2014年10月21日火曜日

【能力の限界】 人生3度目の観劇でやはり挫折

今日は観劇しました.映画でもアニメでも映像作品は好きなのですが、演劇を理解する能が無いので、やっぱオレには演劇はダメだぁ~と挫折しました.一体あれをどう楽しんだら良いのだ???

一度目の観劇は劇団四季のCATSでした.
野良猫ちゃんのコミュニティでは、「猫ちゃんオブザイヤー」を決める習わしになっています.
様々な猫ちゃんが、自分の特異な体験を語ることで、自分が猫ちゃんオブザイヤーであると主張します.その体験語りが、劇中劇としてミュージカルで演じられます.一本のミュージカルで、様々な劇中劇を楽しめるメリットがCATSにはあります.でもそれだけ.だからなんなの?
ただし、さすがにミュージカルの主役を張る俳優の演技はすごいや、と感心はしました.
多くの猫ちゃんが自分の体験を語り終えて、さぁこの中から一位を決めようぜ!となった場面で、娼婦の猫ちゃんがフラッと割り込んできます.その娼婦猫ちゃんが、自分の奈落の底のような体験を一人で歌い上げるのですが、その声量と歌唱力は桁外れで、それまで大人数でやっていた劇中劇なんか一体何だったの?と思わせるような優れた演技でした.ひぇ~すごい~と思いました.

二度目の観劇は、つかこうへい原作の劇でした.
あまりにつまらないので、激怒しちゃった.一緒に行った奥さんも、今回のは滑りまくっていたと認めていました.紅白歌合戦のような白々しさでつまらないギャグをやっていながら、つかこうへいでござるみたいな押しつけがましさが匂って、クソったれがぁと思いました.それ以来、観劇だとぉ? fuck!な態度になりました.

三度目の観劇が今日でした.
ナチスドイツに迫害されたユダヤ人の悲劇をお涙たっぷりで描いた劇でした.
その題材を採用した時点で悲しくないわけがないわけで、題材を超えるアピールってあるのかいなと2時間半観ていましたが、平板な演出でどーってことはありませんでした.
平板な演出というのは映画と比較しての話ですけど、演劇って、常にロングショットのカメラで観ているわけです.俳優のアップなんか無くて、映画における画面レイアウトのような概念がありません.舞台を観ているわたしの目に写るのは、戦争で死ぬ人の悲しい演技が遠目から見えるだけです.けれど悲しい場面を「遠目から観察」していても、わたしは悲しくはなりません.

演劇のあれをどう楽しんだらいいのだ???
たぶん、演劇はライブなんでしょう.
映画は、どこかで撮影され、どこかで編集され、劇場でそのフィルムが上映されるだけです.俳優と視聴者の時空間は断絶しています.だから、冷静に分析的に観ても構わない.
演劇は、舞台で演じている俳優と観劇者が一体となった時空間を形成し、観劇者はその時空間に精神を飛ばして感動を受信するのだろう.わたしはそういうスタンスで楽しむ訓練を積んでないので、まるで楽しめませんでしたが.

今日観た小屋は、100人ぐらいの規模でした.
劇が始まって1分でうわ~っ嫌だぁ~と思ってしまった事があります.
俳優の足音がゴトゴトと聞こえるんです.
映画の足音は、SEとして設計的に録音される効果音です.しかし演劇では演技の副産物として生じてしまう物なのだなぁ~とうめいてしまいました.

演劇を支持なさる方々にはひどい言い掛かりとしか言えないでしょうが、あしからず.

かしこ


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8 件のコメント:

