「未来少年コナン」の後にもたくさんの作品を作ってきた宮崎駿でしたが、多々ある宮崎駿の作品群のなかで、わたしが肯定的に評価できるのは、ルパン三世155話「さらば愛しきルパンよ」までです.その後は、「トトロ」という良作を作りはしましたが、基本的には「作りたい物は無いけれど映画を作りたいから作っている」ような作品ばかりしか残せませんでした.ジブリの発足時点ですでにクリエイターとしては枯れ木だった宮崎駿.でもジブリの鈴木プロデューサーと日本テレビ放送網のマーケティングで今もとびっきり旬なコンテンツであり続ける宮崎駿.
その宮崎駿が引退するっていうんで記者会見まで開いたそうで、そんなに偉くなるほど素晴らしい作品を創ったんだっけ?とポカ~ンとしてしまうとともに、かつてあれだけ崇拝した宮崎駿に「ご苦労様」と言ってあげたい気が全くしません.「作りたい物が無くなった時点で引退した方がよかった」というのが宮崎駿にかけたい言葉です.
------
以下では、宮崎駿といえばジブリでしょってな一般庶民とは掘り下げ方のレベルが違うヒラサカが、いまとなっては考えたくもない宮崎駿を古い作品から順に辿ります.
年代順の主要作品に、ひら的評価ランキングをつけるとこのようになります.
27歳 1968年 太陽の王子ホルスの大冒険 ★
28歳 1969年 長靴をはいた猫 ★★★★★★
28歳 1969年 空飛ぶゆうれい船 ★
30歳 1971年 どうぶつ宝島 ★★★★★★
30歳 1971年 ルパン三世 ★★★★★★★★
31歳 1972年 パンダコパンダ ★★★★★★
32歳 1973年 パンダコパンダ2 ★★★★★★★
33歳 1974年 アルプスの少女ハイジ ★★★★
35歳 1976年 母をたずねて三千里 ★★★★
37歳 1978年 未来少年コナン ★★★★★★★★★★
38歳 1979年 赤毛のアン ★★★★
38歳 1979年 ルパン三世カリオストロの城 ★★★★★★★★★
39歳 1980年 ルパン三世(死の翼アルバトロス) ★★
39歳 1980年 ルパン三世(さらば愛しきルパンよ)★★★★★★★
41歳 1982年 マンガ版ナウシカ連載開始
42歳 1983年 名探偵ホームズ ★★
43歳 1984年 風の谷のナウシカ ★★★★
-----これ以後がジブリ-----
45歳 1986年 天空の城ラピュタ ★★★
47歳 1988年 となりのトトロ ★★★★★★
48歳 1989年 魔女の宅急便 ★★★★
51歳 1992年 紅の豚 ★
54歳 1995年 耳をすませば ★★★
56歳 1997年 もののけ姫 ★
60歳 2001年 千と千尋の神隠し ★
63歳 2004年 ハウルの動く城 ★
67歳 2008年 崖の上のポニョ ★
72歳 2013年 風立ちぬ ?
太陽の王子ホルスの大冒険 ★
監督が高畑勲で、宮崎駿はサブリーダー的な立場で参加.まだ若造な宮崎でしたが、最初から超人的なパワーを発揮していたそうです.
悪の魔王は村人の心を離反させ、主人公のホルスの心をも惑わすものの、ホルスのかけ声に応えた村人は再び一致団結し悪の魔王を滅ぼすという、いわゆるプロレタリアート独裁以外の何物でもないアニメ.この作品に高評価を与える人は、テーマや演出が当時のアニメのレベルを超えていたとか、初演出でこれを作った高畑はスゴイとか評するわけですけど、ひら的にはそんなに高評価を与える気はしません.
日本のアニメの歴史を勉強するためには必ず観なくてはいけない作品ではあります.
長靴をはいた猫 ★★★★★★
公民館の上映会で観てスッゲー面白かったのが幼少期の記憶.高校生になり、宮崎駿オールナイト上映で改めて観て、宮崎駿アクションの原点ここにありと確認しました.軟弱で貧乏な主人公が、魔王にさらわれた王女を果敢に助けるにつれ、次第に逞しくなってゆくという初期の宮崎駿が好んだ健全なフェティシズムがいい.ラストシーンで、魔王に追われる主人公と王女が塔を上へ登ってゆき、日の出が早いか、魔王に追いつかれるのが早いかとハラハラさせるアクションは秀逸.日本アニメ史の勉強には必修科目です.ただし2作目の「80日間世界一周」は観なくていいですのでご注意ください.
空飛ぶゆうれい船 ★
細かいストーリーは忘れました.気づかぬうちに悪のコングロマリットに支配された日本における陰謀を暴く近未来SFだったと思います.別段面白い作品ではないです.宮崎駿はそんなに重要な立場ではなく、東京の街に自衛隊の戦車が治安出動するシーンを熱心に作画したとかそういう立場だったと思う.しかしここで取り上げたのは、ルパン三世の最終回「さらば愛しきルパンよ」でラムダを捕獲するために新宿へ自衛隊の戦車が出動するシーンはこの「空飛ぶゆうれい船」の戦車シーンへのオマージュだったのです.
どうぶつ宝島 ★★★★★★
宮崎通は「どたから」と呼ぶのが慣わしになっている本作で、宮崎駿は監督ではないが、いろいろとアイデアを出す立場で参加しており、初期の宮崎駿のテイスト満載の楽しいマンガ映画になっています.わたしはとても好きです.キャシーというヒロインが、たしか海賊船のマストの上で「近寄ったら飛び降りるわ」とか言うんだけど、そのシーンは後に「カリ城」のクラリスになります.
ルパン三世 ★★★★★★★★
言わずと知れた旧ルパン.何度再放送を観ても面白かった.大隅正秋演出による初期のテイストで強烈に印象づけられ、中盤以降は宮崎駿がコミカル路線に変更して、結果的にクールなルパンとコミカルなルパンがほどよく混合して全23話がよくまとまっていたように思います.宮崎駿のフェティシズムが最も強烈に発揮されたのは「7番目の橋が落ちるとき」ではないか? ゴーストタウンの設定も、後のカリオストロ城を彷彿とさせるものがありました.
パンダコパンダ ★★★★★★
パンダコパンダ2 ★★★★★★★
略して「パンコパ」と呼ぶのが宮崎通です.これを観ると「トトロ」は「パンコパ」の延長だったのかぁと誰しもが気づくでしょう.トトロほどの大仕掛けはないものの、わたしはパンコパの方がぶっ飛んでいて好みです.なにせ動物園から脱走したパンダが、ヒロインの家に棲み着いて電車で動物園へ通勤するというのがオチですから、かな~り人を食った話です.「パンコパ2」は洪水で街が水のセカイになってしまうのがとても美しく、そのシーンは後の「ポニョ」のデボン紀の洪水の元ネタになっているんです.
アルプスの少女ハイジ ★★★★
母をたずねて三千里 ★★★★
赤毛のアン ★★★★
これらは、かつて日曜日の19時台に放送されていたカルピス名作劇場です.いずれも演出は高畑勲で、宮崎駿は画面レイアウトという役割で参加していました.今のわたしが、ガンダムUCの画面レイアウトがショボい、ヤマト2199の画面レイアウトは優れているなどとこだわっているのは、ハイジや三千里で魅せた宮崎駿のカチッとした画面レイアウトをリファレンスにしているからです.後に老人になって衰えた宮崎でも、画面レイアウトの巧みさはまったく衰えませんでした.画面レイアウトの天才は死ぬまで天才だったようです.
とりわけ「三千里」は椋尾篁の背景画と組み合わさってTVアニメにもかかわらず一貫してハイクオリティでした.スタッフのご尽力には頭が下がります.「ハイジ」と「三千里」は日本アニメ史の必修科目です.
とりわけ「三千里」は椋尾篁の背景画と組み合わさってTVアニメにもかかわらず一貫してハイクオリティでした.スタッフのご尽力には頭が下がります.「ハイジ」と「三千里」は日本アニメ史の必修科目です.
未来少年コナン ★★★★★★★★★★
これが宮崎駿の初監督作品にして最高峰です.語りたいことが多すぎて語り尽くせません.
2008年に発生した最終戦争で滅んだセカイ.野生児だったコナンが、悪人に捕まったラナを救うためにがむしゃらに行動するのを通じて成長し、周囲の人々(モンスリー等)を改心させ、滅びかかった科学技術文明を打倒し、平和で持続可能な農耕文明に人々を誘ってゆくというのが骨子です.
宮崎駿自身が先々どうなるか判らないままに着手し、製作しながら考えて、よくぞここまでうまく話がまとまったと、製作状況を知るわたしなどは心から畏敬の念を抱きます.小説家でも映画監督でも、カッチリとした構想を固めて石橋を叩きつつ作るタイプと、作りながら構想して危ない橋を渡るタイプに分かれると思いますが、宮崎駿は後者の典型.コナンを観て以来、危ない橋を渡る制作者をかぎ分ける力が身につきました.半村良や小松左京や庵野秀明は危ない橋な人です.
「ラピュタ」が好きな人は「コナン」を観ることをお奨めします.ラピュタでは、パズーとシータが「バルス」と死の呪文を唱えて自殺するのですが、コナンとラナは決して死を選んだりしません.若い頃の宮崎駿は健全だったので、死をもってケリをつけるようなストーリーなど作らなかったのです.
CGなどなく、セル画でアニメを作るしかなかった時代に、巨大な飛行物体(ギガント)を背景画の引っ張りという手法で描いて魅せたテクニックも秀逸でした.コナンも日本アニメ史の必修科目です.
ルパン三世カリオストロの城 ★★★★★★★★★
金曜ロードショーで何度も放映されたのでたいていの人が知っているでしょう.宮崎作品のナンバー2に位置づけます.今では誰もが名作と認める「カリ城」ですが、興行的には振るわず、これがアダになって宮崎駿は冬の時代を迎えてしまいます.わたしのような宮崎駿を神と崇める信者にとって「カリ城」はまさに神の作品ですから、もう何度劇場へ足を運んだかわかりゃぁしません.でも次回作の声は全然かからなかったのです.いうまでもなく「カリ城」は日本アニメ史の必修科目です.
ルパン三世(死の翼アルバトロス) ★★
仕事が無くてヒマだったからでしょう.赤いジャケットの新ルパンに宮崎駿が演出として参加して作ったのがこれ.まぁいかにも宮崎っていう作りではあるのですが、ちょっと作りが荒くて、サラリとチェックするぐらいでよかよか.
ルパン三世(さらば愛しきルパンよ) ★★★★★★★
赤ジャケットの新ルパンの最終回を宮崎駿が作りました.ラピュタのロボットの原型がこの回に登場しまして、新宿の街で自衛隊の戦車が大砲をぶっ放します.この回を観たわたしが一番印象的だったのは、物語の最初の数秒で宮崎駿の画面だとわかってしまうことです.それは西新宿の高層ビルの合間をラムダが飛ぶシーンで、背景の高層ビルを引っ張り撮影して画面の奥行きを作り出していました.この回は日本アニメ史の必修科目です.
マンガ版ナウシカ
相変わらずヒマな宮崎になんとかしてアニメを作らせたいと思っていた雑誌アニメージュ編集部は、宮崎駿にマンガの執筆を奨めた.ヒマだったからでしょうけど、宮崎駿は1982年から「ナウシカ」をアニメージュ誌上で連載開始し、途中何度も中断して完結したのは1994年でした.連載開始時のアニメージュの担当者が後のジブリのプロデューサーになる鈴木敏夫だったのです.鈴木敏夫に対しては、宮崎をおかしな方向へ誘導しやがってという恨みもあるのですが、でも少なくともどん底だった宮崎の才能に着眼してメジャーにさせてくれたのは鈴木敏夫なわけで、宮崎駿信者の一人として鈴木敏夫に感謝しなくちゃイケナイのでしょう....
名探偵ホームズ ★★
宮崎が最後に作ったテレビアニメ作品になりました.日本での放映年はナウシカよりも後なのですが、製作はナウシカよりも前だったはずなのでここに位置づけました.というのは、この作品は元々イタリアの放送局からの発注で製作され、日本で放映される予定が全然立たず、早くみたいなぁと思ってNHK宛に「ホームズ」を放映してくれと投書を出したりしたわたしでした.2年遅れぐらいでようやく日本でも民放で放映されました.
舞台は英国で、内容は探偵ホームズで、ただし犬を擬人化しているのが特徴.しかし犬ならではの特殊設定はなにもなし.なんで犬なのだ?と思わざるを得ない.宮崎はナウシカの企画が始まったので途中降板したんじゃなかったかな?
宮崎がフルパワーで作ったテレビアニメだけにさすがに面白いです.しかし、なにかが物足りない.それは、もう新しいことを何もやってないからなんです.これまでの宮崎の作品のいずれかで観たことばかりになっていました.宮崎も「これを作りたいんだ」というのを持たずに作っているのが判ってしまう.宮崎の限界を感じ始めた作品でした.
風の谷のナウシカ ★★★★
徳間書店が出資者を募って話をまとめたんでしょう.宮崎駿としては絶対に失敗できない背水の陣での製作だったのではと思います.製作スタッフも、アニメ業界からこの指止まれ的にテンポラリでかき集められた人達で、通常は宮崎アニメのスタッフとして参加しないようなロボットアニメ系の人も多く参加してました.金田伊功、庵野秀明、中村光毅などです.おかげでナウシカの作画品質は最初から高いところを狙っておらず、シーン毎にテイストが異なっていたりするところが他の宮崎アニメには見られない特徴となっています.幸いナウシカはそれなりに認められる興行収入を得て、宮崎駿は自分のアニメスタジオを作りたいと徳間の社長におねだりし、ジブリを立ち上げ、冬の時代を抜け出したのでした.出世できてめでたい.
ナウシカの出来はどうだったか? 作画については述べたとおりです.ストーリーは、ラストでナウシカが王蟲に殺されるが復活するという宗教伝説みたくなりました.アニメ版ナウシカはマンガ版ナウシカの広大で奥深い展開に比べるといかにも始まり部分だけで、物足りません.カリ城以来の劇場アニメということで期待して観に行ったものの、信者としてあるべからざることに”一度だけ観て劇場を後にしました”.
宮崎駿にとってはナウシカはキツイ防衛戦だったわけです.
そして宮崎駿の死後に、宮崎吾郎によって続編が製作される運命にあります.ひ~っ
天空の城ラピュタ ★★★
スタジオジブリでの初回作品がこれ.これを作った宮崎駿の意図としては、最も得意な冒険活劇を作る.絶対に興行的失敗はしない.宮崎本人にとって目新しい要素はなにもない.ということだったと思われます.
実際にラピュタは過去の宮崎アニメの大棚ざらえ的作品であって、コナンとかルパンを知らない人にはラピュタでも楽しめることでしょうけれど、わたしにはナウシカに続きラピュタも防衛戦にすぎないと感じられました.むやみに人を殺すことでしか悪を定義できなかったこと、「バルス」で自殺することでしか事態を打開できなかったこと、それは衰えだったのでしょう.類似系列のコナンに大きく負け越したラピュタに、わたしとしては高評価を与える理由がありません.
となりのトトロ ★★★★★★
ラピュタの次に「トトロ」を作りました.ラピュタの冒険活劇で比較的高い年齢層にアピールしたので、次は若年層へのアピールのために企画されたと推測します.
ジブリ作品中では最上の出来であろうとは思うものの、類似系列の「パンダコパンダ」を知るものとしてはどうしても比較したくなります.猫バスなどのアイテムは秀逸でしたが、最後に入院中のお母さんと会わずに去ってゆくその現実への束縛感が飛躍不足というか、もっと弾けてしまってもよかったのではないかと思う.防衛戦とまでは酷評しないが、幼児向けとして死力を尽くしたけれど「パンコパ」に到達できなかったことを信者としては察知せざるを得ませんでした.というわけで「パンコパ」と同等かそれ以下の採点としています.「パンコパ」はVHSビデオで何度も繰り返し再生しましたが、「トトロ」は劇場で観た他はあまりリピート試聴してません.
魔女の宅急便 ★★★★
冒険活劇ラピュタ→幼児向けトトロ と来て次は女性にアピールする作品にGOがかかったのが「魔女宅」.
しかし宮崎駿の晩年の問題はここから深刻化したと思います.「トトロ」の成功でジブリの安泰を確保したものの、さて次に作りたい物がない.自分は何をやりたいのだろう?と世情や世相から題材を穫ってくるようになりました.天才にとってそれは堕落でしょう.もちろん上質な作品でよかよかとは思いますけど、宮崎さんあなたは高畑勲のように理屈で映画を作るモードに入ってしまいましたねぇと、だんだん宮崎アニメを観るのが辛くなってきました.
興行的に成功し、ジブリはますます安泰になりました.
紅の豚 ★
世情から題材を獲得せずに作ったのはよかったかもしれないが、物は試しとナルシズムで作ってみちゃったら、おかしな物ができてしまったっていうカルト的作品かと思われる.加藤登紀子の演技には辟易しました.たしか最後に敵と殴り合いをするんだったと記憶しとりますが、ノックアウトされたのは宮崎駿本人だったりしち.劇場で1回観たっきり観てません.ジブリアニメを観たくなくなって来ました.
耳をすませば ★★★
ジブリが黒歴史として封印した「海がきこえる」はジブリ作品中で最良と思っていますが、日テレで再放映されることもなくお蔵入りになってます.当ブログで少し紹介しました.http://hirasaka001.blogspot.jp/2012/10/blog-post_4.html
なぜ封印したのか? それは宮崎駿に嫌われたからです.「海がきこえる」は男女双方共に煮え切らない恋愛が描かれる作品で、そこが良いわけですけれど、宮崎は直情的な恋愛しか受け入れられない、許せない.ジブリ内の試写会で大激怒した宮崎駿が、「海がきこえる」へのアンチテーゼとして作ったのが「耳をすませば」だったといわれます.宮崎がこういう偏狭なことをするからジブリが宮崎商店から脱却できないわけでして、引退会見の「若い人に期待」が白々しく聞こえてしまいます.
「魔女宅」と類似の少女視点の自立物語が優しいタッチで描かれていて、かといって少女マンガチックでもなく、とてもよろしい作品ですね.ただ、宮崎駿じゃなくちゃ作れない作品とは思えなくなりました.宮崎が好む直情的恋愛感情表現型ラストシーンの「結婚してくれ」を大好きだっていう人はどれだけいるんだろうか?
通して観たのは劇場での一度きりで、その後はTV放映を家族が観てたりするのを脇見した程度.
もののけ姫 ★
当時神戸に住んでいて、公開後一ヶ月経っても劇場が満員と鬼のように混んでいたのが記憶に残っています.宮崎が何を言いたいのかが判らず、たしか5回観に行ってしまいましたが、特段のメッセージとか物語構造はないことが判りました.鉄製の武器という文明を導入するために室町時代の人々が自然をどのように侵略・簒奪していったのかを描くことを通じて、現代文明やバブルに浮かれた日本人を婉曲に批判する、、、、企画意図としてはそんなところだったのでしょう.批判だけされても困っちゃうわねぇ.
この当時、プロモーションのためにメディアで盛んに発言していた宮崎駿でした.司馬遼太郎との対談で「たいへんな時代になってしまいました」などと文化人になりきってたのは不快でした.わたしは文化人モードの宮崎駿にこう言いたかった「宮崎さん、社会批判なんて一過性の事象に熱を上げていないで、あなたが好きなメカとロリとフェチ全開で健全なアニメを作ったらどうよ? コナンの頃のあなたはどこへ失せたのか?」と.文化人活動への傾注はジブリの鈴木プロデューサーの方針でもあったと推測しますが、おかしな方向へ引っ張られたもんです.
