2018年1月12日金曜日

中目黒で井戸を掘れるか? (2) 道具編

中目黒で井戸を掘れるか、その2です. その1はこちら

今回は掘削につかう工具を作りました.こんなの.


【掘削原理】
手掘りの井戸掘りというと、人間が穴の中に入って、直径1mぐらいの竪穴を掘る場面を想像しますが、そうではありません.
また、建築現場では、足場パイプを3本立てたボーリングマシンで地質調査している姿を見かけます.これからやるのはこのような機械は使いません.

この図が手掘り井戸の原理説明として判りやすい.
ここで掘る井戸の直径はたったの75mmです.
右図には、2つの塩ビパイプが登場しています.
1)外壁となる75mmのパイプ
2)穴掘り工具である50mmのパイプ

竪穴掘削原理は、
a)最初に少し掘って75mmパイプを地面に立てる
b)50mmパイプを突っ込んで75mmパイプの底部を掘る
c)50mmパイプの中に入った泥を地上に引き上げる
d)75mmパイプを少しずつ貫入させる.bcd繰り返し
e)最終的に50mmパイプを廃棄し、75mmパイプを外壁とする竪穴=井戸が完成する

考えるだに地道な作業になりそうです.(汗)


【考察1 パイプ継ぎ手】
パイプは、給排水工事に使うVU75,VU50といった塩ビパイプです.
深さ5mぐらい掘るつもりですから、パイプを途中で接合しなくちゃいけません.パイプを接合するには継ぎ手という部品を使います.
この継ぎ手なんですが、通常はパイプの外側に配置される構造です.=パイプが太くなる
でも井戸の外壁材の75mmパイプの外周に凸があると引っかかって貫入できなくなりそうです.なので、インスリーブ型といって外周に凸が出ない継ぎ手を採用するべきと思いました.
掘り工具である50mmパイプについては通常の継ぎ手でもOKでしょう.

【考察2 石ころ】
泥を掘り排出するのは50mmパイプですから、直径50mm以上の石ころに邪魔されたらそこで井戸掘りはthe ENDです.運まかせの穴掘りです.
50mmパイプの先端に金属ブレードをつけたら調子よく掘れそうに思いますが、こういう構造にすると直径25mmの石ころに邪魔されただけでthe ENDになってしまいます.
地下が土と砂だけであるという確証があればOKですけど、不明なのでこのような構造は避けました.

【考察3 接着】
掘り工具の自作では、ボルト+ナットで接合している事例をネットで見かけます.
ですが、穴の中で分解して部品が落下したらthe ENDになってしまいますから、絶対に分解しないよう、接着が好ましいと思います.
また、ポンプアップする際に気密性を要する可能性があるので、外壁材VU75の継ぎ手接着は慎重に行われるべきと思います.

【考察4 先端】
金属ブレードは断念しました.アルミやブリキ程度ではすぐに曲がってしまうからです.
とりあえず、第一弾トライとしてはこのようなパイプ継ぎ手の加工品としました.曲がったりしないけど、磨り減るでしょうな.これでどんだけ掘れるか、やってみなくちゃわからない.

【考察5 弁】
弁は50mmパイプに侵入した泥を逃がさないようにする仕組みです.上の写真の黒い部分がゴム製の弁です.弁を金属+蝶番で形成するやり方もあったのですが、ゴム(2mm)で作りました.


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それでは試作です.

↓最初に出来上がり状態を示します.長さ50cmのVU50で出来ています.部品の調達は、配管.com を利用しました.

掘削先端部を最初に作ります.
↓このような3つの部品を作り、パイプを接着し、ゴムは瞬間接着剤で接着します.
↓ゴム製の弁を作るのがこの工程のキモの部分です.何度も失敗しました.
↓最終的に落ち着いた作り方を書きます.
まずVU50を1cmぐらいの厚さに切ります.厚さ2mmのゴムシートに載せて内周をけがいて、ハサミで切ります.接着する部分は大きめに残しておきます.
↓ゴム弁の直径は、VU50の内径(≒55.77mm)よりも少し小さく(≒54.74mm)なるのが狙いどころです.
↓掘削先端部のゴムを上から見ると、ゴム弁が周囲1mmぐらいブロックされて閉じています.
↓掘削先端部のゴムを下から見ると、ゴム弁が開放状態になります.
↓掘削先端部をノコギリ状に加工します.
↓泥排出窓を空けます.
↓泥排出窓の上に、50/20変換継ぎ手を接着します.下半分に4mmの穴を多数空けます.

今宵はここまでにしとうございます.

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かしこ

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