  1. ソニーOB:佐藤2014年10月21日 13:17

    平坂さんと同じかどうかわかりませんが私の場合にはその演じている方の裏を感じてしまうことで入っていけないという事があります。ちなみに私は演劇は観に行った事は無いです。
    さてどういう事かというとプロレス観戦などではTVでは見えない部分まで見えてしまいますとやはりなんか違うんですよね。それでいて「こういう試合をしてお金を稼ぐ人もいるんだなぁ」という目で見てしまうとTVで観るようにまた見れなくなります。また、同じようなものでサーカスなんかもあります。だいたい木下大サーカスなんかは2か月くらい公演して、そしてまた次の場所へと移動していきます。サーカス団の方々もトレーラーハウスなんかで住みながら公演を続けます。そういう状況を見てしまうとやはり「大変だなぁ。ずっと廻って定住ってないんだなぁ。こうやって働いている人もいるんだ。」と感じるとそういう目で演技を観てしまうわけです。そうすると引き込まれるという状態には陥りません。
    TVの場合にはそういう余計な情報をトリミングして伝えるわけですので演技そのものしか見えないために集中できるというわけです。
    こういう冷めて目で見るようになったのは中学校の修学旅行だったと思います。長崎の雲仙のホテルで夕食時に旅芸人の股旅物みたいのをやってました。中学生に見せるようなものではないと今でも思ってますが。。。そしてこの時に演じていた劇団の中に明らかに自分たちと同じような年頃の男の子もいました。一座の息子なんでしょうね。それを見ながら夕食を採りながら芝居を観る中学生、方やその芝居を演じる中学生がいるわけです。その時にこんなくつろいで飯食っている時に(好きかどうかは不明だが)仕事をしている中学生もいるのを観るにあたり「この子はまた数か月後には他のホテルや劇場に行くんだなぁ。そしてそれに伴って転校していくんだなぁ。」と感じるとそういう事が気の毒に感じてしまい、その劇よりもその裏にある現実(あくまでも自分の幻想ではあるが)を気にしてしまうがあまりに劇が頭に入っていかないんです。
    そんな風な冷めた目やその裏にある演者の生活などを感じてしまうと演劇に入って行けないってことじゃないかと思いますがいかがでしょうか?
    わかってもらえたかな?

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    1. なんと演劇未経験とは.わたしですら人生3度目だっていうのに.わたしの場合は奥さんがそれなりに演劇好きなので連れて行かれたから1度目と2度目を観たわけでした.でも2度目でわたしが激怒したので懲りて奥さんから二度と誘われなくなりました.

      中学生に股旅物を見せる教育的効果を定義するのは困難っぽいです.
      わたしは旅芸人一座を観た経験はありませんが、旅芸人のポスターを子供の頃に観て、「天才子役 長瀬杏子」などと書かれていて、学校行ってないんだろうなぁ、定住してないんだろうなぁ、と思っていました.あの当時はアニメでそういう題材っていろいろ有ったので、そういうのは不幸の一形態だという刷り込まれていましたから.

      裏にある現実を推察してしまうのと、舞台の足音で幻滅してしまうのとは、似ているかもしれません.アニメは究極的に人工的な表現手段ですから、それに慣れたわたしには現実臭があるとついて行けません.能力の限界に達しました.

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    2. ソニーOB:佐藤2014年10月21日 13:56

      芝居と言うバーチャルなものであるが実際演じているというリアルを感じる人にはライブは似合わないのかも。唯一大丈夫なのはコンサートですね。
      でもベンチャーズみたいに毎年毎年日本に来て稼いでアメリカに帰って行くというドサ周りだと生活感を感じてしまうかも。「ハニー!2か月間ジャパンで金稼いでくるよ。寂しいけど我慢してね。帰ったら旅行でも行こう!」って言ってそうな幻想を抱いてしまいます。

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    3. ベンチャースってまだ生きてるんですか.わたしも音楽ライブは無問題なんです.

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    4. いちゃもんが過ぎると思って本文には書きませんでしたが、もしも映画の企画だったら、ホロコーストという題材を今更なんでと指摘されて企画が通らない.ホロコーストをベタで描く脚本に新規性が無いと指摘されて企画が通らない.子供向けのアニメでもやらないようなベタな演出はダメだろうと指摘されて企画が通らない.そういう三重苦企画だったと思いました.
      それを克服できない限り、マイナーさを克服出来ない限り、演劇というメディアは低空飛行のままなんだろうなと思わずには居られませんでした.

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    5. ソニーOB:佐藤2014年10月21日 14:18

      ほぼ毎年来ています。ダイヤモンドヘッドとパイプラインはテッパンです。
      ほぼ全国を網羅しています。これだけ廻ればそこそこのギャラは発生しそうです。たぶん日本以外ではアワコンだと思います。だからアメリカでは西側に足を向けて寝られないでしょう。と言いつつ年も年だからあと数年持つかどうか。
      http://home1.tigers-net.com/kagetake/v-ti2014.htm

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    6. ソニーOB:佐藤2014年10月21日 14:24

      エナジーに居た頃に電柱に渡邊文樹監督の映画のポスターがいっぱい貼ってあってました。もちろん観る気になるようなものではなかったのでタイトルくらいしか覚えてないですが、まあアングラ映画です。
      http://yojimbonoyoieiga.at.webry.info/201005/article_1.html
      ここの内容は観てないです。ただ監督名で検索してひっかかったので引用しました。

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    7. 八墓村的な内容ですね.横溝正史は日本のそういう旧さを作品の商業価値として活用しましたが、こちらは告発したかった系でしょうか? あのわけのわからない奥山和由がこんなマイナー映画に金を出していたのは意外.

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