作品の出来はというと、アシカタもサンも物語を全然引っ張ってない.唯一キャラが立っていたエボシ御前でしたが、ラストで「いい村を作ろう」とか言ってまして、リアリストが一皮剥けて理想主義者に目覚めるっていう通常とは逆向きの変貌にはシラけてしまいました.つまらん物語でした.
千と千尋の神隠し ★
ハウルの動く城 ★
崖の上のポニョ ★
風立ちぬ ?
ここらへんになるともうマジメに観てません.それでも、千尋もハウルもポニョもちゃんと劇場で観たんだから自分を褒めてあげたい.もはや「風立ちぬ」を劇場で観る気はありません.そのうちTVでやるだろ.
もはや絶対に作りたい題材をもってない宮崎駿.このシーンを作るためにオレはアニメータになったんだと思ってない宮崎駿.作りたいものを世相から探して論理的・演繹的に作っている宮崎駿.そんな宮崎駿には興味が失せております.
まとめ
ジブリが発足した時点で宮崎駿は枯れ木でした.それでも70歳を越えて惜しまれて引退するほどの幸運に恵まれて良かった良かった.ただわたしは、宮崎駿が辿ったこの経歴がベストな運命だったとは思えず、どうしてこんなに早く賞味期限切れになってしまったのか、納得がいきません.その原因が何だったのかを今後も考えてゆこうと思います.
かしこ
人気ブログランキングへ
なんだかんだ言って宮崎駿好きなんですね。”この男のことほど崇拝しあがめ奉った人物”というくらいですし。
返信削除長靴をはいた猫は映画館で観ましたね。こういう映画は文部省推奨なんて肩書が付いていたんじゃないかな?でももう記憶にありません。
ルパン三世に至ってはTVで観てましたが、ルパンって終わっては始まり、って3回くらいやってなかったけ?何となくですが終わりの方はつまらなくなっていたような気がします。
ビデオで見たのが風の谷のナウシカ(Emotionで話しました)、あとは映画館で魔女の宅急便です。
それ以降は観ていないんですよ。
なんというのかなぁ帆船なのに空を飛ぶとか、設定が近未来ないなのか昔なのかってわからない物語って生理的に受け付けないようです。まあそういう人もいるってことで。
だから宮崎駿が引退するにしても感慨深いものも何もないというのが本当のところかな?
ただ、平坂さんの伝えている部分とは異なるとは思いますが、私はポール・マッカートニーが好きなんですが2,3作目前あたりから買わないし、聴かなくなってしまいました。コンサートではビートルズなどもやってくれるのでコンサートには行きたいけど新作には期待していないんですよ。
なんというかなぁもうあの作品で終わったという安心感というか、壊れてはいないがもう惰性でしか作ってない気がして。響いてきたのが無くなったという感じでしょうか。
好きなだけに衰えを感じたくないんでしょうね。
絶好調な頃は大好きでした.
削除宮崎駿の引退に是も非もないのがフツーの感覚だと思うんですが、日本テレビ放送網とか電通のおかげで神格化されすぎてるのがおかしいところです.
ポールも終わった人なんですねえ.遠い目...
宮崎駿は今年で73歳、ポールは今年で71歳と近い年なんですね。
削除バンドとしての活動も続けるようですが。。。そろそろ終焉ではないかと。
ポールはざっくり1960年から2000年までとして25年目くらいがピークかな?という感じ(あくまでもわたくし目線)。40年でその後新作は聴かなくなった。
宮崎駿は1970年からとすると40年で2010年。
人生では同じような山なのかな?そういう意味でそろそろ潮時なのかも知れない。同じ感じだとすると1990年後半ら2000年がピークかも。まあポールと一緒にするのも無理がありますが。
えーっ、ポールの方が年寄りかと思ってました.
削除若い頃から芸能活動してた人は年齢を読み違えてしまいがちです.
外来語が多くてわからんとNHKを提訴という事態にもなりました。
返信削除外来語として定着しているのかどうなのかと思う言葉も多いですね。アカウンタビリティー?なんで説明責任って言わない?と思ったりもします。グローバル化の弊害でしょうか。
コンサルタント会社のレポートがひどいそうです。品格がなんとなく上がるという理由だったりします。またごまかしも効きそうだし。
FBで友人が紹介していたものがあって。
http://fenoxvc.peatix.com/?fb_comment_id=fbc_216341051856830_798069_225124517645150#f312286fcc
この”イノベーションの創出”って言葉。屁理屈かも知れませんが”イノベーション創出”という言葉に違和感を覚えます。なんというのかな”頭痛が痛い”って言っているような。”イノベーションの実現”が本来の使い方ではないかと。
コンプライアンスの遵守なんて言ったら笑われます。そういう会社があったらなんとなく立派でしょ?って外面だけを気にする会社の様な気がします。
カタカナが多いと言えばソニーもそうでした.
削除イノベーションのクリエーションというともうルー大柴になってします.
そうです、ルー大柴は日本人の先駆けだったのです.
あーー確かに!!
返信削除名探偵ホームズの宮崎駿氏が監督の回は、ワクワクしながら見ていました。
それ以降の作品に、なせか、ワクワク感が無くなりつつ、説教臭さを感じ始め
観なくなりました。
でも今回の風たちぬは、ゼロ戦(メカ)が出てくるので、観るのが楽しみな作品です。
おおっ、ぜひ観に行って感想を聞かせてください.
削除「風たち」はどうなっているのかいまいち想像できんのですわ.
今回はためになるなあ(>_<)
返信削除あ、あと町田市にお住まいのAさんがFBに加入したのでよろしくです。
Aさんもソニーを辞めたんでしょうか?
削除え、ほんとですか!?
削除facebookにそう書いてあるように読めたんですが、夢かなあ?
削除やめてないやめてない、夢ですそれは。
削除やめてないやめてない、夢ですそれは。
削除なんだー夢かぁ、、、
削除/*************************************
返信削除2020 TOKYO おめでとう!
/********************************* */
これにより 復興と安定成長のトリガと持続に成って欲しいと思います。
私個人としては良かったかどうかはわかりませんがある意味十字架を背負ったと思います。廃炉へのプロセスもまだ確定でない状況でまたとんでもない状況に陥った時のことを考えると総スカンをくらってしまう。
削除言い換えればそうならないように本気で取り組んでくれることにもなるけど。
マドリードが初回で消えたのは意外でした.それでイスタンブールとの決戦なら勝てるように思いました.東京が騒がしくなるのか、、、、
削除マドリードは次回パリが立候補するので一部のヨーロッパやフランスを推す国々はマドリードを選ばなかったとか。
削除イスラエルがトルコと和解してイスタンブールか?となったがその後国内では”オリンピックより国民の生活を!”とデモに発展、さらにシリア情勢も相まって難しくなったのではないかと。ロゲ委員長は「イスタンブールはシリア情勢があり投票できないと思っている委員もいるかもしれないが、あくまでも7年後のイスタンブールを考えて投票してほしい。」と言ったそうな。ただ、あのあたりはいつもドンパチなので7年後にどうなっているかは予想できないというか新たな火種で。ということも考えられる。
そう考えると放射能は心配の種だが今現在東京で避難している人もいないし、7年後は今よりは改善されているはずって思って東京が圧勝だったのかも知れない。
また利権にからむ争いが始まる。
そうそうオリンピックが決まるとコンビニから成人雑誌が撤去されるということ。オリンピック開催中の前後らしいが。また、韓国から大挙して売春婦もやってきそうですね。
オリンピック競技の採用決定は明日の朝らしいですね。
削除マドリードはそういうことなんですか.
削除7年後にイスタンブールはあるのか? 日本は7年後でもあります.
お姉さん達は現状5万人が8万人ぐらいになるのかしら?
しかしどういうビザで来るんだろ? 短期だから観光ビザか?
問題は、ただでさえ東京でイベントがあるとホテルが取りにくい状態なのにどうするんだ。ホテルを建設する?オリンピック終わったら廃墟になってしまう。
削除復興事業でも資材が足らない人手が足らないと言われている現在。さらにオリンピックであれも作らなきゃこれも作らなきゃって、とりあえず復興事業は7年後まで待ってというのか?
問題山積のような気がします。
マドリードのプレゼンでサマランチ・ジュニアが「イスタンブール・東京のプレゼンは素晴らしかった。ありがとう。でも両国は2024年に期待して下さい。」とかましていました。
削除まあこれくらいで票が動いたとは思いませんがあまり良い発言ではないでしょうね。
仙台は毎年七夕祭りがありますが、オリンピックはたまにしか来ないのでホテルをバカスカと建てるほど需要がないですね.建設業の人手不足は生じる可能性ありと思います.
削除2っの事を同時進行で上手くやるのは、それぞれPower(力量)とお金が必要に成って来ると思います。
返信削除悪い事は言いたくないので、今後、起こってくる問題にたいして、総合力を結集し
問題解決して行って貰いたい。
plant system control is undercontroled. ?
>plant system control is undercontroled. ?
削除By whom?
政治家は目立つ仕事したがる人種だから復興へは向かないだろう。
はじめまして、コナンが一番と申します。(「みんなのシネマレビュー」のレビュアーです)
返信削除実は「宮崎ルパン」とググってヒットした画像から偶然ここのブログに辿り着き、宮崎駿作品評価ランキング、「未来少年コナン」への熱い想い、そして宮崎駿への辛口コメントが目に留まり、興味深く拝読させていただきました。共感する部分が多々あり、逆に相違の部分もあり、僭越ながら私も熱~い想い(持論)を述べさせていただこうと思い、書き込みさせていただいている次第です。
私は、自称 「筋金入りの宮崎駿ファン」、と恥ずかしながら名乗ってはいますが、熱狂的な宮崎駿信者というわけではなく、純粋にアニメーターとして、演出家として、宮崎駿を尊敬し、ず~と長くファンをやっているというだけのやからです。
ヒラサカさんは、電気系、工作、アニメ、を嗜好されているそうですが、私はと言うと、アニメーター志望で、夢は長編アニメの監督!っていう野望の持ち主です。(←若かりし頃の話しですが)
前置きはさておき、私の宮崎駿作品評価ランキングは以下のとおりです。(他の作品も比較のため併記しました)
【宮崎駿関連】
1968 ★★★――――――― 太陽の王子ホルス (原画 場面設計)
1969 ★★★★★――――― 長靴をはいた猫 (原画)
1969 ――――未見―――― 空飛ぶゆうれい船 (原画)
1971 ――――未見―――― どうぶつ宝島 (原画 アイデア構成)
1971 ★★★★★――――― ルパン三世 TV (原画)
1972 ★★★★―――――― パンダコパンダ (脚本 場面設定 原画)
1973 ――――未見―――― パンダコパンダ2 (脚本 画面構成 原画)
1974 ★★★★★★★★―― アルプスの少女ハイジ (場面設定 画面構成)
1976 ★★★★★――――― 母をたずねて三千里 (場面設定 レイアウト)
1979 ★★★★★――――― 赤毛のアン (場面設定 画面構成)
【宮崎駿作品】
1978 ★★★★★★★★★★ 未来少年コナン (監督 演出 絵コンテ)
1979 ★★★★★★★★★★ ルパン カリオストロの城 (監督 脚本)
1980 ★★★★★★★★★★ ルパン 死の翼アルバトロス (監督 脚本)
1980 ★★★★★★★★★★ ルパン さらば愛しき・・ (監督 脚本)
1983 ★★★★★★★――― 名探偵ホームズ (監督 演出 絵コンテ)
1984 ★★★★★★★――― 風の谷のナウシカ (監督 脚本)
1986 ★★★★★★★――― 天空の城ラピュタ (監督 脚本)
1988 ★★★★★★★――― となりのトトロ (監督 脚本)
1989 ★★★★★★―――― 魔女の宅急便 (監督 脚本)
1992 ★★★★★★★★―― 紅の豚 (監督 脚本)
1995 ★★★★★――――― On Your Mark (監督)
1997 ★★★★★★★――― もののけ姫 (監督 脚本)
2001 ★★★★★★★★―― 千と千尋の神隠し (監督 脚本)
2004 ★★★★★★―――― ハウルの動く城 (監督 脚本)
2008 ★★★★★★★――― 崖の上のポニョ (監督 脚本)
2013 ★★★★★★―――― 風立ちぬ (監督 脚本)
【宮崎駿 脚本】
1995 ★★★★★★―――― 耳をすませば (脚本)
2010 ★★―――――――― 借りぐらしのアリエッティ (脚本)
2011 ★★★★★★★★―― コクリコ坂から (脚本)
【宮崎駿 漫画】
1982 ★★★★★★★★★★ 風の谷のナウシカ 漫画 (原作 作画)
1983 ★★★★★★★★★★ シュナの旅 漫画 (原作 作画)
1990 ★★★★★★★★★― 飛行艇時代 漫画 (原作 作画)
2009 ★★★★★★★★★― 風立ちぬ 漫画 (原作 作画)
【高畑勲作品】
1988 ★★★★★★★★★★ 火垂るの墓 (監督 高畑勲)
1991 ★★★★★――――― おもひでぽろぽろ (監督 高畑勲)
1994 ★★―――――――― 平成狸合戦ぽんぽこ (監督 高畑勲)
1999 ★★★――――――― となりの山田くん (監督 高畑勲)
2013 ★★★★―――――― かぐや姫の物語 (監督 高畑勲)
【ジブリ作品】
1993 ★★★★★★★★―― 海がきこえる (監督 望月智充)
2000 ★★―――――――― ギブリーズ (監督 百瀬義行)
2002 ★★★★―――――― 猫の恩返し (監督 森田宏幸)
2006 ★――――――――― ゲド戦記 (監督 宮崎吾朗)
2014 ★――――――――― 思い出のマーニー (監督 米林宏昌)
【その他の作品】
1974 ★★★★★★―――― 宇宙戦艦ヤマト TV (監督 松本零士)
1977 ★★―――――――― 宇宙戦艦ヤマト 劇場版 (監督 舛田利雄)
1978 ★★★――――――― さらば宇宙戦艦ヤマト (監督 舛田利雄/松本零士)
1978 ★★★★★――――― ルパン三世 VS複製人間 (監督 吉川惣司)
1979 ★★★★★★★★―― 銀河鉄道999 劇場版 (監督 りんたろう)
1979 ★★★★★★★★―― 機動戦士ガンダム TV (監督 富野喜幸)
1981 ★――――――――― さよなら銀河鉄道999 (監督 りんたろう)
1983 ★★★★★★―――― うる星 オンリー・ユー (監督 押井守)
1983 ★★★★★★★★★― クラッシャージョウ (監督 安彦良和)
1983 ★――――――――― 幻魔大戦 (監督 りんたろう)
1984 ★★★★★★★★★― うる星 ビューティフル・ドリーマー (監督 押井守)
1984 0点―――――――― マクロス 愛おぼえ・・ (監督 石黒昇、河森正治)
1986 ★★★★★――――― アリオン (監督 安彦良和)
1987 ★★★★★――――― 王立宇宙軍 オネアミスの翼 (監督 山賀博之)
1987 ★★★★★――――― ルパン三世 風魔一族の陰謀 (監修 大塚康生)
1988 0点―――――――― 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア (監督 富野由悠季)
1988 ★★★★★――――― AKIRA (監督 大友克洋)
1988 ★★★★―――――― トップをねらえ! (監督 庵野秀明)
1989 ★★―――――――― ヴイナス戦記 (監督 安彦良和)
1991 0点―――――――― 機動戦士ガンダムF91 (監督 富野由悠季)
1995 ★★★★★★★★―― 攻殻機動隊 (監督 押井守)
1995 ★★★★★★★★―― 新世紀エヴァンゲリオン TV (監督 庵野秀明)
2004 ★★★★★★★――― イノセンス (監督 押井守)
2004 ★★★★★★★――― トップをねらえ2! (監督 鶴巻和哉)
2015 ★★★★★★★★―― ガンダム THE ORIGINⅠ (原作 絵コンテ 安彦良和)
2015 ★★★★★――――― ガンダム THE ORIGINⅡ (原作 絵コンテ 安彦良和)
【次世代を担う監督作品】
2002 ★★★★★★―――― ほしのこえ (監督 新海誠)
2011 ★★★――――――― 星を追う子ども (監督 新海誠)
2013 ★★★★★★★――― 言の葉の庭 (監督 新海誠)
2006 ★★★★★★★★★― 時をかける少女 (監督 細田守)
2009 ★★★★★★★――― サマーウォーズ (監督 細田守)
2012 ★★★★★★★――― おおかみこどもの雨と雪 (監督 細田守)
2015 ★★★★★――――― バケモノの子 (監督 細田守)
コメントの文字数が長いとシステムがスパムと認識して自動的に却下されてしまうようでした.とり急ぎスパムを解除しました.すみませんでした.
削除◆コナンとの出会い&アニメファンへの道◆
返信削除くしくも、私が「未来少年コナン」をリアルタイムで見たのは中学2年のときです。(ヒラサカさんと同い年?) 諸事情により26話の中で中盤あたりから15話くらいしか見ることができなくて、しかもところどころ飛び飛び..最終話も見ていない状況でした。全話を通して見たのは随分先のことです、LD-BOXを購入してからでした。その間、ご存じのとおり1977年ヤマトでアニメブームが巻き起こり、その余波で、私は「さらば・・」「999」と続けざまに劇場へ足を運び、えらく感動し、アニメにどっぷりとハマることに、中3で「ガンダム」と出会い、さらにハマリ、とどめは高1のときの「カリ城」TV放映です、「こんなに面白くてレベルの高いアニメがあったのか..」って衝撃を受け、なんと監督が「コナン」と同じ宮崎駿!このころから宮崎駿に注目するようになり、自身をアニメファンだと自覚し、現在に至る..です。
◆コナンはNo.1◆
こんな変遷を辿った私ですが、「No.1アニメは?」と聞かれれば、迷いなく「未来少年コナン!」と答えます。アニメ史に残る最高傑作! 誰が何と言おうと、世界一! と確信しています。(私のHN「コナンが一番」はその意思表示です)
◆10点アニメ◆
私が10点をつけたアニメ5作品の中で順位をつけると
1位 「コナン」
2位 「カリ城」
3位 「アルバトロス」
4位 「さらば愛しき」
5位 「火垂るの墓」
◆私の評価基準◆
私の評価基準は、
10~6点 → 満足度
5点 → 可もなく不可もなし
4~0点 → 残念度
※嘘や回りくどいことが嫌いな性格なので、評価コメントは直球で辛口を信条としています。
◆ポリシー◆
私はお気に入りの作品を何度も繰り返し見ない主義です。
なぜなら、感動が薄れてしまうから..
