この写真の左右の長さが50cmぐらいの、ぱっと見ではロケットエンジンのノズルみたいな物体です.
金属製で中は空洞です.この中に1GHzぐらいの電波を注入して共振させると、推力が発生するとNASAが言ってる.それが本当なら作用反作用の法則とか、運動量保存則を超えたオーバーテクノロジーじゃと、フリーエネルギーみたいなそっち方面を好きな人々としてはいろいろと想像逞しくしてしまう謎の装置です.
形状がノズルみたいなので、電波を右側に放射するのかと思いますがそうではなくて、塞がれた空洞ですから内部で反射し続けるばかりです.それなのに左側へ進む推力が発生するといわれます.まさかそんな...
NASAの論文の現物はこちらです.
NASAの結論はこうです.
マイクロ波の注入パワーと推力の関係は、1.2 mN/kW である
1.2mNとは重量換算でどれだけでしょうか?1kgの重さは約10Nです.なので、
1kg : x kg = 10N : 1.2mN
x=0.12gと計算されます.
なんだよ、1kWって言ったらセブンイレブンでお弁当を30秒でチンできる電子レンジ並みの電力を喰うくせに、推力がたったの0.12gだとぉ??? 1円玉の1/10じゃねぇか!
確かにショボイのですが、電波を出しただけでたとえ少しでも推力が出るのは完全にSFの世界であります.サイエンスのニューエイジの幕開けでございます.
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NASAの論文をgoogle翻訳で少し読んだところ、次のことが書かれているようです.
・ねじれ秤で推力を測定している (つまり回転力)
・EM装置の形状で決まる共振周波数が2GHzぐらい
・注入電力は1kWで試験してない.60Wぐらいで試験した.なのでNASAが測定した推力は10mgぐらいだったと考えられる
・たとえ60Wでも温度上昇は免れない.熱による対流で推力が生じてしまった可能性を排除するためにNASAは真空チャンバー内で試験した
・対流の影響を真空で排除したが、温度上昇による副作用は他にも在り、色々と苦心した
・ワイヤハーネスのつっぱりによる影響を防ぐため色々と配慮した
NASAの説明でEMドライブ現象を信じる気になったかというと、ひら的にはまだ信じる域には達してないかな.
理由は、
・写真だとEM装置が入るギリギリサイズの真空チャンバーで試験している.もっと巨大なチャンバーで試験したほうが良さそうに思う.EM装置が帯電して、静電気力で回転力が生じてしまった可能性を排除してほしい.
・マイクロ波アンプに通電したときに、アンプ回路のどこかの突起から真空へ向けて電子が放電してなかっただろうか? 電子には質量があるので、放電してたら推力が生じてしまう.
・電磁気の場に未知現象なんか在りそうな気がしない.
ISSに持って行って、軌道上で試験してもらいたいです.
#EM石鹸っていうのもあるんだよね.怪しいらしいけど、オレ使ってるんだよ.
かしこ
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