2024年5月14日火曜日

【分解修理】ソニーEDベータ EDV-5000 ローディング修理できるのか?(3)プランCでいけそう

前回の続きです.
EDベータのエレベータ修理を行います.

EDV-5000の中身.カセットを動かすメカが故障しています.
↓故障個所はカセットのエレベータのモールド部品の破損でした.

これを修理します.

今回試すのはプランCです.

↓折れた突起周辺を彫刻刀でさらって平坦化します.
↓見づらいけど、突起を1mmだけ残して切断.彫刻刀とリュータを使います.1mmだけ残すのは位置決めのため.
↓3Dプリンタでこのようなものを印刷します.軸径は4mmです.ポリ乳酸で強度不足な場合は、部品加工業者にアルミか真鍮で切削加工してもらいます.俺旋盤持ってないの.
↓仮づけなので両面テープで固定します.折れた軸を再生したわけですね.なお、エレベータ各部の精度は比較的ラフでOKです.極論言うと1mmズレてたって平気なくらいかな.なぜならカセットの着座精度は別の部品で確保する仕組みになっているからです.カセット着座精度とテープ走行系のノウハウはいろいろあるのですが、それを書くには紙面が足りない.
↓メカデッキに組み込みます.メカデッキ全バラはしたくないので、プラ部品の撓みを利用してなんとか嵌め込みます.メカデッキ全バラしない理由は、左右のリンクロッドが外れて位相がズレたり、果てはテープ走行系の直線性までズレたりしたら台無しですから.
↓前回試したプランBでダメだったクリアランスはOKになりました.
↓エレベータ駆動部品とのリンケージが復活しました.これで治るはずです.
↓カセットのエレベータが正常に動くようになりました.ただし、まだ通電してませんので、右上のローディングモーターをピンセットでぐりぐり動かしただけです.

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つぎの課題は、これをどうやって接合したらよいのか?
黒い母材はたぶんポリプロピレンです.撥水性なので接着剤がつかないんですよね.
接合するためにこんなプランを考え中.
 プランC1:シリコン接着剤 ←PPにつくかね?
 プランC2:PPX接着剤
 プランC3:なんらかの接着剤+なんらかの補強
 プランC4:ネジ

↓PPXというのはこれです.要はプライマーが優秀ということのようです.ただし不安があります.母材表面が凹凸している.3DP部品は多孔質である.瞬間接着剤ってそうゆう表面が苦手でしょう.
↓軽くdisっておきたいのがスーパー多用途で、固化しても軟らかいし割れるしでこの接着材は嫌いです.一度で懲りたぜ.

というわけで、次回は「接合編」です.お楽しみに.

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なお、この修理費用はチャラです.(ワインもらったけど)
理由は、依頼主からトンデモナイ便宜供与をかつて受けたので、前払いされていると考えるからです.便宜とは何かを書いたら、10人中25人は「それなら無料修理は当然だ」と言うでしょう.

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かしこ

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