同じ作品を短期間に繰り返し何度も見るっていう人は、結構いると思いますが(私の周りにも何人かいます)、私はダメですね~ 昔から、なんか「もったいな」って思ってしまうんです、2度目を見ると初見のときとどうしても見方が変わってしまうし、ドキドキや期待感がなくなり、感動が薄れてしまいます。満足度がガタ落ちしてしまうのが嫌なのです..見たくてもガマンして必ず間をあけるようにしています。あければあけるほど満足度が回復する、という仕組みです。
(大好きな「カリ城」は12~13回くらいです..「コナン」は5~6回、「アルバトロス」「さらば愛しき」は6~7回、「火垂るの墓」は6回くらいかな..ソフト発売から25~30年経っているので、数年に1回のペースですね)
◆プロフィール◆
私は映画も好きなので、たくさん見てきています。(大の映画ファン!) 性格はインドア、でもスポーツが得意なので学生のときから体育会系です。(球技が得意) アニメーター志望だったので、見る側だけでなく、創る側、創り手にとても興味があります。世間でアニヲタと呼ばれている人達とは、アニメの好みも生活スタイルも違うと思うので、別の人種かな..って勝手に思っています。
・職業はサラリーマン ・既婚 ・政治スタンスは右 ・無神論者 ・歴史好き(特に戦国時代) ・好きなゲームはもちろん「信長の野望」 ・映画は何でも見ます、中でも好きなジャンルはコテコテのヒューマンドラマ(ただしミュージカルアレルギーあり)
◆好きなアニメーター◆
宮崎駿
安彦良和
庵野秀明
◆好きなメカニックデザイナー◆
河森正治
◆座右の銘◆
「映画は脚本が命!」 (黒澤明監督のパクリです)
故に、アニメ、映画、TVドラマに何を求めて見ているかと言うと、高い物語性です。一番重視しているのが、物語の質(脚本・演出)です。アニメの作画とか、場面設定、キャラクターデザインとか、良いにこしたことはないのですが、物語の良し悪しが私にとって最も重要な要素なので、そのまま作品の評価に直結します。とにかく、物語(脚本)が大事! ということです。
◆アニメに何を求める?◆
アニメも実写もそうですが、見ている人が作品に対して、何を求め、何に注視しているのか、それによって作品の評価が大きく左右されるのだと思います。例えば、アニメはキャラクターが大事って人もいれば、作画が重要っていう人もいて、メカニックデザインが大事とか、背景(美術)が重要、音楽が、台詞が、声優が..アクションが好き、メカが好き、アイドルキャラが好き、恋愛ものが好き、ギャグ・コメディが好き、といった具合に挙げればきりがありません。
◆人ってこうも違うのか?◆
人は基本みんな同じ、って思っている人はいませんか? それは間違いです!
人の感性というのは、千差万別! 恐ろしく違います。感受性の強弱であったり、理解力・読解力の違いや、物語の好みであったり、涙腺のツボ、笑いのツボ..親から受け継いだDNA(性格)だったり、生まれ育つ過程での人格形成、周りの生活環境・慣習・文化..人はそれぞれ多種多様で、大なり小なり差があり違いがあり同じではないのです。それが顕著に出るのが作品の好み(評価)だと思っています。
私は「みんなのシネマレビュー」のレビュアーをしてて、つくづくそう思うようになりました。同じ映画に同じ評価をしている人でも、別の映画では評価がまったく違ったり、好みがすごく似ていて評価がどの映画も同じ人なのに、ある映画だけは全然違うとか、そういったことが日常茶飯事なのです。いろいろ見たり聞いたりしていくうちに、自分の好みの映画がほぼ一致している、という人にお目にかかったことは一度もありません、誰1人いないのです!(周りの知人、家族、血のつながった親、兄弟も含めてもいないのです) 私が特別というわけではなく、他の人を比べても大部分の人がそうなのです。
十人十色とはよく言ったもので、よくぞここまで違うものか..って感心してしまいます。人というのは、千人千色、いや、万人万色、だと思います。
◆ヒラサカさんとの評価の違い◆
評価が一致しているのは、「コナン」「カリ城」「ルパンさらば愛・・」の高得点。
相違しているのは、「ホームズ」から「ポニョ」にかけての低評価、それと「風立ちぬ」の高評価、ですね。
◆ヒラサカさんは◆
私が察するに、ヒラサカさんは、“男のリビドー” に共鳴する作品がお好み!ということですよね~
メカ と ロリ と フェチ 全開!の(健全な)アニメ!が、お好みのようで..
最近では「風立ちぬ」を見て、宮崎駿は枯れていなかった、“オンナ” を描いていることに驚いた、とのこと..
逆に、過去の作品と同じテイストで類似している演出や使い回し、斬新さのない作品に評価が厳しく、世相を反映した作品創りに、文化人気取りで社会性を重視した作品、理屈で論理で創った作品が、お好みでない! ようですね。
◆私は◆
残念ながら私の場合、菜穂子 に萌えるということはなく、クラリス にも、ラナ にも、不二子 にも、萌えることはなく、「風立ちぬ」の物語にも、萌えることはないです。
「劇場版999」のハーロックとか、「カリ城」の五右衛門には、萌えるんですけどね..
ちなみに私が萌えるストーリー展開とは、「高い所にいた主人公が、あることをきっかけに底辺に落ち、落ちぶれ果て、でもそこから徐々に努力と才能で這い上がる!」とか、「才能を秘めた主人公が、その才能を徐々に開花させ、覚醒し大活躍!」とか、「周りから悪人と誤解されている主人公が、真の部分はそうではなく、人とのふれあいや手助けによって、知らず知らず成長し改心し、更生する!」といった感じです。
では私は物語(脚本)を重視していると言いましたが、何を基準に良し悪しを線引きしているかと言うと、「必然性」と「リアリティー」です。物語に嘘とか矛盾とかが一つでもあると即効で冷めてしまいます。リアリティーを追究したレベルの高い本物の作品、でないと満足することができないのです。(なかなか理解してもらえないのですが..)
◆映画「ナウシカ」で気づいた宮崎駿◆
宮崎駿に話を移すと、確かに「カリ城」の失敗でアニメ界を干され、「名探偵ホームズ」も立ち消え、不遇の時代へ..なんとか映画「ナウシカ」でアニメ界に返り咲きます!しかし、映画館で見た光景がその後の作品に大きく影響したと言います。(ずいぶん昔に記事を読みました) それは、映画館の中を小さな子供たちが走り回っていて..映画についていけず、暇を持てあましていたのです。それを見た宮崎駿は、「アニメは子供たちのもの」と悟り、「子供たちのためのアニメを創ろう!」と改心したそうです。そうしてできたのが「ラピュタ」以降の作品。「ラピュタ」は小学生、「トトロ」は幼稚園児、「宅急便」は小学生(女子)、「紅の豚」は小学生(男子)、このように「ラピュタ」から「紅の豚」までの作品は、所詮子供向けに創られた作品です。レベルが低くて当然なのです。大の大人がとやかく言っても仕方がないと思います。対象年齢に合わせているので単純そのもの、複雑なことはなに一つやっていません..
「コナンが一番」とはまさしくその通りですね.
削除わたしは昭和39年生まれなのでたぶん同じ年齢かと思います.世の中には似た人がいるもんだと驚いております.というかビビッておりますwww
はじめまして、コナンが一番と申します。(「みんなのシネマレビュー」のレビュアーです)
返信削除実は「宮崎ルパン」とググってヒットした画像から偶然ここのブログに辿り着き、宮崎駿作品評価ランキング、「未来少年コナン」への熱い想い、そして宮崎駿への辛口コメントが目に留まり、興味深く拝読させていただきました。共感する部分が多々あり、逆に相違の部分もあり、僭越ながら私も熱~い想い(持論)を述べさせていただこうと思い、書き込みさせていただいている次第です。
私は、自称 「筋金入りの宮崎駿ファン」、と恥ずかしながら名乗ってはいますが、熱狂的な宮崎駿信者というわけではなく、純粋にアニメーターとして、演出家として、宮崎駿を尊敬し、ず~と長くファンをやっているというだけのやからです。
ヒラサカさんは、電気系、工作、アニメ、を嗜好されているそうですが、私はと言うと、アニメーター志望で、夢は長編アニメの監督!っていう野望の持ち主です。(←若かりし頃の話しですが)
前置きはさておき、私の宮崎駿作品評価ランキングは以下のとおりです。(他の作品も比較のため併記しました)
【宮崎駿関連】
1968 ★★★――――――― 太陽の王子ホルス (原画 場面設計)
1969 ★★★★★――――― 長靴をはいた猫 (原画)
1969 ――――未見―――― 空飛ぶゆうれい船 (原画)
1971 ――――未見―――― どうぶつ宝島 (原画 アイデア構成)
1971 ★★★★★――――― ルパン三世 TV (原画)
1972 ★★★★―――――― パンダコパンダ (脚本 場面設定 原画)
1973 ――――未見―――― パンダコパンダ2 (脚本 画面構成 原画)
1974 ★★★★★★★★―― アルプスの少女ハイジ (場面設定 画面構成)
1976 ★★★★★――――― 母をたずねて三千里 (場面設定 レイアウト)
1979 ★★★★★――――― 赤毛のアン (場面設定 画面構成)
【宮崎駿作品】
1978 ★★★★★★★★★★ 未来少年コナン (監督 演出 絵コンテ)
1979 ★★★★★★★★★★ ルパン カリオストロの城 (監督 脚本)
1980 ★★★★★★★★★★ ルパン 死の翼アルバトロス (監督 脚本)
1980 ★★★★★★★★★★ ルパン さらば愛しき・・ (監督 脚本)
1983 ★★★★★★★――― 名探偵ホームズ (監督 演出 絵コンテ)
1984 ★★★★★★★――― 風の谷のナウシカ (監督 脚本)
1986 ★★★★★★★――― 天空の城ラピュタ (監督 脚本)
1988 ★★★★★★★――― となりのトトロ (監督 脚本)
1989 ★★★★★★―――― 魔女の宅急便 (監督 脚本)
1992 ★★★★★★★★―― 紅の豚 (監督 脚本)
1995 ★★★★★――――― On Your Mark (監督)
1997 ★★★★★★★――― もののけ姫 (監督 脚本)
2001 ★★★★★★★★―― 千と千尋の神隠し (監督 脚本)
2004 ★★★★★★―――― ハウルの動く城 (監督 脚本)
2008 ★★★★★★★――― 崖の上のポニョ (監督 脚本)
2013 ★★★★★★―――― 風立ちぬ (監督 脚本)
【宮崎駿 脚本】
1995 ★★★★★★―――― 耳をすませば (脚本)
2010 ★★―――――――― 借りぐらしのアリエッティ (脚本)
2011 ★★★★★★★★―― コクリコ坂から (脚本)
【宮崎駿 漫画】
1982 ★★★★★★★★★★ 風の谷のナウシカ 漫画 (原作 作画)
1983 ★★★★★★★★★★ シュナの旅 漫画 (原作 作画)
1990 ★★★★★★★★★― 飛行艇時代 漫画 (原作 作画)
2009 ★★★★★★★★★― 風立ちぬ 漫画 (原作 作画)
【高畑勲作品】
1988 ★★★★★★★★★★ 火垂るの墓 (監督 高畑勲)
1991 ★★★★★――――― おもひでぽろぽろ (監督 高畑勲)
1994 ★★―――――――― 平成狸合戦ぽんぽこ (監督 高畑勲)
1999 ★★★――――――― となりの山田くん (監督 高畑勲)
2013 ★★★★―――――― かぐや姫の物語 (監督 高畑勲)
【ジブリ作品】
1993 ★★★★★★★★―― 海がきこえる (監督 望月智充)
2000 ★★―――――――― ギブリーズ (監督 百瀬義行)
2002 ★★★★―――――― 猫の恩返し (監督 森田宏幸)
2006 ★――――――――― ゲド戦記 (監督 宮崎吾朗)
2014 ★――――――――― 思い出のマーニー (監督 米林宏昌)
【その他の作品】
1974 ★★★★★★―――― 宇宙戦艦ヤマト TV (監督 松本零士)
1977 ★★―――――――― 宇宙戦艦ヤマト 劇場版 (監督 舛田利雄)
1978 ★★★――――――― さらば宇宙戦艦ヤマト (監督 舛田利雄/松本零士)
1978 ★★★★★――――― ルパン三世 VS複製人間 (監督 吉川惣司)
1979 ★★★★★★★★―― 銀河鉄道999 劇場版 (監督 りんたろう)
1979 ★★★★★★★★―― 機動戦士ガンダム TV (監督 富野喜幸)
1981 ★――――――――― さよなら銀河鉄道999 (監督 りんたろう)
1983 ★★★★★★―――― うる星 オンリー・ユー (監督 押井守)
1983 ★★★★★★★★★― クラッシャージョウ (監督 安彦良和)
1983 ★――――――――― 幻魔大戦 (監督 りんたろう)
1984 ★★★★★★★★★― うる星 ビューティフル・ドリーマー (監督 押井守)
1984 0点―――――――― マクロス 愛おぼえ・・ (監督 石黒昇、河森正治)
1986 ★★★★★――――― アリオン (監督 安彦良和)
1987 ★★★★★――――― 王立宇宙軍 オネアミスの翼 (監督 山賀博之)
1987 ★★★★★――――― ルパン三世 風魔一族の陰謀 (監修 大塚康生)
1988 0点―――――――― 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア (監督 富野由悠季)
1988 ★★★★★――――― AKIRA (監督 大友克洋)
1988 ★★★★―――――― トップをねらえ! (監督 庵野秀明)
1989 ★★―――――――― ヴイナス戦記 (監督 安彦良和)
1991 0点―――――――― 機動戦士ガンダムF91 (監督 富野由悠季)
1995 ★★★★★★★★―― 攻殻機動隊 (監督 押井守)
1995 ★★★★★★★★―― 新世紀エヴァンゲリオン TV (監督 庵野秀明)
2004 ★★★★★★★――― イノセンス (監督 押井守)
2004 ★★★★★★★――― トップをねらえ2! (監督 鶴巻和哉)
2015 ★★★★★★★★―― ガンダム THE ORIGINⅠ (原作 絵コンテ 安彦良和)
2015 ★★★★★――――― ガンダム THE ORIGINⅡ (原作 絵コンテ 安彦良和)
【次世代を担う監督作品】
2002 ★★★★★★―――― ほしのこえ (監督 新海誠)
2011 ★★★――――――― 星を追う子ども (監督 新海誠)
2013 ★★★★★★★――― 言の葉の庭 (監督 新海誠)
2006 ★★★★★★★★★― 時をかける少女 (監督 細田守)
2009 ★★★★★★★――― サマーウォーズ (監督 細田守)
2012 ★★★★★★★――― おおかみこどもの雨と雪 (監督 細田守)
2015 ★★★★★――――― バケモノの子 (監督 細田守)
はじめまして、コナンが一番と申します。(「みんなのシネマレビュー」のレビュアーです)
返信削除実は「宮崎ルパン」とググってヒットした画像から偶然ここのブログに辿り着き、宮崎駿作品評価ランキング、「未来少年コナン」への熱い想い、そして宮崎駿への辛口コメントが目に留まり、興味深く拝読させていただきました。共感する部分が多々あり、逆に相違の部分もあり、僭越ながら私も熱~い想い(持論)を述べさせていただこうと思い、書き込みさせていただいている次第です。
私は、自称 「筋金入りの宮崎駿ファン」、と恥ずかしながら名乗ってはいますが、熱狂的な宮崎駿信者というわけではなく、純粋にアニメーターとして、演出家として、宮崎駿を尊敬し、ず~と長くファンをやっているというだけのやからです。
ヒラサカさんは、電気系、工作、アニメ、を嗜好されているそうですが、私はと言うと、アニメーター志望で、夢は長編アニメの監督!っていう野望の持ち主です。(←若かりし頃の話しですが)
前置きはさておき、私の宮崎駿作品評価ランキングは以下のとおりです。(他の作品も比較のため併記しました)
【宮崎駿関連】
1968 ★★★――――――― 太陽の王子ホルス (原画 場面設計)
1969 ★★★★★――――― 長靴をはいた猫 (原画)
1969 ――――未見―――― 空飛ぶゆうれい船 (原画)
1971 ――――未見―――― どうぶつ宝島 (原画 アイデア構成)
1971 ★★★★★――――― ルパン三世 TV (原画)
1972 ★★★★―――――― パンダコパンダ (脚本 場面設定 原画)
1973 ――――未見―――― パンダコパンダ2 (脚本 画面構成 原画)
1974 ★★★★★★★★―― アルプスの少女ハイジ (場面設定 画面構成)
1976 ★★★★★――――― 母をたずねて三千里 (場面設定 レイアウト)
1979 ★★★★★――――― 赤毛のアン (場面設定 画面構成)
【宮崎駿作品】
1978 ★★★★★★★★★★ 未来少年コナン (監督 演出 絵コンテ)
1979 ★★★★★★★★★★ ルパン カリオストロの城 (監督 脚本)
1980 ★★★★★★★★★★ ルパン 死の翼アルバトロス (監督 脚本)
1980 ★★★★★★★★★★ ルパン さらば愛しき・・ (監督 脚本)
1983 ★★★★★★★――― 名探偵ホームズ (監督 演出 絵コンテ)
1984 ★★★★★★★――― 風の谷のナウシカ (監督 脚本)
1986 ★★★★★★★――― 天空の城ラピュタ (監督 脚本)
1988 ★★★★★★★――― となりのトトロ (監督 脚本)
1989 ★★★★★★―――― 魔女の宅急便 (監督 脚本)
1992 ★★★★★★★★―― 紅の豚 (監督 脚本)
1995 ★★★★★――――― On Your Mark (監督)
1997 ★★★★★★★――― もののけ姫 (監督 脚本)
2001 ★★★★★★★★―― 千と千尋の神隠し (監督 脚本)
2004 ★★★★★★―――― ハウルの動く城 (監督 脚本)
2008 ★★★★★★★――― 崖の上のポニョ (監督 脚本)
2013 ★★★★★★―――― 風立ちぬ (監督 脚本)
【宮崎駿 脚本】
1995 ★★★★★★―――― 耳をすませば (脚本)
2010 ★★―――――――― 借りぐらしのアリエッティ (脚本)
2011 ★★★★★★★★―― コクリコ坂から (脚本)
【宮崎駿 漫画】
1982 ★★★★★★★★★★ 風の谷のナウシカ 漫画 (原作 作画)
1983 ★★★★★★★★★★ シュナの旅 漫画 (原作 作画)
1990 ★★★★★★★★★― 飛行艇時代 漫画 (原作 作画)
2009 ★★★★★★★★★― 風立ちぬ 漫画 (原作 作画)
【高畑勲作品】
1988 ★★★★★★★★★★ 火垂るの墓 (監督 高畑勲)
1991 ★★★★★――――― おもひでぽろぽろ (監督 高畑勲)
1994 ★★―――――――― 平成狸合戦ぽんぽこ (監督 高畑勲)
1999 ★★★――――――― となりの山田くん (監督 高畑勲)
2013 ★★★★―――――― かぐや姫の物語 (監督 高畑勲)
【ジブリ作品】
1993 ★★★★★★★★―― 海がきこえる (監督 望月智充)
2000 ★★―――――――― ギブリーズ (監督 百瀬義行)
2002 ★★★★―――――― 猫の恩返し (監督 森田宏幸)
2006 ★――――――――― ゲド戦記 (監督 宮崎吾朗)
2014 ★――――――――― 思い出のマーニー (監督 米林宏昌)
【その他の作品】
1974 ★★★★★★―――― 宇宙戦艦ヤマト TV (監督 松本零士)
1977 ★★―――――――― 宇宙戦艦ヤマト 劇場版 (監督 舛田利雄)
1978 ★★★――――――― さらば宇宙戦艦ヤマト (監督 舛田利雄/松本零士)
1978 ★★★★★――――― ルパン三世 VS複製人間 (監督 吉川惣司)
1979 ★★★★★★★★―― 銀河鉄道999 劇場版 (監督 りんたろう)
1979 ★★★★★★★★―― 機動戦士ガンダム TV (監督 富野喜幸)
1981 ★――――――――― さよなら銀河鉄道999 (監督 りんたろう)
1983 ★★★★★★―――― うる星 オンリー・ユー (監督 押井守)
1983 ★★★★★★★★★― クラッシャージョウ (監督 安彦良和)
1983 ★――――――――― 幻魔大戦 (監督 りんたろう)
1984 ★★★★★★★★★― うる星 ビューティフル・ドリーマー (監督 押井守)
1984 0点―――――――― マクロス 愛おぼえ・・ (監督 石黒昇、河森正治)
1986 ★★★★★――――― アリオン (監督 安彦良和)
1987 ★★★★★――――― 王立宇宙軍 オネアミスの翼 (監督 山賀博之)
1987 ★★★★★――――― ルパン三世 風魔一族の陰謀 (監修 大塚康生)
1988 0点―――――――― 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア (監督 富野由悠季)
1988 ★★★★★――――― AKIRA (監督 大友克洋)
1988 ★★★★―――――― トップをねらえ! (監督 庵野秀明)
1989 ★★―――――――― ヴイナス戦記 (監督 安彦良和)
1991 0点―――――――― 機動戦士ガンダムF91 (監督 富野由悠季)
1995 ★★★★★★★★―― 攻殻機動隊 (監督 押井守)
1995 ★★★★★★★★―― 新世紀エヴァンゲリオン TV (監督 庵野秀明)
2004 ★★★★★★★――― イノセンス (監督 押井守)
2004 ★★★★★★★――― トップをねらえ2! (監督 鶴巻和哉)
2015 ★★★★★★★★―― ガンダム THE ORIGINⅠ (原作 絵コンテ 安彦良和)
2015 ★★★★★――――― ガンダム THE ORIGINⅡ (原作 絵コンテ 安彦良和)
【次世代を担う監督作品】
2002 ★★★★★★―――― ほしのこえ (監督 新海誠)
2011 ★★★――――――― 星を追う子ども (監督 新海誠)
2013 ★★★★★★★――― 言の葉の庭 (監督 新海誠)
2006 ★★★★★★★★★― 時をかける少女 (監督 細田守)
2009 ★★★★★★★――― サマーウォーズ (監督 細田守)
2012 ★★★★★★★――― おおかみこどもの雨と雪 (監督 細田守)
2015 ★★★★★――――― バケモノの子 (監督 細田守)
◆コナンとの出会い&アニメファンへの道◆
返信削除くしくも、私が「未来少年コナン」をリアルタイムで見たのは中学2年のときです。(ヒラサカさんと同い年?) 諸事情により26話の中で中盤あたりから15話くらいしか見ることができなくて、しかもところどころ飛び飛び..最終話も見ていない状況でした。全話を通して見たのは随分先のことです、LD-BOXを購入してからでした。その間、ご存じのとおり1977年ヤマトでアニメブームが巻き起こり、その余波で、私は「さらば・・」「999」と続けざまに劇場へ足を運び、えらく感動し、アニメにどっぷりとハマることに、中3で「ガンダム」と出会い、さらにハマリ、とどめは高1のときの「カリ城」TV放映です、「こんなに面白くてレベルの高いアニメがあったのか..」って衝撃を受け、なんと監督が「コナン」と同じ宮崎駿!このころから宮崎駿に注目するようになり、自身をアニメファンだと自覚し、現在に至る..です。
◆コナンはNo.1◆
こんな変遷を辿った私ですが、「No.1アニメは?」と聞かれれば、迷いなく「未来少年コナン!」と答えます。アニメ史に残る最高傑作! 誰が何と言おうと、世界一! と確信しています。(私のHN「コナンが一番」はその意思表示です)
◆10点アニメ◆
私が10点をつけたアニメ5作品の中で順位をつけると
1位 「コナン」
2位 「カリ城」
3位 「アルバトロス」
4位 「さらば愛しき」
5位 「火垂るの墓」
◆私の評価基準◆
私の評価基準は、
10~6点 → 満足度
5点 → 可もなく不可もなし
4~0点 → 残念度
※嘘や回りくどいことが嫌いな性格なので、評価コメントは直球で辛口を信条としています。
◆ポリシー◆
私はお気に入りの作品を何度も繰り返し見ない主義です。
なぜなら、感動が薄れてしまうから..
