スピーカーの動作原理について専門書を読んでいるところ.「電気音響振動学」という本なんだけど、1960年初版→2006年39版となっている.39版とは、、、こんなに版を重ねた専門書ってあるんだなぁ.その後2017年までにさらに版を重ねたのかどうかは不明につき.
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一般に受動電気素子はLCR等価回路で表現すれば回路シミュレータで解析できる.
ところがスピーカーはメカである.どうやって解析したらいいのか?
その答えは、メカ要素をLCRに置換すれば等価回路で表現でき、回路simに突っ込むことができる、というものだ.書籍に書かれているコトもそればっかりなんだが、これが思いのほか理解しづらく、納得しづらいのであった...インピーダンスの単位が[Ns/m]などと定義されてもイメージが湧かないもんなぁ.
スピーカーの特性図として、このような低域の共振特性をよく目にする.
この共振はボイスコイルのインダクタンスによるものではない.簡単には、振動板の重量と、エッジのバネ作用のせいである.振動板の重量をLとみなし、バネ作用をCとみなし、ω=√LC が共振周波数になるというわけ.
1)振動板の重量をLとみなすのには理由がある.コイルに電圧を加えても電流はゆっくりとしか上昇しない.そのようなコイルの作用は、F=ma のmすなわち質量が速度上昇を妨げるのと類似しているというわけ.(質量→L)
2)バネ作用をCとみなすのにも理由がある.エネルギーを貯めるという点で、コンデンサとバネは類似しているというわけ.(バネ→C)
3)12に付随して、振動板駆動力→電圧、振動板速度→電流、という置き換えもする.
だがこんなのはほんの触りの部分なのであった.
かしこ
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