前回は「デジタル信号処理」の意義を書きました.今回はも少し細かい導入の話を.
デジタル信号処理をその実現方法で分類すると、次の4種類になると思います.
①DSPをつかう浮動小数点演算.
利点: 浮動小数点演算なので高精度.ソフト開発なのでロジック回路に較べると開発が楽.
欠点: あまり高速でない.オーディオ帯域ならOKだけど、数MHzの信号にはキツイかも.メモリとかを装備しなくちゃいけないので得てして値段が高いように思う.
②PCでゴリゴリと計算する浮動小数点演算.
利点: お手軽だとは言えるでしょう.インターフェースカードの仕様次第ではMHzオーダーの信号も扱えるでしょう.
欠点: リアルタイム処理には向かない.インターフェースカードの値段が高い.PCの値段が高い.なので、高価な測定system向きでしょう.
③専用CPUでゴリゴリ計算する浮動小数点演算.
利点: C言語でフツーに書けるのでDSPより楽かも.
欠点: メモリを載せてリアルタイムOSを載せて32bit CPUを載せて、、、、などといろいろとリソースを要求するので、結局値段が高くなりがち.
④FPGAで固定小数点演算.
利点: リソースがFPGAだけで済むので値段が最安.チープだぜぇ.10MHzぐらいまでは余裕で対応できる.量産機種向けです.
欠点: 設計はかなーりめんどくさい.
このシリーズで解説するのは④です.
数10MHzの信号を扱う必要があり、しかも値段が激安じゃないと困る~っていう用途には、④が最適です.ただし、④を設計するノウハウってあまり世の中に解説記事がないと思うので、このシリーズは貴重だと思います.ちなみに、世の中にたくさんあるのは、①と②の解説記事ばっかりだと思います.
つぎへ まえへ
人気ブログランキングへ
0 件のコメント:
コメントを投稿