同じ作品を短期間に繰り返し何度も見るっていう人は、結構いると思いますが(私の周りにも何人かいます)、私はダメですね~ 昔から、なんか「もったいな」って思ってしまうんです、2度目を見ると初見のときとどうしても見方が変わってしまうし、ドキドキや期待感がなくなり、感動が薄れてしまいます。満足度がガタ落ちしてしまうのが嫌なのです..見たくてもガマンして必ず間をあけるようにしています。あければあけるほど満足度が回復する、という仕組みです。
(大好きな「カリ城」は12~13回くらいです..「コナン」は5~6回、「アルバトロス」「さらば愛しき」は6~7回、「火垂るの墓」は6回くらいかな..ソフト発売から25~30年経っているので、数年に1回のペースですね)
◆プロフィール◆
私は映画も好きなので、たくさん見てきています。(大の映画ファン!) 性格はインドア、でもスポーツが得意なので学生のときから体育会系です。(球技が得意) アニメーター志望だったので、見る側だけでなく、創る側、創り手にとても興味があります。世間でアニヲタと呼ばれている人達とは、アニメの好みも生活スタイルも違うと思うので、別の人種かな..って勝手に思っています。
・職業はサラリーマン ・既婚 ・政治スタンスは右 ・無神論者 ・歴史好き(特に戦国時代) ・好きなゲームはもちろん「信長の野望」 ・映画は何でも見ます、中でも好きなジャンルはコテコテのヒューマンドラマ(ただしミュージカルアレルギーあり)
◆好きなアニメーター◆
宮崎駿
安彦良和
庵野秀明
◆好きなメカニックデザイナー◆
河森正治
◆座右の銘◆
「映画は脚本が命!」 (黒澤明監督のパクリです)
故に、アニメ、映画、TVドラマに何を求めて見ているかと言うと、高い物語性です。一番重視しているのが、物語の質(脚本・演出)です。アニメの作画とか、場面設定、キャラクターデザインとか、良いにこしたことはないのですが、物語の良し悪しが私にとって最も重要な要素なので、そのまま作品の評価に直結します。とにかく、物語(脚本)が大事! ということです。
◆アニメに何を求める?◆
アニメも実写もそうですが、見ている人が作品に対して、何を求め、何に注視しているのか、それによって作品の評価が大きく左右されるのだと思います。例えば、アニメはキャラクターが大事って人もいれば、作画が重要っていう人もいて、メカニックデザインが大事とか、背景(美術)が重要、音楽が、台詞が、声優が..アクションが好き、メカが好き、アイドルキャラが好き、恋愛ものが好き、ギャグ・コメディが好き、といった具合に挙げればきりがありません。
◆人ってこうも違うのか?◆
人は基本みんな同じ、って思っている人はいませんか? それは間違いです!
人の感性というのは、千差万別! 恐ろしく違います。感受性の強弱であったり、理解力・読解力の違いや、物語の好みであったり、涙腺のツボ、笑いのツボ..親から受け継いだDNA(性格)だったり、生まれ育つ過程での人格形成、周りの生活環境・慣習・文化..人はそれぞれ多種多様で、大なり小なり差があり違いがあり同じではないのです。それが顕著に出るのが作品の好み(評価)だと思っています。
私は「みんなのシネマレビュー」のレビュアーをしてて、つくづくそう思うようになりました。同じ映画に同じ評価をしている人でも、別の映画では評価がまったく違ったり、好みがすごく似ていて評価がどの映画も同じ人なのに、ある映画だけは全然違うとか、そういったことが日常茶飯事なのです。いろいろ見たり聞いたりしていくうちに、自分の好みの映画がほぼ一致している、という人にお目にかかったことは一度もありません、誰1人いないのです!(周りの知人、家族、血のつながった親、兄弟も含めてもいないのです) 私が特別というわけではなく、他の人を比べても大部分の人がそうなのです。
十人十色とはよく言ったもので、よくぞここまで違うものか..って感心してしまいます。人というのは、千人千色、いや、万人万色、だと思います。
◆ヒラサカさんとの評価の違い◆
評価が一致しているのは、「コナン」「カリ城」「ルパンさらば愛・・」の高得点。
相違しているのは、「ホームズ」から「ポニョ」にかけての低評価、それと「風立ちぬ」の高評価、ですね。
◆ヒラサカさんは◆
私が察するに、ヒラサカさんは、“男のリビドー” に共鳴する作品がお好み!ということですよね~
メカ と ロリ と フェチ 全開!の(健全な)アニメ!が、お好みのようで..
最近では「風立ちぬ」を見て、宮崎駿は枯れていなかった、“オンナ” を描いていることに驚いた、とのこと..
逆に、過去の作品と同じテイストで類似している演出や使い回し、斬新さのない作品に評価が厳しく、世相を反映した作品創りに、文化人気取りで社会性を重視した作品、理屈で論理で創った作品が、お好みでない! ようですね。
◆私は◆
残念ながら私の場合、菜穂子 に萌えるということはなく、クラリス にも、ラナ にも、不二子 にも、萌えることはなく、「風立ちぬ」の物語にも、萌えることはないです。
「劇場版999」のハーロックとか、「カリ城」の五右衛門には、萌えるんですけどね..
ちなみに私が萌えるストーリー展開とは、「高い所にいた主人公が、あることをきっかけに底辺に落ち、落ちぶれ果て、でもそこから徐々に努力と才能で這い上がる!」とか、「才能を秘めた主人公が、その才能を徐々に開花させ、覚醒し大活躍!」とか、「周りから悪人と誤解されている主人公が、真の部分はそうではなく、人とのふれあいや手助けによって、知らず知らず成長し改心し、更生する!」といった感じです。
では私は物語(脚本)を重視していると言いましたが、何を基準に良し悪しを線引きしているかと言うと、「必然性」と「リアリティー」です。物語に嘘とか矛盾とかが一つでもあると即効で冷めてしまいます。リアリティーを追究したレベルの高い本物の作品、でないと満足することができないのです。(なかなか理解してもらえないのですが..)
◆映画「ナウシカ」で気づいた宮崎駿◆
宮崎駿に話を移すと、確かに「カリ城」の失敗でアニメ界を干され、「名探偵ホームズ」も立ち消え、不遇の時代へ..なんとか映画「ナウシカ」でアニメ界に返り咲きます!しかし、映画館で見た光景がその後の作品に大きく影響したと言います。(ずいぶん昔に記事を読みました) それは、映画館の中を小さな子供たちが走り回っていて..映画についていけず、暇を持てあましていたのです。それを見た宮崎駿は、「アニメは子供たちのもの」と悟り、「子供たちのためのアニメを創ろう!」と改心したそうです。そうしてできたのが「ラピュタ」以降の作品。「ラピュタ」は小学生、「トトロ」は幼稚園児、「宅急便」は小学生(女子)、「紅の豚」は小学生(男子)、このように「ラピュタ」から「紅の豚」までの作品は、所詮子供向けに創られた作品です。レベルが低くて当然なのです。大の大人がとやかく言っても仕方がないと思います。対象年齢に合わせているので単純そのもの、複雑なことはなに一つやっていません..
◆最後だから、創りたいものを創る!◆
削除賛否両論の「もののけ姫」、古くからのファンもガッカリした人は少なくないと思います。
この作品で引退する!って宣言して、「アニメは子供たちのもの」という封印を解き、対象年齢を一気に高校生くらいまで上げ、本人は大まじめに「世界を変えてやる」、というくらいの意気込みで創った作品です。しかし結果は、大風呂敷を広げるだけ広げて、最後包みきれなかった..っていうのが実情だと思います。(絵コンテを完成させないまま映画制作に入り映画を創りながら並行して絵コンテを仕上げていく、という宮崎流制作術の弊害だと思います) 最後はタイムリミットに追われ追い込まれ、年齢的なものもあり、絞り出してもなかなか出てこない..最後までミラクルは起きず、あんなラスト(支離滅裂で物語破綻)になったのでは..と想像してしまいます。
そもそも創り手が創りたい物を自由に創ると、こうなる..という見本ですね。(晩年の黒澤明しかり、高畑勲しかり)
◆原点回帰◆
最後と言ってから4年、「となりの山田くん」で高畑勲が大コケにコケ、ジブリでは宮崎駿にもう一発当ててもらいたい..っていう気運が高まり(大人の事情ってやつですね)、本人もやる気になり創ったのが「千と千尋」。(←あくまでも私の勝手な想像です) 今度は「もののけ」とは心機一転、原点回帰! 対象年齢を小学生(女子)に戻して創った作品です。
「もののけ」の後だったので、期待と不安が入り交じりスクリーンを前にして、すごく心配したのをよく覚えています。ふたを開けてみると、いやいや、心配は吹っ飛び、最初から最後まで堪能することができました。ストーリー展開、登場人物、世界観、圧倒的な創造力と存在感、この奇想天外な斬新さは、宮崎駿にしか創れない..やはり天才だ、と唸りました~
八百万の神の湯治場って、誰が思いつくでしょうか..キリスト教圏の欧米ではあり得ない物語ですね、逆にこの日本らしさが海外にもウケたんだと思います。
◆「ハウル」で思ったこと◆
対象年齢は、小中高(女子)ですね~ 一応恋愛ものですから。物語の本筋は難解です。でも表面だけを捉えて見れば小学生でも楽しめる作品になっています。最初は内容を理解できませんでした。何度か見るうちに、なんとなくストーリーだけは理解できたかなってレベルです。(今でも) この手の作品、特に男女の恋、は宮崎駿には無理なんだと思います。苦手な分野なんだな~って改めて認識しました。「コクリコ坂から」もそうです、宮崎駿じゃないと創れない、っていう物語ではないです。宮崎駿より上手く創れる監督はいくらでもいます。手を出してはいけないジャンルだったのです。
◆「ポニョ」はファンタジー◆
対象年齢を前作からガックっと下げた幼稚園児向けの作品です。手描きにこだわり頑張ったのは良かったのですが、物語として、なんじゃこりゃ、大人が見るものじゃ~ないな、って思ったのが最初の印象です。何を伝えたかったのか理解したくて、何度か見ました。
すると、“ファンタジー”なんですね~(今さらですが) この作品はファンタジーなんだ、って腑に落ちた瞬間、気が楽になりました。監督には深~い意味があったとしても、それを無理して汲み取る必要はない..見ている人が自由に解釈すればいい、って、今ではそう思うようにしています。
◆これが最後の作品◆
「風立ちぬ」の対象年齢は、明らかに大人をターゲットにしています。また封印を解いちゃいました。映画としての評価は、ヒラサカさんとは真逆になります。
まったく萌えませんでした..というより、物語そのものに疑問を抱きました。物語として中途半端、飛行機作りがメインなのか、菜穂子とのラブストーリがメインなのか、しかも物語が強引で無理矢理すぎるのです。企画段階での話です、堀越二郎の物語と、堀辰雄の小説「風立ちぬ」を基にした物語と、どちらを映画にしようかと悩んでいた宮崎駿に、鈴ピーが一言 「一緒にすればいいんじゃない」 と言ったらしい..すると、それが良い、と宮崎駿は納得、映画「風立ちぬ」が生まれたそうです。
私としては、二つの物語を一緒にしたことで、物語としてのまとまりがなく、エピソードがいろんな方向にちらかった感じがして、鈴ピーも余計なことをしてくれたな~ってほんと恨んでいます。
なんと言っても日本が誇る「零戦」を作った堀越二郎の物語ですから、男としては、いろんなことを想像してしまい、否が応でも期待が膨らんでしまうのは必定、そこへあの内容ですから..肩すかしを食らったも同然です。私は、菜穂子を中心にした物語でも全然OKだったのです。どちらか一方で物語を創ってほしかった..そう思っています。
◆鈴木Pの功績◆
鈴ピーの功績は、敬意を表するに値し何も異論はありません。宮崎駿と高畑勲を今のポジションに押し上げたのは、まぎれもなく鈴ピーですから。鈴ピーが二人に出会った当時、アニメを創るのは得意でも、それを売り込むのは苦手、売り込む気さえないくらい無頓着..良いものさえ創ってれば、必ず売れる!見ている人は見ている、っていう職人気質。その二人を上手くサポートしプロデューサーとして奮闘..その手腕は今のジブリを見れば一目瞭然!です。
◆鈴木Pの力◆
ヒラサカさんは、宮崎駿作品の作風について、鈴ピーが深く関わっている、とおっしゃっていますが、私はそうだと思いません。なぜなら、宮崎駿作品のプロデュースはしても、作品の肝であるストーリー構成や脚本を思いどおりできるほど、鈴ピーには力はありません。
宮崎駿がジブリで創った「ラピュタ」以降の作品は、すべて宮崎駿が創りたいと思い、自分で考え自分の意思で創ったのだと思います。
そもそも、鈴ピーがコントロールできるような“タマ”じゃないですから、宮崎駿は、、
企画前の段階でアドバイスくらいはすると思いますが、一旦映画の構想が始まってしまえば、監督におまかせ!っていうスタイルのはずです。
◆鈴木Pに思うこと◆
鈴ピーにガッカリさせられたのは、宮崎家の世襲問題です。何のことかと言うと、宮崎吾朗に「ゲド戦記」を創らせたことです。
あの脚本(絵コンテ)で、よく映画を創らせたなぁ~って思います。鈴ピーの映画を見る目、センスの無さに愕然としました。本人に「あんた本当に映画のプロなん?」って聞きたかったです。ジブリの看板しょって、あのどうしようもない駄作を世に出したのは、ジブリ最大の汚点です!!
映画制作を決定したときは、宮崎駿が相当怒ってたし、映画公開後は、原作ファンは 「よくも泥を塗ってくれたな!」、原作者は 「ダマされた!」、ってさんざんな評価..
宮崎駿のバイブル「ゲド戦記(原作)」とは似ても似つかない内容だそうです。(私は未読ですけど) 鈴ピーは、なんとか早く宮崎駿の後継者を育てたいっていう思いがそうさせたんだろうけど、素人に、監督、脚本、演出、が務まるほど、アニメは甘くはない!
私が思うに、鈴ピーが「アニメージュ」を立ち上げたとき、まったくの未知数だった若手たちを起用し(そうするしかなかったらしい)、それが大当たりして上手くいった“成功体験”から、新人監督 宮崎吾朗、が誕生したのだと思います。(100歩ゆずって吾朗に才能があったとしても、下積みや経験って大事でしょ~ 鈴ピー、雑誌創刊とはわけが違うぞー!ナメんなー!怒)
◆宮崎駿の作風の軌跡◆
削除ヒラサカさんは、男性向け、男のリビドーで創った作品は良い作品だが→ 興収が悪い..
男性向け、男のリビドーを封印し、女性・子供向けに創った作品は凡作だが→ 興収は良い..
とおっしゃっていますが、それは一理あると思います。
ただ、その見解はちょっと乱暴すぎるかな~って思います。
アニメ映画の配収を比べてみます。
1974 ヤマト 9.0億
1978 さらばヤマト 21.2億
1978 ルパン 9.2億
1979 999 16.5億
1979 カリ城 3.5億
1984 ナウシカ 7.4億
1986 ラピュタ 5.8億
1988 トトロ 5.9億
1989 宅急便 21.5億
1992 紅の豚 28.0億
1997 もののけ 113.0億
1999 (山田くん) 8.2億
映画界や作家界で言われているのは、良いものが売れるんじゃなくて、“人気者が売れる”、だそうです。簡単に言えば、「知名度」 と 「認知度」 で売上げが決まってしまうってことです。上の配収を見るとうなずけます。TV再放送で火がつき話題となった「ヤマト」、それに乗っかり映画公開で大ブーム!に、そして続編が続けて大ヒット!(明らかに収益がジャンプUP) 翌年、ヤマトで火が着いたSFアニメブームにまたまた乗っかり、(主人公の年齢まで上げて)中高生向けに制作した「999」が大ヒット! TVで人気だった赤ジャケルパンの映画化第1弾!(VS複製人間)、TVより対象年齢を上げて大人向けに創った結果、幅広い層にウケ好成績!
