わたしが過去を振り返るとき、思い浮かべるのはその時節に流行していた家電製品とそれに使われていた電気回路技術なんです.
70年代
ソリッドステートのカラーテレビ.バラすとCRTの高電圧が吸着した煤で手がまっ黒になる.プリント基板にはまだICはほとんど見当たらず、2SCxxxと1/4Wのリード抵抗が満載、プリント基板は片面ベークライトでした.
小金持ち世帯にはベータマックスがありました、うらやましかった.
80年代
急速にエレキテクノロジが変貌した時期で、リード抵抗は少なくなり表面実装パーツが幅を利かせるようになりました.初期は2.54mmピッチのICが多かったけれど、後期には0.8mmピッチのQFPまで進化しましたかね?
だけどまだモバイル機器はwalkmanぐらいしかなかったし、モバイル機器のバッテリーは単三かNiCdでした.
90年代
初期にはMacやDOS/Vマシンが流行し、PC自作のための剣山のようなCPUが登場しました.中盤にポケベルが流行したかと思いきや、後期はすっかりケータイ・PHSに置き換わりました.リチウムバッテリー登場.TVやモニタはまだCRTでした.ハイエンドオーディオは死に体になってゆきました.プリント基板は表面実装しか存在せず.
00年代
前半後半で最大の違いは、スマホの普及でしょう.表示デバイスはLCDオンリーになり、CRTは駆逐され、そのせいでソニーはピンチになりました.
表面実装部品は1005や0603のようなもはや小さすぎて目で見えない領域へ.
2010年代
00年代のマインドセットのまま小型・高速・スタミナが進展しているという印象で、大きな変革はもうあまり生じておらず、電気業界はワールドワイドで寡占化・新興工業国生産・コモディティ化へと邁進します.基本的にエレキハードウエアビジネスは一部の労働者しか幸福にしない末期状態かと思います.
そんなもはや何も起こりそうにない退屈な201X年のある日、Amazonで気になる電気製品を知りました.正直言ってカルチャーショックでした.
右写真がそのカルチャーショックグッズなのですが、一見してリチウム電池内蔵のモバイルバッテリーでしょ?と思うわけです.事実そういう利用も可能です.
しかしこの商品名は「ジャンプスターター」といいまして、バッテリーの上がったクルマに接続してセルモーターを回すデバイスなんです.
しかしクルマのスターターって半端ない電流を喰いますからね.20Aぐらい行っちゃうんじゃないかしら? 瞬時大電流と云うと50歳代の自分としては鉛電池一択というのが脳内通念なわけです.
それなのに、、、こんな小さなリチウムバッテリーでセルモータをkickしてしまうとは、もはやわたしの旧来型通念では追従不能な領域であると云っても過言ではありませんぞ.
研究開発中のバッテリーにはリチウムの10倍を達成できると期待されるものもあるとされ、それが実用化したら、バッテリー上がりのクルマにスマホを接続してセルを回すとでも云うのだろうか??? ぐぁぁぁ
そんなプラスチック爆弾みたいなエネルギー密度を抱えて誰しもが飛行機に搭乗するんだろうなぁ、、、くわばらくわばら.
かしこ
そのまんまスタンガンになりそう
返信削除現行リチウムの10倍の電力があれば超強力スタンガンが出来そうです.
削除レーザー目潰し機能、手投げ弾機能も出来そうです.
お友達は15A×15分の電動エアーポンプに使ってます。しかも海辺で。 おそろしい~http://item.rakuten.co.jp/auc-breakout/bmop/
返信削除発火したら急いで海水をかけたいですね.便利すぎて怖いー
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