2015年5月12日火曜日

坂井弘亮というITライター

USBの解説の最初の方にはたいていこのような文が書かれています.
「デバイス側には「エンドポイント」と呼ばれるFIFOがあり、ホスト側にも同様のFIFOがあり、これらのFIFO同士が「パイプ」で接続されて、データを送受することになります」

だがしかしごめんなさい、わたしにはこの文を理解する能力が欠けています.EZ-USBを弄ってUSBについて理解した今ならこの文の意味が判りますけど、それ以前のわたしには抽象的すぎて理解できませんでした.

もしかしたら、純粋なソフト屋にはこういうトップダウンの抽象論から入った方が理解しやすいのだろうかと思うのですが、わたしはハード屋だからだと思うのですが、トップダウンの理解が難しい.「FIFOが繫がって通信」といわれると、次のような疑問点がポコポコと出てきてそれらが解決されないと「FIFOが繫がって通信」の意味が脳内に定着しません.
 1) FIFOの長さはどれだけあるの?
 2) FIFOは何本あるの?
 3) ホストPCはFIFOの長さをどうやって知るの?
1,2は、採用するUSBコントローラLSIの仕様に依存します.3は、採用するUSBコントローラLSIのサンプルコードを読まないと判りません.なので、いわゆる「USB規格の解説本」を読んでもわたしには理解の助けになりません.先日まで当ブログに書きまくっていたようにEZ-USBのハード&ソフトを具体的に動かしてみて、重箱の隅をつついてみないと先に進めない.ソースコードに割り込みベクタがどのように記述されていて、割り込みハンドラがどんなで、、、それを見て納得しないと気分が悪い.どこからともなく割り込みがかかるのが不気味で怖い.

要するにハードウエア層から紐解いたボトムアップ論じゃないと、わたしの脳は反応しないんです.

こういう頑迷さは理解力が不足した人間の典型例なのかもしれないと思ふ.

以上が前置き.

↓出版は2010年ですからIT分野では既に古い書籍ですが先日書店でこんな本を見つけました.コンパイラが吐き出したバイナリが、メモリにどういう風に展開され、そのメモリ空間をご自由にお使いくださいませとCPUに渡される、、、その辺がハードウエアに近い階層で具体的に語られている本であるようです.これは良い、と思って入手しました.まだ読んでません.
↓著者は坂井弘亮という人で、他にはどんな本があるのかと思ってamazonで調べたら、こんなのがありました.H8マイコン上で走る自作OSのコード解説を通じてOSへの理解を深めようという、これまたボトムアップ型の取組手法で書かれた本です.スケジューラやタスク間通信までを習得できるみたいです.Ethernetとかファイルシステムは含みません.これは良い、と思ってこの本も入手しました.
↓坂井弘亮さんが2014年に上梓した本がこちら.熱血とかアセンブラという語に反応するよりも、この表紙って島本和彦じゃねえのか?っていう、表紙が発散する過剰な熱量に火傷しそうでヤバイです.これは入手する予定はないかなぁ.ちなみにわたしは6800のアセンブラから入った人です.
↓そして、この本、知ってます.むかし立ち読みしたコトがありますもん.これも坂井弘亮さんだったのですね.2003年ですからかなり古い本です.
他にも2冊の著書があるみたいです.

雑誌「インターフェース」とその記事をまとめた解説本ならCQ出版社からたくさん出ていますけど、正直どれも掘り下げ不足で物足りなさを感じるわたしです.

坂井弘亮さんのような、300~500ページも割いてハードウエアに近い階層を解説してくれるライターはあまり居ないように思いますのでありがたい.

多謝、多謝、、、


人気ブログランキングへ

0 件のコメント:

コメントを投稿