そして「前作をしのげないのなら2作目を作る意味がない」と、(自信満々で)登場したのは 「カリ城」! SFでもなければ、赤ジャケでもない、当時こう思われていたのでは 「ん、緑ジャケ? 古い城が舞台で悪い奴からお姫様救うって、今さら?」 (映画のポスターもダサダサ)..使い古された物語に王道といえども世間のブームに逆行..冷静に考えれば当たるはずがない..見た人は大満足!でも一部の人にしか見てもらえず..結果は惨敗、完全に乗り遅れてしまった「カリ城」..って構図です。
宮崎駿が再起をかけて臨んだ「ナウシカ」、原作漫画が連載中で、高校生あたりのアニメファンのあいだではそこそこ知られていて、映画としてもなんとかそれなりにヒット、「ラピュタ」「トトロ」はオリジナルストーリーで対象年齢が小学生、ナウシカファンがそのまま雪崩れ込むにはちょっと物語が単純で物足りなかったのか、ターゲット層には知名度という点で弱かったのか、大ヒットとはならず、ただ出来が良かったのでTVやビデオソフトによって見直され、徐々にジブリブランドの知名度は上がり、「魔女の宅急便」でついにブレイク! 時代とタイミング、そしてターゲットがマッチし、それまでの2作品より興収が3倍強UPの大ヒット!となります。
こうなれば(しめたもの)、「ジブリ作品」というだけで客は入り、創る作品、創る作品、ヒット連発!! もはや作品の内容なんて関係ない..(世間一般では宮崎駿と高畑勲の作品の区別がつく人はごく少数ですから..)
何が言いたいかというと、作品の良し悪しは、映画の興収にはあまり関係がない!ってことです。映画がヒットするしないは、「知名度」 「認知度」 による要因が大、ってことですね。(たまに例外はありますけど..)
「興収が良い = 名作 (秀作)」 とは限らない、っていうのは映画ファンの間では公然たる事実ですから..
◆対象年齢が作品を左右する◆
では、作品の出来不出来について話を移します。
私はアニメはその作品のターゲット、対象年齢が作品の内容を決定づける大きな要因だと思っています。(今さらですが)
前述のように、私は脚本、物語のレベルをとても重視してその作品を見ています。「ラピュタ」「トトロ」「豚」「ポニョ」「ホームズ」といった作品は、完成度が高くよくできているんですが、所詮小学生・幼稚園児が対象ですから、物語が単純だったり、浅かったり、物足りなかったり、と感じるのは当然だと思います。それは、宮崎駿がわざと物語のレベルを落とし、子供たちが理解しやすいように、シンプルに複雑にならないように作品創りを心がけているからだと思います。伏線を張るとか、含みのある言動(台詞)とか、作品にメッセージを込めるとか、そういったことはすべて封印しているのだと思います。その“対象年齢”という封印を解いたとき、ある意味とんでもない、奇想天外な、はじけた作品を創ってしまうのだと思います。
いい例が、漫画「ナウシカ」です。とてもレベルが高いです。映画「ナウシカ」を1とすると漫画「ナウシカ」はその10倍物語は深く、後半はかなり哲学的になり、とても難解なストーリーに変貌します。「ついて来れない奴は、ついてこなくていい!」って感じで描きたいことを描きなぐっています。(私は大好きですけど) 物語のレベルが高すぎて宮崎駿のポテンシャルの高さに、ついつい唸ってしまいます。頭の中はどうなっているのだろう..って恐ろしくなることがあります。
さらに、(1990年)漫画「飛行艇時代」も、短編ながらなかなか面白く単純なのに良くできています。(2009年)漫画「風立ちぬ」は最近購入して読みました。(私的には漫画の方が物語の流れが分かりやすく、しっくり頭に入ってきます、説得力、納得感は、残念ながら映画より断然上でした..) この2作は、月刊模型雑誌(モデルグラフィックス)の中で連載されていたものなので、明らかに大人の成人男性向けに描かれたものです。子供向けのアニメとはまったく違う演出手法、段違いの情報量の多さとマニアックさが特徴です。
漫画の場合、仮に売れなくても映画のような金銭面での大きな損失(リスク)はないので..自由度が全然違いますね~(安彦良和などはアニメ界を干され漫画家に転身した後は、大人向けの良質な作品をたくさん描いています..)映画のような何億という大金が動かないので、のびのびと好きなことを好きなだけ描いているのが手に取るように分かります。
それから、ルパンシリーズ 「カリ城」「アルバトロス」「さらば愛しき」、中高生(男子)向けにもかかわらず、大人の目も意識した、レベルの高い細かい演出、伏線、リアルな描写、センスのイイ作画、なによりサービス精神全開!で、創られています。(宮崎駿の才能はとどまるところを知りません)大人が見ても十分に楽しめる、その完成度の高さレベルの高さは、言うまでもなく誰もが認める名作です!
(作画のことを少しだけ言わせてもらうと、アニメーション制作をちょっとでもかじったことがある人なら(志望も含む)、その巧みさは理解していると思います、本当に 上手い! テクニックがすごい! 唸ります! 今見ても色あせてない、っていうのが すばらし~い!)
◆「コナン」ってすごい!◆
ここで注目すべきは、「未来少年コナン」です。
対象年齢は小学生(男子)、作品の立ち位置としては、家族みんなで楽しく見ることができる子供向けアニメ、「アルプスの少女ハイジ」と同列くらいでしょうか。(ジャンルはSF冒険活劇)
本題に入りますが、何がすごい!かって言うと、私が「子供向け作品は物語が単純で捻りも何にもない、大の大人が真剣に見るもんじゃない」って、今までさんざん言ってきた理屈に、まったく当てはまらない、ってことです。子供向けアニメなのに、大の大人が見ても、見るに十分耐え得るクオリティの高さ! 絵を見て、いかにも子供向け、って敬遠する方もいると思います..それは浅はかというもの、物語は全編手抜きはなく、起承転結がしっかりしてて、山あり谷あり、いろんなエピソードが次から次へと目白押し、アクションあり、メカあり、SFあり、コテコテのヒューマンドラマあり、悪人あり、小悪党あり、人間群像あり..よくぞここまで詰め込んだって感じです。序盤~、中盤~、終盤、クライマックス、結末、オチ、にいたるまで、目が離せない..(中だるみ一切なし)さらに作画は、動く動く止まっているシーンはほとんどなく、「アニメは動いてなんぼ!!」 っていう宮崎駿のポリシーそのもの、TV連続アニメの常識を覆すセル画枚数に(←当時のTVアニメ基準)、綿密な画面構成、人物と背景(美術)の一体感、どれ一つとっても、一級品!
これは何なんでしょう! どうしてこんなアニメが創れたのでしょうか?
う~ん、一つ言えるのは、2時間前後の映画と比べ尺が圧倒的に長いことですね。物語の背景や登場人物のバックボーンなど、深く丁寧に描くことができます。それは作品にとってすごく有利に働き、面白さは倍増し見ている者を惹きつけ、メッセージを込めるにも優位です。もう一つ、宮崎駿自身のモチベーションの高さもあるでしょうか、裏方とも言える今までの作画作業とは違い、演出家(監督)としてのデビュー作ですから、テンションが上がらないわけがない!年齢も脂がのりきった30代、頭はキレっキレっでアイデアが溢れ出てきていたのでは..そして、必然というか、運命というか、宮崎駿に(アニメの神様が降りてきて)..ミラクル!が起こり、名作誕生! となったのかもしれません。
後に、とても良い環境・条件とは言えない中、「カリ城」でも、ミラクル!を起こします。
◆最後だから、創りたいものを創る!◆
削除賛否両論の「もののけ姫」、古くからのファンもガッカリした人は少なくないと思います。
この作品で引退する!って宣言して、「アニメは子供たちのもの」という封印を解き、対象年齢を一気に高校生くらいまで上げ、本人は大まじめに「世界を変えてやる」、というくらいの意気込みで創った作品です。しかし結果は、大風呂敷を広げるだけ広げて、最後包みきれなかった..っていうのが実情だと思います。(絵コンテを完成させないまま映画制作に入り映画を創りながら並行して絵コンテを仕上げていく、という宮崎流制作術の弊害だと思います) 最後はタイムリミットに追われ追い込まれ、年齢的なものもあり、絞り出してもなかなか出てこない..最後までミラクルは起きず、あんなラスト(支離滅裂で物語破綻)になったのでは..と想像してしまいます。
そもそも創り手が創りたい物を自由に創ると、こうなる..という見本ですね。(晩年の黒澤明しかり、高畑勲しかり)
◆原点回帰◆
最後と言ってから4年、「となりの山田くん」で高畑勲が大コケにコケ、ジブリでは宮崎駿にもう一発当ててもらいたい..っていう気運が高まり(大人の事情ってやつですね)、本人もやる気になり創ったのが「千と千尋」。(←あくまでも私の勝手な想像です) 今度は「もののけ」とは心機一転、原点回帰! 対象年齢を小学生(女子)に戻して創った作品です。
「もののけ」の後だったので、期待と不安が入り交じりスクリーンを前にして、すごく心配したのをよく覚えています。ふたを開けてみると、いやいや、心配は吹っ飛び、最初から最後まで堪能することができました。ストーリー展開、登場人物、世界観、圧倒的な創造力と存在感、この奇想天外な斬新さは、宮崎駿にしか創れない..やはり天才だ、と唸りました~
八百万の神の湯治場って、誰が思いつくでしょうか..キリスト教圏の欧米ではあり得ない物語ですね、逆にこの日本らしさが海外にもウケたんだと思います。
◆「ハウル」で思ったこと◆
対象年齢は、小中高(女子)ですね~ 一応恋愛ものですから。物語の本筋は難解です。でも表面だけを捉えて見れば小学生でも楽しめる作品になっています。最初は内容を理解できませんでした。何度か見るうちに、なんとなくストーリーだけは理解できたかなってレベルです。(今でも) この手の作品、特に男女の恋、は宮崎駿には無理なんだと思います。苦手な分野なんだな~って改めて認識しました。「コクリコ坂から」もそうです、宮崎駿じゃないと創れない、っていう物語ではないです。宮崎駿より上手く創れる監督はいくらでもいます。手を出してはいけないジャンルだったのです。
◆「ポニョ」はファンタジー◆
対象年齢を前作からガックっと下げた幼稚園児向けの作品です。手描きにこだわり頑張ったのは良かったのですが、物語として、なんじゃこりゃ、大人が見るものじゃ~ないな、って思ったのが最初の印象です。何を伝えたかったのか理解したくて、何度か見ました。
すると、“ファンタジー”なんですね~(今さらですが) この作品はファンタジーなんだ、って腑に落ちた瞬間、気が楽になりました。監督には深~い意味があったとしても、それを無理して汲み取る必要はない..見ている人が自由に解釈すればいい、って、今ではそう思うようにしています。
◆これが最後の作品◆
「風立ちぬ」の対象年齢は、明らかに大人をターゲットにしています。また封印を解いちゃいました。映画としての評価は、ヒラサカさんとは真逆になります。
まったく萌えませんでした..というより、物語そのものに疑問を抱きました。物語として中途半端、飛行機作りがメインなのか、菜穂子とのラブストーリがメインなのか、しかも物語が強引で無理矢理すぎるのです。企画段階での話です、堀越二郎の物語と、堀辰雄の小説「風立ちぬ」を基にした物語と、どちらを映画にしようかと悩んでいた宮崎駿に、鈴ピーが一言 「一緒にすればいいんじゃない」 と言ったらしい..すると、それが良い、と宮崎駿は納得、映画「風立ちぬ」が生まれたそうです。
私としては、二つの物語を一緒にしたことで、物語としてのまとまりがなく、エピソードがいろんな方向にちらかった感じがして、鈴ピーも余計なことをしてくれたな~ってほんと恨んでいます。
なんと言っても日本が誇る「零戦」を作った堀越二郎の物語ですから、男としては、いろんなことを想像してしまい、否が応でも期待が膨らんでしまうのは必定、そこへあの内容ですから..肩すかしを食らったも同然です。私は、菜穂子を中心にした物語でも全然OKだったのです。どちらか一方で物語を創ってほしかった..そう思っています。
◆鈴木Pの功績◆
鈴ピーの功績は、敬意を表するに値し何も異論はありません。宮崎駿と高畑勲を今のポジションに押し上げたのは、まぎれもなく鈴ピーですから。鈴ピーが二人に出会った当時、アニメを創るのは得意でも、それを売り込むのは苦手、売り込む気さえないくらい無頓着..良いものさえ創ってれば、必ず売れる!見ている人は見ている、っていう職人気質。その二人を上手くサポートしプロデューサーとして奮闘..その手腕は今のジブリを見れば一目瞭然!です。
◆鈴木Pの力◆
ヒラサカさんは、宮崎駿作品の作風について、鈴ピーが深く関わっている、とおっしゃっていますが、私はそうだと思いません。なぜなら、宮崎駿作品のプロデュースはしても、作品の肝であるストーリー構成や脚本を思いどおりできるほど、鈴ピーには力はありません。
宮崎駿がジブリで創った「ラピュタ」以降の作品は、すべて宮崎駿が創りたいと思い、自分で考え自分の意思で創ったのだと思います。
そもそも、鈴ピーがコントロールできるような“タマ”じゃないですから、宮崎駿は、、
企画前の段階でアドバイスくらいはすると思いますが、一旦映画の構想が始まってしまえば、監督におまかせ!っていうスタイルのはずです。
◆鈴木Pに思うこと◆
鈴ピーにガッカリさせられたのは、宮崎家の世襲問題です。何のことかと言うと、宮崎吾朗に「ゲド戦記」を創らせたことです。
あの脚本(絵コンテ)で、よく映画を創らせたなぁ~って思います。鈴ピーの映画を見る目、センスの無さに愕然としました。本人に「あんた本当に映画のプロなん?」って聞きたかったです。ジブリの看板しょって、あのどうしようもない駄作を世に出したのは、ジブリ最大の汚点です!!
映画制作を決定したときは、宮崎駿が相当怒ってたし、映画公開後は、原作ファンは 「よくも泥を塗ってくれたな!」、原作者は 「ダマされた!」、ってさんざんな評価..
宮崎駿のバイブル「ゲド戦記(原作)」とは似ても似つかない内容だそうです。(私は未読ですけど) 鈴ピーは、なんとか早く宮崎駿の後継者を育てたいっていう思いがそうさせたんだろうけど、素人に、監督、脚本、演出、が務まるほど、アニメは甘くはない!
