2011年10月13日木曜日

心霊体験シリーズ002 老舗旅館になんぞ泊まらんでも

どこまで続くか?心霊体験シリーズ.....

まだ私がガンガン働いていた頃、午前様になるまで残業することはよくあった.そんな酔狂な働き方をする者は他にいないので、深夜のフロアにいるのはいつも私一人だ.

その職場の床はリノリウムのつるつるした床材で、事務椅子を動かすと「キュルキュル」と音を立てる.金属製の机は引き出しを閉じると「バタン」という音を立てる.

時刻は午前0時を回ったころ、”それ”はしばしば訪れた.

作業台にいる私から20mぐらい離れたところの事務机エリアから、「キュルキュル」「バタン」と人の気配、いや疑いなく明瞭な活動音がする.

最終退出者の私が、まだフロアに残っている人を閉じ込めてしまっては大変なので、誰かいるなら知ってなくちゃいけない.物音がした方向へ「誰かいますかー?」と呼びかけるものの返答はない.相変わらずフロアにいるのは私一人だ.

「やれやれ、またか、、、」

いつどおりその日2度目以降の”それ”には馬鹿馬鹿しいのでシカトを決め込んで仕事をつづける.

はたして”それ”の正体は?

座敷童に出会うと幸運になると謂われる.幸運を得たいために老舗旅館に宿泊する者も多いと聞く.だがそこまでせんでも何度も”それ”に出会っているのが私だ.

”それ”が座敷童だったとすると、私は何度も幸運に見舞われてお腹いっぱいになっているはずだが、果たして全然そうとは思えん.この現状が度重なる幸運の結果なのだとするならば、交通事故で死ぬべきだった運命が延命されたなどと、大凶から小吉へ昇格することで浪費されてしまったのだろうか?

う~んんん、なんとはなしにfuckだなぁ.

--続く--

1 件のコメント:

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