2011年10月23日日曜日

心霊体験シリーズ003 テレパスの 気分は七瀬ふたたび

ひさしぶりに心霊体験シリーズ.前回はこちら

その朝の夢見は私にとって未だ体験したことのない異常なものだった.

高いところから落ちる悪夢はよくある.だがその朝は高所落下夢を繰り返し見たのだ.
明け方に10分おきに10回は悪夢を見ただろう.気が狂ったのかと思った.
人によっては、一度目が覚めて二度寝したとき、夢の続きを見れる人がいる.
だが私の場合は目が覚めれば夢はリセットされ、同種の夢をみることは無かった.
だからこれは異常な夢見だった.

おかげで寝起きが悪く、奥さんと子供が起きて部屋から出て行った後も、わたしはベッドで横になったままボーッとしていた.

当時4歳ぐらいだった子供と3人で2階で寝ていたので、奥さんと子供が階段を降りていった.いつもどおり子供が先に降りていったようだ.

とその直後、「キャーっ」という奥さんの声とともに、ドタンドタドタッと階段を転落する物音が続いた.

ヤバいと思った.4歳児の上から大人が転落したのである.打ち所が悪ければ首の骨を折ってお陀仏になったかもしれない.飛び起きた私が階段の上から見た光景は、向かって左側に頭を下にして「痛ーい」とうめいている奥さんと、その右側で「ギャーッ」と泣いている子供だった.二人とも意識はある.
わたしは階段を駆け下りて声をかけた.幸い、二人とも精神的ショックはあったものの、身体的には、奥さんがひどい打撲、子供が軽い打撲ぐらいで済んだようだった.

わざわざ医者に行くほどでも無かろうと結論し、朝飯を食べていた私はふと、今朝の異常な夢見を思い出して心底ゾッとした

何度も私を襲った高所転落夢は、階段から落ちる際の奥さんか子供の恐怖心が2時間の時間差を伴って私の脳内に発現した予知夢だったのではないか??? 当事者である私にとっては信憑性があるように思えてならない.

それ以来、私は怖いのである.
他人の恐怖心が勝手に自分の精神に流れ込んでくるかもしれないということが.

もし誰かの断末魔の恐怖が流れ込んできたときの自分の精神的ショックは果たしてどれだけのものだろうか?

「七瀬ふたたび」はSF小説の話じゃないのだ.わたしにとって.

幸いその時以後、予知夢と思われる経験はしていない.

--続く--

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