↓SUICAに限らず、無電源非接触データ通信の回路はだいたいこんなもんです.1次2次共振回路で電力伝送とデータ伝送を兼ねるというのが基本. (1次2次共振でテスラコイルを連想するオカルトチックな人はナイスですw)
↓カード側のLC共振回路=タンク回路は、このようにプリントパターンでラーメンパターンを形成しそれをコイルと成します、同じくプリントパターンで対面電極を作りそれをコンデンサと成します. (ICの図示は省略) 共振周波数は10~30MHzぐらいのどこかの周波数に、ピンポイントで電波法フリーな周波数があるんだが、詳細な周波数は失念しました.
電源伝送の理解は容易だと思います.カードについているダイオードとコンデンサで作ったVccが微弱ながら電源です.カードに載っているICはこの微弱なVccで蘇生したり失神したりを繰り返す過酷な運命なのです.
データ伝送は信号の強弱で変調します.信号のON/OFFではありません.ON/OFFだとカードのVccが低下するからです.(ON/OFFでやる方式も在るとは思う)
回路屋にとって興味深いのは、信号の強弱を変調する手段です.カードについているSWとコンデンサが変調回路です.タンク回路のCをSWで変更する回路になっています.つまり、タンク回路の共振周波数をスイッチングすることで、信号の強弱を変調するようになっています.
↓下図はタンク回路の共振強度です.伝送周波数はfoで常に決まっています.コンデンサとSWで信号の強弱を変調する原理はこうなっています.
SW off : 伝送周波数=共振周波数で伝送効率が最強になる =大振幅
SW on : カード側の共振周波数が低くなって、伝送効率が低下する =小振幅
アナログチックで賢いです~. (実際はfoとはややズレに設定するんだけどさておく)
ところがこのタンク回路、コンデンサに製造バラツキを生じます.すなわち、タンク回路の共振周波数が固体ごとにチビチビとズレています.
そのせいで、とある非接触データ伝送回路で、通信できない品の大量発生に遭遇しました.
調べたらあらら~弱りました.タンク回路の共振周波数が少し上にズレてやんの.その結果、SW on/offと振幅変調の関係が逆転しちゃっていたのです.残念でございます~.
SUICAやPASMOがアラミドフィルムを使っているのかどうかは知りません.
共振周波数ずらしで変調する原理は単純だけど、単純ゆえにビミョーなバランスで成立している非接触カードなのでした.
エイメン
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こんなものを発表しましたね。
返信削除「 ソニーは1日、非接触ICチップ技術「フェリカ」を搭載したブレスレットや指輪型の新端末を発表した。
身に着けることができるウェアラブル端末で、電子マネーや電車の乗車券としての利用を想定し、2016年度中の実用化を目指す。
ブレスレット型は、ビーズと呼ばれる円柱形の部品に、ICチップを内蔵した。ビーズ一つが、ICカード1枚と同じ役割を果たす。かざすだけで使えるライフスタイルを提案する。
フェリカは、「Suica(スイカ)」といった交通系ICカードなどに搭載された技術だ。」
こんな発表もありました。
「イメーションは9月29日、記録メディア、オーディオ機器事業から撤退すると発表した。世界規模で展開しているImation、TDK Life on Recordブランドを冠した記録メディア製品、オーディオ製品、アクセサリ製品の販売を終了する。
イメーションは、磁気テープと光記録メディアをコアビジネスとして事業展開してきたが、市場は縮小傾向になり、今後の成長は困難になっているとのこと。そのため今後は、米イメーションの方針に基づき、NEXSANとIronKeyセキュリティ製品に経営資源を集中するとしている。
12月末をもって製品の販売を終了し、販売時の保証条件に合わせてカスタマーサポートは2020年12月末まで継続する。」
そうだ、フェリカでしたね.新端末のフェリカは高速化とかしたのかな?
削除皮膚下の埋め込みでもOKOK.
イメーションの件には驚きました.
削除メディアをやめてしまったらもう3Mじゃないじゃんみたいな.
イメーションのBD好きなんですけどねぇ...
太陽誘電だか、村田だかが電圧で容量が可変する素子を作ってたとか聞いた
返信削除けど、こういう分野には向いてるかも
バリキャップならぬMEMS素子みたいですね.なんじゃろ??
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