私が思うに、鈴ピーが「アニメージュ」を立ち上げたとき、まったくの未知数だった若手たちを起用し(そうするしかなかったらしい)、それが大当たりして上手くいった“成功体験”から、新人監督 宮崎吾朗、が誕生したのだと思います。(100歩ゆずって吾朗に才能があったとしても、下積みや経験って大事でしょ~ 鈴ピー、雑誌創刊とはわけが違うぞー!ナメんなー!怒)
はじめまして、コナンが一番と申します。(「みんなのシネマレビュー」のレビュアーです)
返信削除実は「宮崎ルパン」とググってヒットした画像から偶然ここのブログに辿り着き、宮崎駿作品評価ランキング、「未来少年コナン」への熱い想い、そして宮崎駿への辛口コメントが目に留まり、興味深く拝読させていただきました。共感する部分が多々あり、逆に相違の部分もあり、僭越ながら私も熱~い想い(持論)を述べさせていただこうと思い、書き込みさせていただいている次第です。
私は、自称 「筋金入りの宮崎駿ファン」、と恥ずかしながら名乗ってはいますが、熱狂的な宮崎駿信者というわけではなく、純粋にアニメーターとして、演出家として、宮崎駿を尊敬し、ず~と長くファンをやっているというだけのやからです。
ヒラサカさんは、電気系、工作、アニメ、を嗜好されているそうですが、私はと言うと、アニメーター志望で、夢は長編アニメの監督!っていう野望の持ち主です。(←若かりし頃の話しですが)
前置きはさておき、私の宮崎駿作品評価ランキングは以下のとおりです。(他の作品も比較のため併記しました)
【宮崎駿関連】
1968 ★★★――――――― 太陽の王子ホルス (原画 場面設計)
1969 ★★★★★――――― 長靴をはいた猫 (原画)
1969 ――――未見―――― 空飛ぶゆうれい船 (原画)
1971 ――――未見―――― どうぶつ宝島 (原画 アイデア構成)
1971 ★★★★★――――― ルパン三世 TV (原画)
1972 ★★★★―――――― パンダコパンダ (脚本 場面設定 原画)
1973 ――――未見―――― パンダコパンダ2 (脚本 画面構成 原画)
1974 ★★★★★★★★―― アルプスの少女ハイジ (場面設定 画面構成)
1976 ★★★★★――――― 母をたずねて三千里 (場面設定 レイアウト)
1979 ★★★★★――――― 赤毛のアン (場面設定 画面構成)
【宮崎駿作品】
1978 ★★★★★★★★★★ 未来少年コナン (監督 演出 絵コンテ)
1979 ★★★★★★★★★★ ルパン カリオストロの城 (監督 脚本)
1980 ★★★★★★★★★★ ルパン 死の翼アルバトロス (監督 脚本)
1980 ★★★★★★★★★★ ルパン さらば愛しき・・ (監督 脚本)
1983 ★★★★★★★――― 名探偵ホームズ (監督 演出 絵コンテ)
1984 ★★★★★★★――― 風の谷のナウシカ (監督 脚本)
1986 ★★★★★★★――― 天空の城ラピュタ (監督 脚本)
1988 ★★★★★★★――― となりのトトロ (監督 脚本)
1989 ★★★★★★―――― 魔女の宅急便 (監督 脚本)
1992 ★★★★★★★★―― 紅の豚 (監督 脚本)
1995 ★★★★★――――― On Your Mark (監督)
1997 ★★★★★★★――― もののけ姫 (監督 脚本)
2001 ★★★★★★★★―― 千と千尋の神隠し (監督 脚本)
2004 ★★★★★★―――― ハウルの動く城 (監督 脚本)
2008 ★★★★★★★――― 崖の上のポニョ (監督 脚本)
2013 ★★★★★★―――― 風立ちぬ (監督 脚本)
【宮崎駿 脚本】
1995 ★★★★★★―――― 耳をすませば (脚本)
2010 ★★―――――――― 借りぐらしのアリエッティ (脚本)
2011 ★★★★★★★★―― コクリコ坂から (脚本)
【宮崎駿 漫画】
1982 ★★★★★★★★★★ 風の谷のナウシカ 漫画 (原作 作画)
1983 ★★★★★★★★★★ シュナの旅 漫画 (原作 作画)
1990 ★★★★★★★★★― 飛行艇時代 漫画 (原作 作画)
2009 ★★★★★★★★★― 風立ちぬ 漫画 (原作 作画)
【高畑勲作品】
1988 ★★★★★★★★★★ 火垂るの墓 (監督 高畑勲)
1991 ★★★★★――――― おもひでぽろぽろ (監督 高畑勲)
1994 ★★―――――――― 平成狸合戦ぽんぽこ (監督 高畑勲)
1999 ★★★――――――― となりの山田くん (監督 高畑勲)
2013 ★★★★―――――― かぐや姫の物語 (監督 高畑勲)
【ジブリ作品】
1993 ★★★★★★★★―― 海がきこえる (監督 望月智充)
2000 ★★―――――――― ギブリーズ (監督 百瀬義行)
2002 ★★★★―――――― 猫の恩返し (監督 森田宏幸)
2006 ★――――――――― ゲド戦記 (監督 宮崎吾朗)
2014 ★――――――――― 思い出のマーニー (監督 米林宏昌)
【その他の作品】
1974 ★★★★★★―――― 宇宙戦艦ヤマト TV (監督 松本零士)
1977 ★★―――――――― 宇宙戦艦ヤマト 劇場版 (監督 舛田利雄)
1978 ★★★――――――― さらば宇宙戦艦ヤマト (監督 舛田利雄/松本零士)
1978 ★★★★★――――― ルパン三世 VS複製人間 (監督 吉川惣司)
1979 ★★★★★★★★―― 銀河鉄道999 劇場版 (監督 りんたろう)
1979 ★★★★★★★★―― 機動戦士ガンダム TV (監督 富野喜幸)
1981 ★――――――――― さよなら銀河鉄道999 (監督 りんたろう)
1983 ★★★★★★―――― うる星 オンリー・ユー (監督 押井守)
1983 ★★★★★★★★★― クラッシャージョウ (監督 安彦良和)
1983 ★――――――――― 幻魔大戦 (監督 りんたろう)
1984 ★★★★★★★★★― うる星 ビューティフル・ドリーマー (監督 押井守)
1984 0点―――――――― マクロス 愛おぼえ・・ (監督 石黒昇、河森正治)
1986 ★★★★★――――― アリオン (監督 安彦良和)
1987 ★★★★★――――― 王立宇宙軍 オネアミスの翼 (監督 山賀博之)
1987 ★★★★★――――― ルパン三世 風魔一族の陰謀 (監修 大塚康生)
1988 0点―――――――― 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア (監督 富野由悠季)
1988 ★★★★★――――― AKIRA (監督 大友克洋)
1988 ★★★★―――――― トップをねらえ! (監督 庵野秀明)
1989 ★★―――――――― ヴイナス戦記 (監督 安彦良和)
1991 0点―――――――― 機動戦士ガンダムF91 (監督 富野由悠季)
1995 ★★★★★★★★―― 攻殻機動隊 (監督 押井守)
1995 ★★★★★★★★―― 新世紀エヴァンゲリオン TV (監督 庵野秀明)
2004 ★★★★★★★――― イノセンス (監督 押井守)
2004 ★★★★★★★――― トップをねらえ2! (監督 鶴巻和哉)
2015 ★★★★★★★★―― ガンダム THE ORIGINⅠ (原作 絵コンテ 安彦良和)
2015 ★★★★★――――― ガンダム THE ORIGINⅡ (原作 絵コンテ 安彦良和)
【次世代を担う監督作品】
2002 ★★★★★★―――― ほしのこえ (監督 新海誠)
2011 ★★★――――――― 星を追う子ども (監督 新海誠)
2013 ★★★★★★★――― 言の葉の庭 (監督 新海誠)
2006 ★★★★★★★★★― 時をかける少女 (監督 細田守)
2009 ★★★★★★★――― サマーウォーズ (監督 細田守)
2012 ★★★★★★★――― おおかみこどもの雨と雪 (監督 細田守)
2015 ★★★★★――――― バケモノの子 (監督 細田守)
◆最後だから、創りたいものを創る!◆
返信削除賛否両論の「もののけ姫」、古くからのファンもガッカリした人は少なくないと思います。
この作品で引退する!って宣言して、「アニメは子供たちのもの」という封印を解き、対象年齢を一気に高校生くらいまで上げ、本人は大まじめに「世界を変えてやる」、というくらいの意気込みで創った作品です。しかし結果は、大風呂敷を広げるだけ広げて、最後包みきれなかった..っていうのが実情だと思います。(絵コンテを完成させないまま映画制作に入り映画を創りながら並行して絵コンテを仕上げていく、という宮崎流制作術の弊害だと思います) 最後はタイムリミットに追われ追い込まれ、年齢的なものもあり、絞り出してもなかなか出てこない..最後までミラクルは起きず、あんなラスト(支離滅裂で物語破綻)になったのでは..と想像してしまいます。
そもそも創り手が創りたい物を自由に創ると、こうなる..という見本ですね。(晩年の黒澤明しかり、高畑勲しかり)
◆原点回帰◆
最後と言ってから4年、「となりの山田くん」で高畑勲が大コケにコケ、ジブリでは宮崎駿にもう一発当ててもらいたい..っていう気運が高まり(大人の事情ってやつですね)、本人もやる気になり創ったのが「千と千尋」。(←あくまでも私の勝手な想像です) 今度は「もののけ」とは心機一転、原点回帰! 対象年齢を小学生(女子)に戻して創った作品です。
「もののけ」の後だったので、期待と不安が入り交じりスクリーンを前にして、すごく心配したのをよく覚えています。ふたを開けてみると、いやいや、心配は吹っ飛び、最初から最後まで堪能することができました。ストーリー展開、登場人物、世界観、圧倒的な創造力と存在感、この奇想天外な斬新さは、宮崎駿にしか創れない..やはり天才だ、と唸りました~
八百万の神の湯治場って、誰が思いつくでしょうか..キリスト教圏の欧米ではあり得ない物語ですね、逆にこの日本らしさが海外にもウケたんだと思います。
◆「ハウル」で思ったこと◆
対象年齢は、小中高(女子)ですね~ 一応恋愛ものですから。物語の本筋は難解です。でも表面だけを捉えて見れば小学生でも楽しめる作品になっています。最初は内容を理解できませんでした。何度か見るうちに、なんとなくストーリーだけは理解できたかなってレベルです。(今でも) この手の作品、特に男女の恋、は宮崎駿には無理なんだと思います。苦手な分野なんだな~って改めて認識しました。「コクリコ坂から」もそうです、宮崎駿じゃないと創れない、っていう物語ではないです。宮崎駿より上手く創れる監督はいくらでもいます。手を出してはいけないジャンルだったのです。
◆「ポニョ」はファンタジー◆
対象年齢を前作からガックっと下げた幼稚園児向けの作品です。手描きにこだわり頑張ったのは良かったのですが、物語として、なんじゃこりゃ、大人が見るものじゃ~ないな、って思ったのが最初の印象です。何を伝えたかったのか理解したくて、何度か見ました。
すると、“ファンタジー”なんですね~(今さらですが) この作品はファンタジーなんだ、って腑に落ちた瞬間、気が楽になりました。監督には深~い意味があったとしても、それを無理して汲み取る必要はない..見ている人が自由に解釈すればいい、って、今ではそう思うようにしています。
◆これが最後の作品◆
「風立ちぬ」の対象年齢は、明らかに大人をターゲットにしています。また封印を解いちゃいました。映画としての評価は、ヒラサカさんとは真逆になります。
まったく萌えませんでした..というより、物語そのものに疑問を抱きました。物語として中途半端、飛行機作りがメインなのか、菜穂子とのラブストーリがメインなのか、しかも物語が強引で無理矢理すぎるのです。企画段階での話です、堀越二郎の物語と、堀辰雄の小説「風立ちぬ」を基にした物語と、どちらを映画にしようかと悩んでいた宮崎駿に、鈴ピーが一言 「一緒にすればいいんじゃない」 と言ったらしい..すると、それが良い、と宮崎駿は納得、映画「風立ちぬ」が生まれたそうです。
私としては、二つの物語を一緒にしたことで、物語としてのまとまりがなく、エピソードがいろんな方向にちらかった感じがして、鈴ピーも余計なことをしてくれたな~ってほんと恨んでいます。
なんと言っても日本が誇る「零戦」を作った堀越二郎の物語ですから、男としては、いろんなことを想像してしまい、否が応でも期待が膨らんでしまうのは必定、そこへあの内容ですから..肩すかしを食らったも同然です。私は、菜穂子を中心にした物語でも全然OKだったのです。どちらか一方で物語を創ってほしかった..そう思っています。
◆鈴木Pの功績◆
鈴ピーの功績は、敬意を表するに値し何も異論はありません。宮崎駿と高畑勲を今のポジションに押し上げたのは、まぎれもなく鈴ピーですから。鈴ピーが二人に出会った当時、アニメを創るのは得意でも、それを売り込むのは苦手、売り込む気さえないくらい無頓着..良いものさえ創ってれば、必ず売れる!見ている人は見ている、っていう職人気質。その二人を上手くサポートしプロデューサーとして奮闘..その手腕は今のジブリを見れば一目瞭然!です。
◆鈴木Pの力◆
ヒラサカさんは、宮崎駿作品の作風について、鈴ピーが深く関わっている、とおっしゃっていますが、私はそうだと思いません。なぜなら、宮崎駿作品のプロデュースはしても、作品の肝であるストーリー構成や脚本を思いどおりできるほど、鈴ピーには力はありません。
宮崎駿がジブリで創った「ラピュタ」以降の作品は、すべて宮崎駿が創りたいと思い、自分で考え自分の意思で創ったのだと思います。
そもそも、鈴ピーがコントロールできるような“タマ”じゃないですから、宮崎駿は、、
企画前の段階でアドバイスくらいはすると思いますが、一旦映画の構想が始まってしまえば、監督におまかせ!っていうスタイルのはずです。
◆鈴木Pに思うこと◆
鈴ピーにガッカリさせられたのは、宮崎家の世襲問題です。何のことかと言うと、宮崎吾朗に「ゲド戦記」を創らせたことです。
あの脚本(絵コンテ)で、よく映画を創らせたなぁ~って思います。鈴ピーの映画を見る目、センスの無さに愕然としました。本人に「あんた本当に映画のプロなん?」って聞きたかったです。ジブリの看板しょって、あのどうしようもない駄作を世に出したのは、ジブリ最大の汚点です!!
映画制作を決定したときは、宮崎駿が相当怒ってたし、映画公開後は、原作ファンは 「よくも泥を塗ってくれたな!」、原作者は 「ダマされた!」、ってさんざんな評価..
宮崎駿のバイブル「ゲド戦記(原作)」とは似ても似つかない内容だそうです。(私は未読ですけど) 鈴ピーは、なんとか早く宮崎駿の後継者を育てたいっていう思いがそうさせたんだろうけど、素人に、監督、脚本、演出、が務まるほど、アニメは甘くはない!
私が思うに、鈴ピーが「アニメージュ」を立ち上げたとき、まったくの未知数だった若手たちを起用し(そうするしかなかったらしい)、それが大当たりして上手くいった“成功体験”から、新人監督 宮崎吾朗、が誕生したのだと思います。(100歩ゆずって吾朗に才能があったとしても、下積みや経験って大事でしょ~ 鈴ピー、雑誌創刊とはわけが違うぞー!ナメんなー!怒)
◆宮崎駿の作風の軌跡◆
返信削除ヒラサカさんは、男性向け、男のリビドーで創った作品は良い作品だが→ 興収が悪い..
男性向け、男のリビドーを封印し、女性・子供向けに創った作品は凡作だが→ 興収は良い..
とおっしゃっていますが、それは一理あると思います。
ただ、その見解はちょっと乱暴すぎるかな~って思います。
アニメ映画の配収を比べてみます。
1974 ヤマト 9.0億
1978 さらばヤマト 21.2億
1978 ルパン 9.2億
1979 999 16.5億
1979 カリ城 3.5億
1984 ナウシカ 7.4億
1986 ラピュタ 5.8億
1988 トトロ 5.9億
1989 宅急便 21.5億
1992 紅の豚 28.0億
1997 もののけ 113.0億
1999 (山田くん) 8.2億
映画界や作家界で言われているのは、良いものが売れるんじゃなくて、“人気者が売れる”、だそうです。簡単に言えば、「知名度」 と 「認知度」 で売上げが決まってしまうってことです。上の配収を見るとうなずけます。TV再放送で火がつき話題となった「ヤマト」、それに乗っかり映画公開で大ブーム!に、そして続編が続けて大ヒット!(明らかに収益がジャンプUP) 翌年、ヤマトで火が着いたSFアニメブームにまたまた乗っかり、(主人公の年齢まで上げて)中高生向けに制作した「999」が大ヒット! TVで人気だった赤ジャケルパンの映画化第1弾!(VS複製人間)、TVより対象年齢を上げて大人向けに創った結果、幅広い層にウケ好成績!
そして「前作をしのげないのなら2作目を作る意味がない」と、(自信満々で)登場したのは 「カリ城」! SFでもなければ、赤ジャケでもない、当時こう思われていたのでは 「ん、緑ジャケ? 古い城が舞台で悪い奴からお姫様救うって、今さら?」 (映画のポスターもダサダサ)..使い古された物語に王道といえども世間のブームに逆行..冷静に考えれば当たるはずがない..見た人は大満足!でも一部の人にしか見てもらえず..結果は惨敗、完全に乗り遅れてしまった「カリ城」..って構図です。
宮崎駿が再起をかけて臨んだ「ナウシカ」、原作漫画が連載中で、高校生あたりのアニメファンのあいだではそこそこ知られていて、映画としてもなんとかそれなりにヒット、「ラピュタ」「トトロ」はオリジナルストーリーで対象年齢が小学生、ナウシカファンがそのまま雪崩れ込むにはちょっと物語が単純で物足りなかったのか、ターゲット層には知名度という点で弱かったのか、大ヒットとはならず、ただ出来が良かったのでTVやビデオソフトによって見直され、徐々にジブリブランドの知名度は上がり、「魔女の宅急便」でついにブレイク! 時代とタイミング、そしてターゲットがマッチし、それまでの2作品より興収が3倍強UPの大ヒット!となります。
こうなれば(しめたもの)、「ジブリ作品」というだけで客は入り、創る作品、創る作品、ヒット連発!! もはや作品の内容なんて関係ない..(世間一般では宮崎駿と高畑勲の作品の区別がつく人はごく少数ですから..)
何が言いたいかというと、作品の良し悪しは、映画の興収にはあまり関係がない!ってことです。映画がヒットするしないは、「知名度」 「認知度」 による要因が大、ってことですね。(たまに例外はありますけど..)
「興収が良い = 名作 (秀作)」 とは限らない、っていうのは映画ファンの間では公然たる事実ですから..
◆対象年齢が作品を左右する◆
では、作品の出来不出来について話を移します。
私はアニメはその作品のターゲット、対象年齢が作品の内容を決定づける大きな要因だと思っています。(今さらですが)
前述のように、私は脚本、物語のレベルをとても重視してその作品を見ています。「ラピュタ」「トトロ」「豚」「ポニョ」「ホームズ」といった作品は、完成度が高くよくできているんですが、所詮小学生・幼稚園児が対象ですから、物語が単純だったり、浅かったり、物足りなかったり、と感じるのは当然だと思います。それは、宮崎駿がわざと物語のレベルを落とし、子供たちが理解しやすいように、シンプルに複雑にならないように作品創りを心がけているからだと思います。伏線を張るとか、含みのある言動(台詞)とか、作品にメッセージを込めるとか、そういったことはすべて封印しているのだと思います。その“対象年齢”という封印を解いたとき、ある意味とんでもない、奇想天外な、はじけた作品を創ってしまうのだと思います。
いい例が、漫画「ナウシカ」です。とてもレベルが高いです。映画「ナウシカ」を1とすると漫画「ナウシカ」はその10倍物語は深く、後半はかなり哲学的になり、とても難解なストーリーに変貌します。「ついて来れない奴は、ついてこなくていい!」って感じで描きたいことを描きなぐっています。(私は大好きですけど) 物語のレベルが高すぎて宮崎駿のポテンシャルの高さに、ついつい唸ってしまいます。頭の中はどうなっているのだろう..って恐ろしくなることがあります。
さらに、(1990年)漫画「飛行艇時代」も、短編ながらなかなか面白く単純なのに良くできています。(2009年)漫画「風立ちぬ」は最近購入して読みました。(私的には漫画の方が物語の流れが分かりやすく、しっくり頭に入ってきます、説得力、納得感は、残念ながら映画より断然上でした..) この2作は、月刊模型雑誌(モデルグラフィックス)の中で連載されていたものなので、明らかに大人の成人男性向けに描かれたものです。子供向けのアニメとはまったく違う演出手法、段違いの情報量の多さとマニアックさが特徴です。
漫画の場合、仮に売れなくても映画のような金銭面での大きな損失(リスク)はないので..自由度が全然違いますね~(安彦良和などはアニメ界を干され漫画家に転身した後は、大人向けの良質な作品をたくさん描いています..)映画のような何億という大金が動かないので、のびのびと好きなことを好きなだけ描いているのが手に取るように分かります。
それから、ルパンシリーズ 「カリ城」「アルバトロス」「さらば愛しき」、中高生(男子)向けにもかかわらず、大人の目も意識した、レベルの高い細かい演出、伏線、リアルな描写、センスのイイ作画、なによりサービス精神全開!で、創られています。(宮崎駿の才能はとどまるところを知りません)大人が見ても十分に楽しめる、その完成度の高さレベルの高さは、言うまでもなく誰もが認める名作です!
(作画のことを少しだけ言わせてもらうと、アニメーション制作をちょっとでもかじったことがある人なら(志望も含む)、その巧みさは理解していると思います、本当に 上手い! テクニックがすごい! 唸ります! 今見ても色あせてない、っていうのが すばらし~い!)
◆「コナン」ってすごい!◆
ここで注目すべきは、「未来少年コナン」です。
対象年齢は小学生(男子)、作品の立ち位置としては、家族みんなで楽しく見ることができる子供向けアニメ、「アルプスの少女ハイジ」と同列くらいでしょうか。(ジャンルはSF冒険活劇)
本題に入りますが、何がすごい!かって言うと、私が「子供向け作品は物語が単純で捻りも何にもない、大の大人が真剣に見るもんじゃない」って、今までさんざん言ってきた理屈に、まったく当てはまらない、ってことです。子供向けアニメなのに、大の大人が見ても、見るに十分耐え得るクオリティの高さ! 絵を見て、いかにも子供向け、って敬遠する方もいると思います..それは浅はかというもの、物語は全編手抜きはなく、起承転結がしっかりしてて、山あり谷あり、いろんなエピソードが次から次へと目白押し、アクションあり、メカあり、SFあり、コテコテのヒューマンドラマあり、悪人あり、小悪党あり、人間群像あり..よくぞここまで詰め込んだって感じです。序盤~、中盤~、終盤、クライマックス、結末、オチ、にいたるまで、目が離せない..(中だるみ一切なし)さらに作画は、動く動く止まっているシーンはほとんどなく、「アニメは動いてなんぼ!!」 っていう宮崎駿のポリシーそのもの、TV連続アニメの常識を覆すセル画枚数に(←当時のTVアニメ基準)、綿密な画面構成、人物と背景(美術)の一体感、どれ一つとっても、一級品!
これは何なんでしょう! どうしてこんなアニメが創れたのでしょうか?
う~ん、一つ言えるのは、2時間前後の映画と比べ尺が圧倒的に長いことですね。物語の背景や登場人物のバックボーンなど、深く丁寧に描くことができます。それは作品にとってすごく有利に働き、面白さは倍増し見ている者を惹きつけ、メッセージを込めるにも優位です。もう一つ、宮崎駿自身のモチベーションの高さもあるでしょうか、裏方とも言える今までの作画作業とは違い、演出家(監督)としてのデビュー作ですから、テンションが上がらないわけがない!年齢も脂がのりきった30代、頭はキレっキレっでアイデアが溢れ出てきていたのでは..そして、必然というか、運命というか、宮崎駿に(アニメの神様が降りてきて)..ミラクル!が起こり、名作誕生! となったのかもしれません。
後に、とても良い環境・条件とは言えない中、「カリ城」でも、ミラクル!を起こします。
◆宮崎駿の作風の軌跡◆
返信削除ヒラサカさんは、男性向け、男のリビドーで創った作品は良い作品だが→ 興収が悪い..
