははは~
パンチラインという作品の主旨とはあまり関係ないんだけど、人類の救済に成功した暁には「最高にハッピーでピースフルな未来」が開けている、とネコちゃんに諭されるわけですが、「最高にハッピーでピースフルな未来」とは何なのかというと、「高築年数の木造アパートに住む溌剌としない女子達と炬燵でぬくぬくする生活」なわけですよね.ひら的にはこの設定に感心してしまいました.
物語の中で「デフレ~スパイラル」と歌ってましたけど、まさにデフレだからこそ、「高築年数の木造アパートに住む溌剌としない女子達と炬燵でぬくぬくする生活」=「最高にハッピーでピースフルな未来」という図式が企画として成立したのだろうと思いました.多かれ少なかれアニメの設定には世相が反映されるものですが、デフレがこのように露骨な形で表現されるのはあまり奨励されるべきコトではなかろうなぁ.もう少し大きな夢を設定しても罰は当たらないと思うぞ.
食戟のソーマ
毎回それとなく観て、「フム、次回も観よう」と思うのがこのお料理バトルアニメ.味平も、料理の鉄人も、どうして料理人は闘争心が旺盛なのか?誰かに納得のゆく説明をしてほしいと思ふ.
にくみちゃんだけがいつも裸体にちかいコスチュームで厨房に立っているのはなぜか? 厳しい学園ですから服装規定もいろいろ決まっていると思うぞ.誰かに納得のゆく説明をしてほしいと思ふ.
主人公の父親があの料理学園の中核人物で、主人公が父親を越えられるかどうかという「巨人の星」タイプの展開になるんだろうなぁ.
攻殻機動隊 ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE
公安9課の物語も、いささか手垢にまみれているというか、そろそろ飽きが感じられるこの頃です.視聴者に飽きさせないようにできるかどうかが、冲方丁という人の発想力にかかっているようですが、キープコンセプトでそれをやるのはそろそろ限界かな.アニメで「相棒」をやるのは無理でしょうから、攻殻もそろそろ手仕舞いでいいんじゃないかと思う.それを無理に継続させようとして足掻いている雰囲気を感じます.エイメン
シドニアの騎士
原作が好きなので毎回面白く観ていました.3Dオリエンテッドな作画クオリティも破綻なく進行していたとは思う.シドニアの軌道変更によるGで内部都市が破損するだとか、地下のプラントだとか、おしっこをろ過して飲ませるとか、光合成とか、、、SFっぽくて良いとは思う.しかし、何かが物足りない.
アニメ版シドニアに足りないのはスタッフの個性だと思う.制作会社のポリゴンピクチャーズは3DCG制作会社で、そこが元請け製作に挑んだという図式がシドニアのビジネス様態であろう.それで製作されたシドニアはどうだったかというと、映像製作の手法にとても従順に作られているが、それゆえに没個性的で、わたしには面白みが薄く感じられてしまいます.キャラデザからして、デザイナーの個性を意図的に削ぎ落としたとしか思えない.
スタッフの個性を排除したproject進行という製作体制は、もしかしたらこれからのアニメ製作の先駆けなのかもしれないが、それが主流になるのだったら、わたしはアニヲタを卒業するだろう.
暗殺教室
教師を暗殺するための特別クラスという、アタマの硬いPTAからクレームがつくのではないかと心配になる設定の本作ですが、基本的にハートウォーミングなストーリーでよろしいかと思います.海外からの評価が気なる作品.
2015年夏アニメの隆盛を期待します.
なんつって、あまり期待はできそうにないと思っているところです.
かしこ
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