いろいろなパーツがある中で、FDM方式特有のパーツがあります.高温で解けた樹脂をノズルから吐出する装置です.Extruderと呼ばれます.
この写真は通称MK8というextruderです.ステッピングモーターの他に放熱器とFANとアルミ製部品が見えます.高温の樹脂を吐出するポンプって簡単に実現できる気がしませんけど、この得体の知れないメカの何処にポンプが実装されているのでしょうか?
実物を見て、動かしてみて、ははぁそんな動きをするのねと思う部分が多々在ったので、今回はextruderの動作を楽しみたく思いまーす.
↓上の写真の放熱器とFANを外した状態です.基本的な動作である樹脂を押し出す動きはこうなってます.まだ樹脂を買ってないので導線を挿入して試運転しました.ステッピングモーターとプーリーで樹脂フィラメントを押し出す原理です.随分と簡単じゃねぇか?
↓ちなみに樹脂フィラメントは太さ1.75mmで、巻物で供給されます.なので見た目はまさしく導線そのもの.ただし導線よりも硬いです.ガチガチに硬いです.曲がらないし、圧縮もされないくらい硬い.この硬さがextruderに重要な性質と思われます.
↓バネッ気のある洗濯ばさみみたいな構造は、ギアとプーリーで樹脂フィラメントに食い付く働きと、樹脂フィラメントを挿抜する場面で食い付きをリリースする働きをします.いずれのextruderにおいてもこの原理は同じみたい.
↓次に進みます.中空のネジを取り付けます.中空であるため、樹脂フィラメントが貫通します.
↓その先に直方体のヒーターを取り付けます.このヒーターも樹脂フィラメントが貫通します.
↓ヒーターの先端にノズルが付きます.直方体の部分は200℃以上の高温になり、樹脂フィラメントはそこで溶かされノズルから出ます.ノズル径は0.4mmぐらいが多用されるようです.樹脂フィラメントがガチガチに硬いのがここでの重要ポイントでして、もしもフニャッとしてたら中空パイプ内部で中折れして詰まってしまいますからね.
↓直方体の拡大です.素材はアルミで、ヒーターは穴に差し込まれていて、12Vまたは24Vで加熱されます.賢くも熱電対で温度制御されます.樹脂素材によって最適温度があるためです.
↓放熱器とFANの存在から想像される通り、200℃を超える高温部はヒーターとノズルだけであって欲しい、それ以外は常温であって欲しいという要求があります.なぜなら、温度勾配がダラ~ッとしていると中空パイプ内部で中途半端に樹脂が溶けて目詰まりしてしまいますから.
FDM方式の3Dプリンタの信頼性問題はノズル近傍の詰まりであろうと、わたしのゴーストが囁きます.
↓急峻な温度勾配を実現するためにヒーター直上を強制空冷するタイプもあります.このタイプはE3D-V6などと呼ばれています.
↓V6タイプの断面はこうなっています.溶けるのは先っぽだけにしてよね!という設計と云えるでしょう.なんだかMK8を使いたくない気分になって来ました.
↓最後に、ブラケットとモーターを含むMK8一式の重量を測ってみたら、420gもあるの.なんだかMK8を使いたくない気分になって来ました.
MK8の樹脂フィラメント送り機構だけを活用し、ヒーター部分はV6を採用する事が可能なので、その方向でやろうかと思いましたー
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かしこ
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