男性向け、男のリビドーを封印し、女性・子供向けに創った作品は凡作だが→ 興収は良い..
とおっしゃっていますが、それは一理あると思います。
ただ、その見解はちょっと乱暴すぎるかな~って思います。
アニメ映画の配収を比べてみます。
1974 ヤマト 9.0億
1978 さらばヤマト 21.2億
1978 ルパン 9.2億
1979 999 16.5億
1979 カリ城 3.5億
1984 ナウシカ 7.4億
1986 ラピュタ 5.8億
1988 トトロ 5.9億
1989 宅急便 21.5億
1992 紅の豚 28.0億
1997 もののけ 113.0億
1999 (山田くん) 8.2億
映画界や作家界で言われているのは、良いものが売れるんじゃなくて、“人気者が売れる”、だそうです。簡単に言えば、「知名度」 と 「認知度」 で売上げが決まってしまうってことです。上の配収を見るとうなずけます。TV再放送で火がつき話題となった「ヤマト」、それに乗っかり映画公開で大ブーム!に、そして続編が続けて大ヒット!(明らかに収益がジャンプUP) 翌年、ヤマトで火が着いたSFアニメブームにまたまた乗っかり、(主人公の年齢まで上げて)中高生向けに制作した「999」が大ヒット! TVで人気だった赤ジャケルパンの映画化第1弾!(VS複製人間)、TVより対象年齢を上げて大人向けに創った結果、幅広い層にウケ好成績!
そして「前作をしのげないのなら2作目を作る意味がない」と、(自信満々で)登場したのは 「カリ城」! SFでもなければ、赤ジャケでもない、当時こう思われていたのでは 「ん、緑ジャケ? 古い城が舞台で悪い奴からお姫様救うって、今さら?」 (映画のポスターもダサダサ)..使い古された物語に王道といえども世間のブームに逆行..冷静に考えれば当たるはずがない..見た人は大満足!でも一部の人にしか見てもらえず..結果は惨敗、完全に乗り遅れてしまった「カリ城」..って構図です。
宮崎駿が再起をかけて臨んだ「ナウシカ」、原作漫画が連載中で、高校生あたりのアニメファンのあいだではそこそこ知られていて、映画としてもなんとかそれなりにヒット、「ラピュタ」「トトロ」はオリジナルストーリーで対象年齢が小学生、ナウシカファンがそのまま雪崩れ込むにはちょっと物語が単純で物足りなかったのか、ターゲット層には知名度という点で弱かったのか、大ヒットとはならず、ただ出来が良かったのでTVやビデオソフトによって見直され、徐々にジブリブランドの知名度は上がり、「魔女の宅急便」でついにブレイク! 時代とタイミング、そしてターゲットがマッチし、それまでの2作品より興収が3倍強UPの大ヒット!となります。
こうなれば(しめたもの)、「ジブリ作品」というだけで客は入り、創る作品、創る作品、ヒット連発!! もはや作品の内容なんて関係ない..(世間一般では宮崎駿と高畑勲の作品の区別がつく人はごく少数ですから..)
何が言いたいかというと、作品の良し悪しは、映画の興収にはあまり関係がない!ってことです。映画がヒットするしないは、「知名度」 「認知度」 による要因が大、ってことですね。(たまに例外はありますけど..)
「興収が良い = 名作 (秀作)」 とは限らない、っていうのは映画ファンの間では公然たる事実ですから..
◆対象年齢が作品を左右する◆
では、作品の出来不出来について話を移します。
私はアニメはその作品のターゲット、対象年齢が作品の内容を決定づける大きな要因だと思っています。(今さらですが)
前述のように、私は脚本、物語のレベルをとても重視してその作品を見ています。「ラピュタ」「トトロ」「豚」「ポニョ」「ホームズ」といった作品は、完成度が高くよくできているんですが、所詮小学生・幼稚園児が対象ですから、物語が単純だったり、浅かったり、物足りなかったり、と感じるのは当然だと思います。それは、宮崎駿がわざと物語のレベルを落とし、子供たちが理解しやすいように、シンプルに複雑にならないように作品創りを心がけているからだと思います。伏線を張るとか、含みのある言動(台詞)とか、作品にメッセージを込めるとか、そういったことはすべて封印しているのだと思います。その“対象年齢”という封印を解いたとき、ある意味とんでもない、奇想天外な、はじけた作品を創ってしまうのだと思います。
いい例が、漫画「ナウシカ」です。とてもレベルが高いです。映画「ナウシカ」を1とすると漫画「ナウシカ」はその10倍物語は深く、後半はかなり哲学的になり、とても難解なストーリーに変貌します。「ついて来れない奴は、ついてこなくていい!」って感じで描きたいことを描きなぐっています。(私は大好きですけど) 物語のレベルが高すぎて宮崎駿のポテンシャルの高さに、ついつい唸ってしまいます。頭の中はどうなっているのだろう..って恐ろしくなることがあります。
さらに、(1990年)漫画「飛行艇時代」も、短編ながらなかなか面白く単純なのに良くできています。(2009年)漫画「風立ちぬ」は最近購入して読みました。(私的には漫画の方が物語の流れが分かりやすく、しっくり頭に入ってきます、説得力、納得感は、残念ながら映画より断然上でした..) この2作は、月刊模型雑誌(モデルグラフィックス)の中で連載されていたものなので、明らかに大人の成人男性向けに描かれたものです。子供向けのアニメとはまったく違う演出手法、段違いの情報量の多さとマニアックさが特徴です。
漫画の場合、仮に売れなくても映画のような金銭面での大きな損失(リスク)はないので..自由度が全然違いますね~(安彦良和などはアニメ界を干され漫画家に転身した後は、大人向けの良質な作品をたくさん描いています..)映画のような何億という大金が動かないので、のびのびと好きなことを好きなだけ描いているのが手に取るように分かります。
それから、ルパンシリーズ 「カリ城」「アルバトロス」「さらば愛しき」、中高生(男子)向けにもかかわらず、大人の目も意識した、レベルの高い細かい演出、伏線、リアルな描写、センスのイイ作画、なによりサービス精神全開!で、創られています。(宮崎駿の才能はとどまるところを知りません)大人が見ても十分に楽しめる、その完成度の高さレベルの高さは、言うまでもなく誰もが認める名作です!
(作画のことを少しだけ言わせてもらうと、アニメーション制作をちょっとでもかじったことがある人なら(志望も含む)、その巧みさは理解していると思います、本当に 上手い! テクニックがすごい! 唸ります! 今見ても色あせてない、っていうのが すばらし~い!)
◆「コナン」ってすごい!◆
ここで注目すべきは、「未来少年コナン」です。
対象年齢は小学生(男子)、作品の立ち位置としては、家族みんなで楽しく見ることができる子供向けアニメ、「アルプスの少女ハイジ」と同列くらいでしょうか。(ジャンルはSF冒険活劇)
本題に入りますが、何がすごい!かって言うと、私が「子供向け作品は物語が単純で捻りも何にもない、大の大人が真剣に見るもんじゃない」って、今までさんざん言ってきた理屈に、まったく当てはまらない、ってことです。子供向けアニメなのに、大の大人が見ても、見るに十分耐え得るクオリティの高さ! 絵を見て、いかにも子供向け、って敬遠する方もいると思います..それは浅はかというもの、物語は全編手抜きはなく、起承転結がしっかりしてて、山あり谷あり、いろんなエピソードが次から次へと目白押し、アクションあり、メカあり、SFあり、コテコテのヒューマンドラマあり、悪人あり、小悪党あり、人間群像あり..よくぞここまで詰め込んだって感じです。序盤~、中盤~、終盤、クライマックス、結末、オチ、にいたるまで、目が離せない..(中だるみ一切なし)さらに作画は、動く動く止まっているシーンはほとんどなく、「アニメは動いてなんぼ!!」 っていう宮崎駿のポリシーそのもの、TV連続アニメの常識を覆すセル画枚数に(←当時のTVアニメ基準)、綿密な画面構成、人物と背景(美術)の一体感、どれ一つとっても、一級品!
これは何なんでしょう! どうしてこんなアニメが創れたのでしょうか?
う~ん、一つ言えるのは、2時間前後の映画と比べ尺が圧倒的に長いことですね。物語の背景や登場人物のバックボーンなど、深く丁寧に描くことができます。それは作品にとってすごく有利に働き、面白さは倍増し見ている者を惹きつけ、メッセージを込めるにも優位です。もう一つ、宮崎駿自身のモチベーションの高さもあるでしょうか、裏方とも言える今までの作画作業とは違い、演出家(監督)としてのデビュー作ですから、テンションが上がらないわけがない!年齢も脂がのりきった30代、頭はキレっキレっでアイデアが溢れ出てきていたのでは..そして、必然というか、運命というか、宮崎駿に(アニメの神様が降りてきて)..ミラクル!が起こり、名作誕生! となったのかもしれません。
後に、とても良い環境・条件とは言えない中、「カリ城」でも、ミラクル!を起こします。
◆最後だから、創りたいものを創る!◆
返信削除賛否両論の「もののけ姫」、古くからのファンもガッカリした人は少なくないと思います。
この作品で引退する!って宣言して、「アニメは子供たちのもの」という封印を解き、対象年齢を一気に高校生くらいまで上げ、本人は大まじめに「世界を変えてやる」、というくらいの意気込みで創った作品です。しかし結果は、大風呂敷を広げるだけ広げて、最後包みきれなかった..っていうのが実情だと思います。(絵コンテを完成させないまま映画制作に入り映画を創りながら並行して絵コンテを仕上げていく、という宮崎流制作術の弊害だと思います) 最後はタイムリミットに追われ追い込まれ、年齢的なものもあり、絞り出してもなかなか出てこない..最後までミラクルは起きず、あんなラスト(支離滅裂で物語破綻)になったのでは..と想像してしまいます。
そもそも創り手が創りたい物を自由に創ると、こうなる..という見本ですね。(晩年の黒澤明しかり、高畑勲しかり)
◆原点回帰◆
最後と言ってから4年、「となりの山田くん」で高畑勲が大コケにコケ、ジブリでは宮崎駿にもう一発当ててもらいたい..っていう気運が高まり(大人の事情ってやつですね)、本人もやる気になり創ったのが「千と千尋」。(←あくまでも私の勝手な想像です) 今度は「もののけ」とは心機一転、原点回帰! 対象年齢を小学生(女子)に戻して創った作品です。
「もののけ」の後だったので、期待と不安が入り交じりスクリーンを前にして、すごく心配したのをよく覚えています。ふたを開けてみると、いやいや、心配は吹っ飛び、最初から最後まで堪能することができました。ストーリー展開、登場人物、世界観、圧倒的な創造力と存在感、この奇想天外な斬新さは、宮崎駿にしか創れない..やはり天才だ、と唸りました~
八百万の神の湯治場って、誰が思いつくでしょうか..キリスト教圏の欧米ではあり得ない物語ですね、逆にこの日本らしさが海外にもウケたんだと思います。
◆「ハウル」で思ったこと◆
対象年齢は、小中高(女子)ですね~ 一応恋愛ものですから。物語の本筋は難解です。でも表面だけを捉えて見れば小学生でも楽しめる作品になっています。最初は内容を理解できませんでした。何度か見るうちに、なんとなくストーリーだけは理解できたかなってレベルです。(今でも) この手の作品、特に男女の恋、は宮崎駿には無理なんだと思います。苦手な分野なんだな~って改めて認識しました。「コクリコ坂から」もそうです、宮崎駿じゃないと創れない、っていう物語ではないです。宮崎駿より上手く創れる監督はいくらでもいます。手を出してはいけないジャンルだったのです。
◆「ポニョ」はファンタジー◆
対象年齢を前作からガックっと下げた幼稚園児向けの作品です。手描きにこだわり頑張ったのは良かったのですが、物語として、なんじゃこりゃ、大人が見るものじゃ~ないな、って思ったのが最初の印象です。何を伝えたかったのか理解したくて、何度か見ました。
すると、“ファンタジー”なんですね~(今さらですが) この作品はファンタジーなんだ、って腑に落ちた瞬間、気が楽になりました。監督には深~い意味があったとしても、それを無理して汲み取る必要はない..見ている人が自由に解釈すればいい、って、今ではそう思うようにしています。
◆これが最後の作品◆
「風立ちぬ」の対象年齢は、明らかに大人をターゲットにしています。また封印を解いちゃいました。映画としての評価は、ヒラサカさんとは真逆になります。
まったく萌えませんでした..というより、物語そのものに疑問を抱きました。物語として中途半端、飛行機作りがメインなのか、菜穂子とのラブストーリがメインなのか、しかも物語が強引で無理矢理すぎるのです。企画段階での話です、堀越二郎の物語と、堀辰雄の小説「風立ちぬ」を基にした物語と、どちらを映画にしようかと悩んでいた宮崎駿に、鈴ピーが一言 「一緒にすればいいんじゃない」 と言ったらしい..すると、それが良い、と宮崎駿は納得、映画「風立ちぬ」が生まれたそうです。
私としては、二つの物語を一緒にしたことで、物語としてのまとまりがなく、エピソードがいろんな方向にちらかった感じがして、鈴ピーも余計なことをしてくれたな~ってほんと恨んでいます。
なんと言っても日本が誇る「零戦」を作った堀越二郎の物語ですから、男としては、いろんなことを想像してしまい、否が応でも期待が膨らんでしまうのは必定、そこへあの内容ですから..肩すかしを食らったも同然です。私は、菜穂子を中心にした物語でも全然OKだったのです。どちらか一方で物語を創ってほしかった..そう思っています。
◆鈴木Pの功績◆
鈴ピーの功績は、敬意を表するに値し何も異論はありません。宮崎駿と高畑勲を今のポジションに押し上げたのは、まぎれもなく鈴ピーですから。鈴ピーが二人に出会った当時、アニメを創るのは得意でも、それを売り込むのは苦手、売り込む気さえないくらい無頓着..良いものさえ創ってれば、必ず売れる!見ている人は見ている、っていう職人気質。その二人を上手くサポートしプロデューサーとして奮闘..その手腕は今のジブリを見れば一目瞭然!です。
◆鈴木Pの力◆
ヒラサカさんは、宮崎駿作品の作風について、鈴ピーが深く関わっている、とおっしゃっていますが、私はそうだと思いません。なぜなら、宮崎駿作品のプロデュースはしても、作品の肝であるストーリー構成や脚本を思いどおりできるほど、鈴ピーには力はありません。
宮崎駿がジブリで創った「ラピュタ」以降の作品は、すべて宮崎駿が創りたいと思い、自分で考え自分の意思で創ったのだと思います。
そもそも、鈴ピーがコントロールできるような“タマ”じゃないですから、宮崎駿は、、
企画前の段階でアドバイスくらいはすると思いますが、一旦映画の構想が始まってしまえば、監督におまかせ!っていうスタイルのはずです。
◆鈴木Pに思うこと◆
鈴ピーにガッカリさせられたのは、宮崎家の世襲問題です。何のことかと言うと、宮崎吾朗に「ゲド戦記」を創らせたことです。
あの脚本(絵コンテ)で、よく映画を創らせたなぁ~って思います。鈴ピーの映画を見る目、センスの無さに愕然としました。本人に「あんた本当に映画のプロなん?」って聞きたかったです。ジブリの看板しょって、あのどうしようもない駄作を世に出したのは、ジブリ最大の汚点です!!
映画制作を決定したときは、宮崎駿が相当怒ってたし、映画公開後は、原作ファンは 「よくも泥を塗ってくれたな!」、原作者は 「ダマされた!」、ってさんざんな評価..
宮崎駿のバイブル「ゲド戦記(原作)」とは似ても似つかない内容だそうです。(私は未読ですけど) 鈴ピーは、なんとか早く宮崎駿の後継者を育てたいっていう思いがそうさせたんだろうけど、素人に、監督、脚本、演出、が務まるほど、アニメは甘くはない!
私が思うに、鈴ピーが「アニメージュ」を立ち上げたとき、まったくの未知数だった若手たちを起用し(そうするしかなかったらしい)、それが大当たりして上手くいった“成功体験”から、新人監督 宮崎吾朗、が誕生したのだと思います。(100歩ゆずって吾朗に才能があったとしても、下積みや経験って大事でしょ~ 鈴ピー、雑誌創刊とはわけが違うぞー!ナメんなー!怒)
◆宮崎駿の作風の軌跡◆
返信削除ヒラサカさんは、男性向け、男のリビドーで創った作品は良い作品だが→ 興収が悪い..
男性向け、男のリビドーを封印し、女性・子供向けに創った作品は凡作だが→ 興収は良い..
とおっしゃっていますが、それは一理あると思います。
ただ、その見解はちょっと乱暴すぎるかな~って思います。
アニメ映画の配収を比べてみます。
1974 ヤマト 9.0億
1978 さらばヤマト 21.2億
1978 ルパン 9.2億
1979 999 16.5億
1979 カリ城 3.5億
1984 ナウシカ 7.4億
1986 ラピュタ 5.8億
1988 トトロ 5.9億
1989 宅急便 21.5億
1992 紅の豚 28.0億
1997 もののけ 113.0億
1999 (山田くん) 8.2億
映画界や作家界で言われているのは、良いものが売れるんじゃなくて、“人気者が売れる”、だそうです。簡単に言えば、「知名度」 と 「認知度」 で売上げが決まってしまうってことです。上の配収を見るとうなずけます。TV再放送で火がつき話題となった「ヤマト」、それに乗っかり映画公開で大ブーム!に、そして続編が続けて大ヒット!(明らかに収益がジャンプUP) 翌年、ヤマトで火が着いたSFアニメブームにまたまた乗っかり、(主人公の年齢まで上げて)中高生向けに制作した「999」が大ヒット! TVで人気だった赤ジャケルパンの映画化第1弾!(VS複製人間)、TVより対象年齢を上げて大人向けに創った結果、幅広い層にウケ好成績!
そして「前作をしのげないのなら2作目を作る意味がない」と、(自信満々で)登場したのは 「カリ城」! SFでもなければ、赤ジャケでもない、当時こう思われていたのでは 「ん、緑ジャケ? 古い城が舞台で悪い奴からお姫様救うって、今さら?」 (映画のポスターもダサダサ)..使い古された物語に王道といえども世間のブームに逆行..冷静に考えれば当たるはずがない..見た人は大満足!でも一部の人にしか見てもらえず..結果は惨敗、完全に乗り遅れてしまった「カリ城」..って構図です。
宮崎駿が再起をかけて臨んだ「ナウシカ」、原作漫画が連載中で、高校生あたりのアニメファンのあいだではそこそこ知られていて、映画としてもなんとかそれなりにヒット、「ラピュタ」「トトロ」はオリジナルストーリーで対象年齢が小学生、ナウシカファンがそのまま雪崩れ込むにはちょっと物語が単純で物足りなかったのか、ターゲット層には知名度という点で弱かったのか、大ヒットとはならず、ただ出来が良かったのでTVやビデオソフトによって見直され、徐々にジブリブランドの知名度は上がり、「魔女の宅急便」でついにブレイク! 時代とタイミング、そしてターゲットがマッチし、それまでの2作品より興収が3倍強UPの大ヒット!となります。
こうなれば(しめたもの)、「ジブリ作品」というだけで客は入り、創る作品、創る作品、ヒット連発!! もはや作品の内容なんて関係ない..(世間一般では宮崎駿と高畑勲の作品の区別がつく人はごく少数ですから..)
