AIイラスト問題、文化庁の文書で考えたこと

AIイラスト問題に興味があります．

文化庁がAI画についての文書を出しました．なんか回りくどい文ですけど、ぶっちゃけこういうことかな．

１）鉛筆で描こうが、ペンタブで描こうが、AIに描かせようが、真似したら違反

２）AIも鉛筆やペンタブのような生産手段・道具に過ぎない

これをう〜んと考えるに、結局従来通りじゃんとヒラサカには思えます．

今、アンチAI派の人は「pixivはAI画を禁止しろ」と言ってます．つまり彼らは「AI画の全面禁止」を願っていると思われるのですが、文化庁は冷たいですね．AI画全面禁止なんか全く眼中にないよこれ（笑）

従来通りということは、日本人の叡智が生み出した、二次創作を容認する緩い運用もAI相手に継続されるのでしょう．

念のために申し添えておくと、松本零士は著作権を厳しく主張する人でした．湖川友謙がメーテルの色紙を売ったら文句言ってた．中にはそうゆう人も居るという事です．そうゆう人の作品は誰も二次創作しません．手描きでもAIでもしません．

大方の版権者が二次創作を容認する前提で、文化庁が言ってることを丸呑みした未来はこうじゃないかな．

↓いまはこうです．

霞ヶ丘詩羽を、手描きで模写してupしても、A1-pituresや深崎暮人さんから文句は言われない．

↓文化庁がいうAI＝道具説によると、未来はこうじゃないか？

霞ヶ丘詩羽を、AIっぽい画風でAI生成させてupしても、A1-pituresや深崎暮人さんから文句は言われない．

↑これ、いまと同じです．

霞ヶ丘詩羽を、深崎暮人っぽい画風でAI生成させたら、深崎暮人さんから文句言われるかもしれない．それは深崎暮人次第．

↑これ、いまと同じです．

pixivに、深崎暮人っぽい画風のAI画をupしてる人もいるけど少数です．多くのAI絵師は危険を察知して画風の真似は避けてる風に見えます．

要するに、商業キャラの二次創作をAIっぽい画風で生成させupしても何も起こらない．なぜなら、制作委員会やproductionやキャラデザ屋は怒らないから．それがコミケを容認する日本人の叡智だから．すなわち、手描き時代と同じです．

だとすると、AI画を問題視し、AI画に怒っているのは誰なのでしょうか？

日本ではまだ訴訟になった事例は無いと思いますが、SNSで「真似られた」と怒っている手書き絵師は存在します．お怒りの手書き絵師は、自分の創作物の同人が出現するほどには商売繁盛してない、言ってしまえばビンボー絵師でしょう．そうゆう人が、民事訴訟を連発したりするでしょうか？ そんな金あるわけないし、元々収益化できていないのですから損害額だってたかが知れています．せいぜいSNSで「真似されて不愉快です」と道徳観を述べるだけしかできないでしょう．それにそもそも、マイナー絵師の画風をAIで真似る市場価値も無いわけです．ゆえに民事は成立しないし、まして刑事になるわけもない．

だから、いくらAI画に怒ったって、ノイジーマイノリティの域を超えないように思います．

結局、AI＝道具説ならば従来と変わらんと思うわけです。

というわけで未来予想．

AI画が広まったとしても、ビジネスが確立した絵師への影響は軽微．零細絵師の価値は暴落する．零細絵師はSNSで苦情を言うぐらいしかできず屍になる．

ところで模倣は道徳に反するのか？

設計にせよ、創作にせよ、90%は模倣で、オリジナリティは10%ってなもんです．100%オリジナルなんてものはないです．皆が先人の開拓をベースにしています。

ただし、AIの場合は模倣スピードがとても速い．だから模倣スピードの遅い手描きの価値は暴落する理屈です．

イラストが先行して問題になりましたが、次は小説ではないでしょうか？ ラノベ作家界隈からAIラノベ全面禁止の火の手が上がって、文化庁はまたそっけない対応という既視感．

最後に、ヒラサカのお考えは世知辛くも冷たくてさ、、、

新しい技術によって価値が暴落させられるのを、新しい法律や新しい道徳で食い止めようとする企てには反対なんです．ごめんな

えいめん