わたしには映画やアニメを観る理由のようなものがあります.
「ラストで、感情が爆発したり、それまで描いてきた物事を破壊してしまうようなもの」
を求めて映像作品を観ています.
わたしが映像作品を観る理由そのものと言えるのが新海誠の「言の葉の庭」です.
ラストの直前までは静かな演出.男子高校生が軽くメンヘラの女教師に惚れてしまう.告白するも「アタシは教師よ」みたいに返されて失恋するかに思えたが、男子生徒は感情を大爆発させる.「アンタはそうやって知らんぷりして一生そのままなんだ」みたいなまさに逆切れ.だがそれで女教師は完落ちする.
うわぁぁ心が根こそぎ揺さぶられる.これは他の作家には作れそうにないし、新海誠も二度と作れないんじゃないかな.新海誠のベスト作品だと思う.
名門音楽学校、ハゲが教師、生徒が主人公.ハゲのパワハラに耐えかねて辞める生徒が続出する中、主人公は学校に直訴してハゲを追放する.後日主人公は名誉あるコンサートに演奏者として招かれるがそれは偽の曲目で恥をかかせるハゲの復讐だった.ヤケになった主人公は無関係の曲を演奏してコンサートそのものをぶち壊す.最初は「死ね」と嗤うハゲだったが、まもなく主人公の演奏に聞き惚れ、ステージ上で二人だけのセッションにもつれ込んでゆく.... fin.
喉がからっからに乾いた夏の暑い日に飲む生ビールのような爽快感.いや~ぁこの瞬間のために生きてますね!
そして2021年の「サマーフィルムにのって」はベタベタの青春映画なのですが、実際はそんな甘い作品じゃぁないんだ.ラストで巨大な破戒をやらかしてしまう映画です.破壊力はセッションよりも巨大です.高校生が映画を撮る.しかしラストでは映画制作そのものを破壊してしまう.その爽快感ったら生ビールの比ではありません.
サマーフィルムの公開時に映画制作者が絶賛していて、なるほど映画制作者だからこそあの破戒ラストにザックリと斬られてしまうものなのでしょう.
ネタバレはしませんぞー
なのですが、なぜかBD発売日の直前、4月17日にCSでTV初放送するんです.→こちら
CSで観れちゃうんならBD購入意欲がちょっと下がるなぁ.どうして放送すんのよ?
かしこ
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