AIのせいで仕事なくなる系ポエムです.
予想1:回路設計AIは出てくるけどそんなにすごいモノは出てこない
予想2:建築設計AIはかなり出てくると思うがリフォームAIは無理だろう
わたしはsoft屋ではないのでAIでcodingする場面はほとんどないです.なのでAIの恩恵には与っていません.
回路設計AIというものは聞いたことがないですが、こんなのなら欲しいです.
実装支援AI
スマートグラスでPCBを見ると、ハンダ付けするべきパーツをリアルタイム表示してくれる便利なAI.電気屋向けのスカウターみたいなかんじ.あとPCBを見ると電力シミュレーションして想定される発熱も表示してくれよな.
アートワーク支援AI
・アバウトな手描き回路図をCADで清書してくれる
・パスコンと電源回路を自動で回路図に追加してくれる
・partsはDigikeyとリンクしていて、安いものを探してくれる
・BOMを出力してくれるのは当然で、Digikeyの購入部品リストも作成してくれる
・半導体のようにpackageが複数あるpartsはAIが質問してくれる
・回路図シンボルと基板マクロはdatasheetから採取してAIが勝手に作ってくれる
・「コネクタはどうしますか?」とAIが人間に質問する
・BOXサイズをAIに指示すると、PCBサイズとBOX構造をAIが考えてくれる
・3DPのSTLを生成してくれるAI
・AIがアートワークをやってくれる
BOX構造設計はチト難しいのでさておくとすれば、↑ここに書いた動作は根性があれば概ね実現可能ではないでしょうか? もっとも、回路設計市場はそんなに大きくないのでやる気を出すAIベンダーが登場するかどうかは怪しいですが.あと、こんなAIのサブスクリプションは月額何万円とられるのか分かったもんじゃないホラー.
上の2題は、
まず回路図ありきで、ゆえにnet-listが存在する、partsベンダーのfoot print情報とリンクする、部品座標データがある、BOMを出力するといった一続きの情報処理です.これならAIに出来ても不思議じゃない.
ならば、回路図を描ける超AIは出現するのか? ←これこそがAI回路設計の核心です
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回路設計とAI
一口に回路設計と言っても、簡単な回路~高難易度な回路までピンキリです.
AI設計向きなのは例えば「USBハブ」ですかね.
理由は、SPECが決まっている、documetが存在する、設計ガイドラインが提供されている、datasheetには標準的回路図が載っている、などなど.すなわち、unknownな部分が無く、全てがdocument化されているdigital system.こうゆうモノはAIと親和性が高い.
system規模はだいぶ違うけど、PCのMBDも設計ガイドラインの集積という意味でAIと親和すると思います.
逆に設計が困難なのは、例えば32bit高音質audio DAC基板なんかはAIにゃ無理じゃないかな.
なぜなら、
32bit DACと銘打って売られているDAC ICであっても実効bit数は24bitぐらいしかありません.なので、プロンプトに32bitと記載してもそんな解は存在しないんです.AIは様々なdatasheetを読んでなるべく高SNなDACを推奨してくるかもですが、それが高音質と呼べるICなんですか?
それに「高音質」の定義ってなんですか?
・パキパキでキラッキラな音質が高音質なのか?
・vocalが前に出てくる音質が高音質なのか?
・真空管とホーンSPKを推奨するのか?
・SN比を極限まで高めれば高音質になれるのか?
高音質は人間の官能のセカイですから設計ガイドラインがまるで存在せず、AIが入ってくる可能性は少ないです.
また、vocalが前に出てくる音を実現するための設計指針なんかnetを検索したってみつかりません.
ハイエンドの回路設計はガイドライン化されてない要件ばかりなので、「見てるだけ」「自分で手足を動かさない」AIという知性には太刀打ちできないでしょう.
ならば回路設計における、ハイエンド設計とローエンド設計の比率はどうなのかを考えてみましょう.
デジタルガジェットは性能はイマイチだけど誰にでも作れるので、中華様がコモディティ化を推し進めてきました.世の中はローエンド品ばかりですからAIが回路設計に入り込む余地は多くあると思います.
ハイエンドはどこに行っちゃったのかというと、測定器、HiFiオーディオ、センサや電波のフロントエンド、ハイパワー、そういうニッチなところに棲息していて消える事はないです.そういう場所にAIは入れないと思われます.
soft開発現場では、
工程1)AIに軽く考えさせて
工程2)人間が補正する
こうゆう作業フローが増えていると聞きます.
回路設計においても似たような作業工程になるのではないでしょうか.
でもその場面が訪れるのはsoft開発よりもずっと遅いでしょう.
また、「AIの回路はダサイ」と即断できる回路技術者は少ないです.
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建築設計とAI
建築は回路よりもAIとの親和性が高いように感じます.
建築は、
建築基準法に合わせて設計しなくちゃいけないし、
構造計算せないかんし、
役所に建築確認せないかん、
造るモノは巨大なので人手は掛かるし、
資機材を余分に在庫とかしようものなら管理が鬼、
必要な手数はメチャ多い、かったるい.
でも、そうゆう手数業務はAIに任せやすい.
建築基準法AIはこんな風なことを言うんです、
「ご指定の換気扇だと外部フードの先端が隣地境界に近づきすぎです.代替品を探しますか?」
いまの建築はコモディティ化してると思うんです.
ぶ厚いマホガニーの扉をしつらえたいとオーナーが願ったら、イタリアの工房から買うのでしょう.寸法と材質と施工方法は開示されています.
耐震性とか高断熱とかで今の家の外観ってみんなこんなでしょ.窓少ない.
5SLDKなどと居室の間取りを決めてしまえば、外観は従属的に決まります.
屋根材と外壁材はオーナーの希望色を聞いて、AIにつっこめばいい.
AIに構造計算させる.
耐震部品はお決まりの補強材を使うようAIに指示しておく.
AI任せで問題ない設計シーンです.
ビル建築はガタイが大きいけどofficeフロアなんか標準品をパコパコ置いてゆくだけですから面積当たりの手間は戸建てよりも遥かに軽いと思われます.AI任せで済ませましょう.
ただしビルはエレベータのような機械設備が屋上や地下に入るので、そういう場所はヒトの知恵がないと難しいかもしれません.入札とかありそうだし.
というわけでコモディティ化が進展する建築分野は便利なAIに浸食されるのではないかと思います.
ただし、、、
リフォームはAIには無理、ぜんぜん無理
「床を剥がしてみないとどこまで腐朽してるか判んない」
「シロアリ」
「配管が基礎に埋まってて不可視」
「耐震ゆうても建築図面無いし、壁を壊してみなけりゃ筋交いの有無は不明」
古い建物はこんな有様ですから、AIにはぜんぜん無理ですな.
かしこ