室内でも屋外でも電動車椅子を使うのは謂うまでもないのだが、問題は、
どうやって電動車椅子に乗せるのか
にある.例えばベッド→電動車椅子への移動は、ぶっちゃけ「よっこいしょ」とやるのだが、この動作は上下動が無いので比較的容易である.母親であってもなんとか移動可能だ.
ところが、ベッド→電動車椅子へ移動させるときに母親がよろめいて、
被介助者を落としてしまう
コトがある.確率的には落としてしまうのは5%ぐらいだ.
そうやって母親が介助をする場面というのは、もちろんわたしが不在な場面であって、わたしが帰宅した時に被介助者がリビングの床で寝転がっていたりすると、「あぁまた落としたのだな」と判る.なぜなら被介助者を落としてしまうと、
床から車椅子までの約50cmの高度差をリフトアップするのは母親には不可能
だからである.すなわち落としてしまうと、
二人の人生はその場所で永遠にSTOP
してしまうのである.これが提起したい問題なのである.わたしが日中不在であっても夕方帰宅ならばさしたる不具合ではないのだが、当ブログの読者ならご存知のようにどこかの地方へ旅に出て数日間不在になる場面がしばしばあるのがこのわたしというわけで、残された家族にとっては落下による人生停止問題はとてもリスキーなのだ.
↓死んだその場から移動できないのはまるで伊藤潤二の「墓標の町」状態であり、エイメンとしか言いようがない.
↓被介助者をリフトアップする「電動昇降座椅子」という介助器具が存在する.新品で16万円、中古で4万円ぐらいで買えるだろうか? 滅多に使わないわりに少々高価である.
だがこの「電動昇降座椅子」の致命的な問題は価格にあるのではない.その重量なのだ.写真の製品の重量は28kgと比較的軽量なのだが、一般的製品では45kgもある.2階建ての我が家において、45kgもの重量物を母親が階段で2階まで運ぶのはアリエナイ.28kgならまだしも可能性はあろうが、引きずって2階に上げるのが精一杯であろう.すなわち、
電動昇降座椅子それ自体が重量物なのでは本末転倒 (泣)
電動昇降車椅子の導入は意味を成さない.↓やっぱ作るしかないなぁと思って誰でも想像するのがクルマのジャッキだよね.だがストロークが短いのと、人間をリフトアップするには横方向強度が不足と思われるので断念.
↓使えそうなのがこちら.バイクをリフトするジャッキだ.柱が2本なので横方向強度もなんとかなるかもしれない.価格は¥6000ぐらい、重量は15kg、ストロークは310mm.
↓それでもって上下に板を装着し、座れるようにしたのがこちらの自家製「電動昇降座椅子」(総重量15.5kg)である.動力はインパクトドライバである.
↓着座後にはVP管で作った着脱可能な背もたれ・肘掛で落下しないようにする.背もたれ・肘掛を着脱可能にしてある理由は、被介助者を乗せる時点では四辺がフラットだと便利だから.インパクトドライバのおかげで70kgのわたしが座ってもちゃんと上昇する.
これで安心して地方巡業の旅に出れる.
かしこ
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