何が言いたいかというと、作品の良し悪しは、映画の興収にはあまり関係がない!ってことです。映画がヒットするしないは、「知名度」 「認知度」 による要因が大、ってことですね。(たまに例外はありますけど..)
「興収が良い = 名作 (秀作)」 とは限らない、っていうのは映画ファンの間では公然たる事実ですから..
◆対象年齢が作品を左右する◆
では、作品の出来不出来について話を移します。
私はアニメはその作品のターゲット、対象年齢が作品の内容を決定づける大きな要因だと思っています。(今さらですが)
前述のように、私は脚本、物語のレベルをとても重視してその作品を見ています。「ラピュタ」「トトロ」「豚」「ポニョ」「ホームズ」といった作品は、完成度が高くよくできているんですが、所詮小学生・幼稚園児が対象ですから、物語が単純だったり、浅かったり、物足りなかったり、と感じるのは当然だと思います。それは、宮崎駿がわざと物語のレベルを落とし、子供たちが理解しやすいように、シンプルに複雑にならないように作品創りを心がけているからだと思います。伏線を張るとか、含みのある言動(台詞)とか、作品にメッセージを込めるとか、そういったことはすべて封印しているのだと思います。その“対象年齢”という封印を解いたとき、ある意味とんでもない、奇想天外な、はじけた作品を創ってしまうのだと思います。
いい例が、漫画「ナウシカ」です。とてもレベルが高いです。映画「ナウシカ」を1とすると漫画「ナウシカ」はその10倍物語は深く、後半はかなり哲学的になり、とても難解なストーリーに変貌します。「ついて来れない奴は、ついてこなくていい!」って感じで描きたいことを描きなぐっています。(私は大好きですけど) 物語のレベルが高すぎて宮崎駿のポテンシャルの高さに、ついつい唸ってしまいます。頭の中はどうなっているのだろう..って恐ろしくなることがあります。
さらに、(1990年)漫画「飛行艇時代」も、短編ながらなかなか面白く単純なのに良くできています。(2009年)漫画「風立ちぬ」は最近購入して読みました。(私的には漫画の方が物語の流れが分かりやすく、しっくり頭に入ってきます、説得力、納得感は、残念ながら映画より断然上でした..) この2作は、月刊模型雑誌(モデルグラフィックス)の中で連載されていたものなので、明らかに大人の成人男性向けに描かれたものです。子供向けのアニメとはまったく違う演出手法、段違いの情報量の多さとマニアックさが特徴です。
漫画の場合、仮に売れなくても映画のような金銭面での大きな損失(リスク)はないので..自由度が全然違いますね~(安彦良和などはアニメ界を干され漫画家に転身した後は、大人向けの良質な作品をたくさん描いています..)映画のような何億という大金が動かないので、のびのびと好きなことを好きなだけ描いているのが手に取るように分かります。
それから、ルパンシリーズ 「カリ城」「アルバトロス」「さらば愛しき」、中高生(男子)向けにもかかわらず、大人の目も意識した、レベルの高い細かい演出、伏線、リアルな描写、センスのイイ作画、なによりサービス精神全開!で、創られています。(宮崎駿の才能はとどまるところを知りません)大人が見ても十分に楽しめる、その完成度の高さレベルの高さは、言うまでもなく誰もが認める名作です!
(作画のことを少しだけ言わせてもらうと、アニメーション制作をちょっとでもかじったことがある人なら(志望も含む)、その巧みさは理解していると思います、本当に 上手い! テクニックがすごい! 唸ります! 今見ても色あせてない、っていうのが すばらし~い!)
◆「コナン」ってすごい!◆
ここで注目すべきは、「未来少年コナン」です。
対象年齢は小学生(男子)、作品の立ち位置としては、家族みんなで楽しく見ることができる子供向けアニメ、「アルプスの少女ハイジ」と同列くらいでしょうか。(ジャンルはSF冒険活劇)
本題に入りますが、何がすごい!かって言うと、私が「子供向け作品は物語が単純で捻りも何にもない、大の大人が真剣に見るもんじゃない」って、今までさんざん言ってきた理屈に、まったく当てはまらない、ってことです。子供向けアニメなのに、大の大人が見ても、見るに十分耐え得るクオリティの高さ! 絵を見て、いかにも子供向け、って敬遠する方もいると思います..それは浅はかというもの、物語は全編手抜きはなく、起承転結がしっかりしてて、山あり谷あり、いろんなエピソードが次から次へと目白押し、アクションあり、メカあり、SFあり、コテコテのヒューマンドラマあり、悪人あり、小悪党あり、人間群像あり..よくぞここまで詰め込んだって感じです。序盤~、中盤~、終盤、クライマックス、結末、オチ、にいたるまで、目が離せない..(中だるみ一切なし)さらに作画は、動く動く止まっているシーンはほとんどなく、「アニメは動いてなんぼ!!」 っていう宮崎駿のポリシーそのもの、TV連続アニメの常識を覆すセル画枚数に(←当時のTVアニメ基準)、綿密な画面構成、人物と背景(美術)の一体感、どれ一つとっても、一級品!
これは何なんでしょう! どうしてこんなアニメが創れたのでしょうか?
う~ん、一つ言えるのは、2時間前後の映画と比べ尺が圧倒的に長いことですね。物語の背景や登場人物のバックボーンなど、深く丁寧に描くことができます。それは作品にとってすごく有利に働き、面白さは倍増し見ている者を惹きつけ、メッセージを込めるにも優位です。もう一つ、宮崎駿自身のモチベーションの高さもあるでしょうか、裏方とも言える今までの作画作業とは違い、演出家(監督)としてのデビュー作ですから、テンションが上がらないわけがない!年齢も脂がのりきった30代、頭はキレっキレっでアイデアが溢れ出てきていたのでは..そして、必然というか、運命というか、宮崎駿に(アニメの神様が降りてきて)..ミラクル!が起こり、名作誕生! となったのかもしれません。
後に、とても良い環境・条件とは言えない中、「カリ城」でも、ミラクル!を起こします。
◆最後だから、創りたいものを創る!◆
返信削除賛否両論の「もののけ姫」、古くからのファンもガッカリした人は少なくないと思います。
この作品で引退する!って宣言して、「アニメは子供たちのもの」という封印を解き、対象年齢を一気に高校生くらいまで上げ、本人は大まじめに「世界を変えてやる」、というくらいの意気込みで創った作品です。しかし結果は、大風呂敷を広げるだけ広げて、最後包みきれなかった..っていうのが実情だと思います。(絵コンテを完成させないまま映画制作に入り映画を創りながら並行して絵コンテを仕上げていく、という宮崎流制作術の弊害だと思います) 最後はタイムリミットに追われ追い込まれ、年齢的なものもあり、絞り出してもなかなか出てこない..最後までミラクルは起きず、あんなラスト(支離滅裂で物語破綻)になったのでは..と想像してしまいます。
そもそも創り手が創りたい物を自由に創ると、こうなる..という見本ですね。(晩年の黒澤明しかり、高畑勲しかり)
◆原点回帰◆
最後と言ってから4年、「となりの山田くん」で高畑勲が大コケにコケ、ジブリでは宮崎駿にもう一発当ててもらいたい..っていう気運が高まり(大人の事情ってやつですね)、本人もやる気になり創ったのが「千と千尋」。(←あくまでも私の勝手な想像です) 今度は「もののけ」とは心機一転、原点回帰! 対象年齢を小学生(女子)に戻して創った作品です。
「もののけ」の後だったので、期待と不安が入り交じりスクリーンを前にして、すごく心配したのをよく覚えています。ふたを開けてみると、いやいや、心配は吹っ飛び、最初から最後まで堪能することができました。ストーリー展開、登場人物、世界観、圧倒的な創造力と存在感、この奇想天外な斬新さは、宮崎駿にしか創れない..やはり天才だ、と唸りました~
八百万の神の湯治場って、誰が思いつくでしょうか..キリスト教圏の欧米ではあり得ない物語ですね、逆にこの日本らしさが海外にもウケたんだと思います。
◆「ハウル」で思ったこと◆
対象年齢は、小中高(女子)ですね~ 一応恋愛ものですから。物語の本筋は難解です。でも表面だけを捉えて見れば小学生でも楽しめる作品になっています。最初は内容を理解できませんでした。何度か見るうちに、なんとなくストーリーだけは理解できたかなってレベルです。(今でも) この手の作品、特に男女の恋、は宮崎駿には無理なんだと思います。苦手な分野なんだな~って改めて認識しました。「コクリコ坂から」もそうです、宮崎駿じゃないと創れない、っていう物語ではないです。宮崎駿より上手く創れる監督はいくらでもいます。手を出してはいけないジャンルだったのです。
◆「ポニョ」はファンタジー◆
対象年齢を前作からガックっと下げた幼稚園児向けの作品です。手描きにこだわり頑張ったのは良かったのですが、物語として、なんじゃこりゃ、大人が見るものじゃ~ないな、って思ったのが最初の印象です。何を伝えたかったのか理解したくて、何度か見ました。
すると、“ファンタジー”なんですね~(今さらですが) この作品はファンタジーなんだ、って腑に落ちた瞬間、気が楽になりました。監督には深~い意味があったとしても、それを無理して汲み取る必要はない..見ている人が自由に解釈すればいい、って、今ではそう思うようにしています。
◆これが最後の作品◆
「風立ちぬ」の対象年齢は、明らかに大人をターゲットにしています。また封印を解いちゃいました。映画としての評価は、ヒラサカさんとは真逆になります。
まったく萌えませんでした..というより、物語そのものに疑問を抱きました。物語として中途半端、飛行機作りがメインなのか、菜穂子とのラブストーリがメインなのか、しかも物語が強引で無理矢理すぎるのです。企画段階での話です、堀越二郎の物語と、堀辰雄の小説「風立ちぬ」を基にした物語と、どちらを映画にしようかと悩んでいた宮崎駿に、鈴ピーが一言 「一緒にすればいいんじゃない」 と言ったらしい..すると、それが良い、と宮崎駿は納得、映画「風立ちぬ」が生まれたそうです。
私としては、二つの物語を一緒にしたことで、物語としてのまとまりがなく、エピソードがいろんな方向にちらかった感じがして、鈴ピーも余計なことをしてくれたな~ってほんと恨んでいます。
なんと言っても日本が誇る「零戦」を作った堀越二郎の物語ですから、男としては、いろんなことを想像してしまい、否が応でも期待が膨らんでしまうのは必定、そこへあの内容ですから..肩すかしを食らったも同然です。私は、菜穂子を中心にした物語でも全然OKだったのです。どちらか一方で物語を創ってほしかった..そう思っています。
◆鈴木Pの功績◆
鈴ピーの功績は、敬意を表するに値し何も異論はありません。宮崎駿と高畑勲を今のポジションに押し上げたのは、まぎれもなく鈴ピーですから。鈴ピーが二人に出会った当時、アニメを創るのは得意でも、それを売り込むのは苦手、売り込む気さえないくらい無頓着..良いものさえ創ってれば、必ず売れる!見ている人は見ている、っていう職人気質。その二人を上手くサポートしプロデューサーとして奮闘..その手腕は今のジブリを見れば一目瞭然!です。
◆鈴木Pの力◆
ヒラサカさんは、宮崎駿作品の作風について、鈴ピーが深く関わっている、とおっしゃっていますが、私はそうだと思いません。なぜなら、宮崎駿作品のプロデュースはしても、作品の肝であるストーリー構成や脚本を思いどおりできるほど、鈴ピーには力はありません。
宮崎駿がジブリで創った「ラピュタ」以降の作品は、すべて宮崎駿が創りたいと思い、自分で考え自分の意思で創ったのだと思います。
そもそも、鈴ピーがコントロールできるような“タマ”じゃないですから、宮崎駿は、、
企画前の段階でアドバイスくらいはすると思いますが、一旦映画の構想が始まってしまえば、監督におまかせ!っていうスタイルのはずです。
◆鈴木Pに思うこと◆
鈴ピーにガッカリさせられたのは、宮崎家の世襲問題です。何のことかと言うと、宮崎吾朗に「ゲド戦記」を創らせたことです。
あの脚本(絵コンテ)で、よく映画を創らせたなぁ~って思います。鈴ピーの映画を見る目、センスの無さに愕然としました。本人に「あんた本当に映画のプロなん?」って聞きたかったです。ジブリの看板しょって、あのどうしようもない駄作を世に出したのは、ジブリ最大の汚点です!!
映画制作を決定したときは、宮崎駿が相当怒ってたし、映画公開後は、原作ファンは 「よくも泥を塗ってくれたな!」、原作者は 「ダマされた!」、ってさんざんな評価..
宮崎駿のバイブル「ゲド戦記(原作)」とは似ても似つかない内容だそうです。(私は未読ですけど) 鈴ピーは、なんとか早く宮崎駿の後継者を育てたいっていう思いがそうさせたんだろうけど、素人に、監督、脚本、演出、が務まるほど、アニメは甘くはない!
私が思うに、鈴ピーが「アニメージュ」を立ち上げたとき、まったくの未知数だった若手たちを起用し(そうするしかなかったらしい)、それが大当たりして上手くいった“成功体験”から、新人監督 宮崎吾朗、が誕生したのだと思います。(100歩ゆずって吾朗に才能があったとしても、下積みや経験って大事でしょ~ 鈴ピー、雑誌創刊とはわけが違うぞー!ナメんなー!怒)
◆最後だから、創りたいものを創る!◆
返信削除賛否両論の「もののけ姫」、古くからのファンもガッカリした人は少なくないと思います。
この作品で引退する!って宣言して、「アニメは子供たちのもの」という封印を解き、対象年齢を一気に高校生くらいまで上げ、本人は大まじめに「世界を変えてやる」、というくらいの意気込みで創った作品です。しかし結果は、大風呂敷を広げるだけ広げて、最後包みきれなかった..っていうのが実情だと思います。(絵コンテを完成させないまま映画制作に入り映画を創りながら並行して絵コンテを仕上げていく、という宮崎流制作術の弊害だと思います) 最後はタイムリミットに追われ追い込まれ、年齢的なものもあり、絞り出してもなかなか出てこない..最後までミラクルは起きず、あんなラスト(支離滅裂で物語破綻)になったのでは..と想像してしまいます。
そもそも創り手が創りたい物を自由に創ると、こうなる..という見本ですね。(晩年の黒澤明しかり、高畑勲しかり)
◆原点回帰◆
最後と言ってから4年、「となりの山田くん」で高畑勲が大コケにコケ、ジブリでは宮崎駿にもう一発当ててもらいたい..っていう気運が高まり(大人の事情ってやつですね)、本人もやる気になり創ったのが「千と千尋」。(←あくまでも私の勝手な想像です) 今度は「もののけ」とは心機一転、原点回帰! 対象年齢を小学生(女子)に戻して創った作品です。
「もののけ」の後だったので、期待と不安が入り交じりスクリーンを前にして、すごく心配したのをよく覚えています。ふたを開けてみると、いやいや、心配は吹っ飛び、最初から最後まで堪能することができました。ストーリー展開、登場人物、世界観、圧倒的な創造力と存在感、この奇想天外な斬新さは、宮崎駿にしか創れない..やはり天才だ、と唸りました~
八百万の神の湯治場って、誰が思いつくでしょうか..キリスト教圏の欧米ではあり得ない物語ですね、逆にこの日本らしさが海外にもウケたんだと思います。
◆「ハウル」で思ったこと◆
対象年齢は、小中高(女子)ですね~ 一応恋愛ものですから。物語の本筋は難解です。でも表面だけを捉えて見れば小学生でも楽しめる作品になっています。最初は内容を理解できませんでした。何度か見るうちに、なんとなくストーリーだけは理解できたかなってレベルです。(今でも) この手の作品、特に男女の恋、は宮崎駿には無理なんだと思います。苦手な分野なんだな~って改めて認識しました。「コクリコ坂から」もそうです、宮崎駿じゃないと創れない、っていう物語ではないです。宮崎駿より上手く創れる監督はいくらでもいます。手を出してはいけないジャンルだったのです。
◆「ポニョ」はファンタジー◆
対象年齢を前作からガックっと下げた幼稚園児向けの作品です。手描きにこだわり頑張ったのは良かったのですが、物語として、なんじゃこりゃ、大人が見るものじゃ~ないな、って思ったのが最初の印象です。何を伝えたかったのか理解したくて、何度か見ました。
すると、“ファンタジー”なんですね~(今さらですが) この作品はファンタジーなんだ、って腑に落ちた瞬間、気が楽になりました。監督には深~い意味があったとしても、それを無理して汲み取る必要はない..見ている人が自由に解釈すればいい、って、今ではそう思うようにしています。
◆これが最後の作品◆
「風立ちぬ」の対象年齢は、明らかに大人をターゲットにしています。また封印を解いちゃいました。映画としての評価は、ヒラサカさんとは真逆になります。
まったく萌えませんでした..というより、物語そのものに疑問を抱きました。物語として中途半端、飛行機作りがメインなのか、菜穂子とのラブストーリがメインなのか、しかも物語が強引で無理矢理すぎるのです。企画段階での話です、堀越二郎の物語と、堀辰雄の小説「風立ちぬ」を基にした物語と、どちらを映画にしようかと悩んでいた宮崎駿に、鈴ピーが一言 「一緒にすればいいんじゃない」 と言ったらしい..すると、それが良い、と宮崎駿は納得、映画「風立ちぬ」が生まれたそうです。
私としては、二つの物語を一緒にしたことで、物語としてのまとまりがなく、エピソードがいろんな方向にちらかった感じがして、鈴ピーも余計なことをしてくれたな~ってほんと恨んでいます。
なんと言っても日本が誇る「零戦」を作った堀越二郎の物語ですから、男としては、いろんなことを想像してしまい、否が応でも期待が膨らんでしまうのは必定、そこへあの内容ですから..肩すかしを食らったも同然です。私は、菜穂子を中心にした物語でも全然OKだったのです。どちらか一方で物語を創ってほしかった..そう思っています。
◆鈴木Pの功績◆
鈴ピーの功績は、敬意を表するに値し何も異論はありません。宮崎駿と高畑勲を今のポジションに押し上げたのは、まぎれもなく鈴ピーですから。鈴ピーが二人に出会った当時、アニメを創るのは得意でも、それを売り込むのは苦手、売り込む気さえないくらい無頓着..良いものさえ創ってれば、必ず売れる!見ている人は見ている、っていう職人気質。その二人を上手くサポートしプロデューサーとして奮闘..その手腕は今のジブリを見れば一目瞭然!です。
◆鈴木Pの力◆
ヒラサカさんは、宮崎駿作品の作風について、鈴ピーが深く関わっている、とおっしゃっていますが、私はそうだと思いません。なぜなら、宮崎駿作品のプロデュースはしても、作品の肝であるストーリー構成や脚本を思いどおりできるほど、鈴ピーには力はありません。
宮崎駿がジブリで創った「ラピュタ」以降の作品は、すべて宮崎駿が創りたいと思い、自分で考え自分の意思で創ったのだと思います。
そもそも、鈴ピーがコントロールできるような“タマ”じゃないですから、宮崎駿は、、
企画前の段階でアドバイスくらいはすると思いますが、一旦映画の構想が始まってしまえば、監督におまかせ!っていうスタイルのはずです。
◆鈴木Pに思うこと◆
鈴ピーにガッカリさせられたのは、宮崎家の世襲問題です。何のことかと言うと、宮崎吾朗に「ゲド戦記」を創らせたことです。
あの脚本(絵コンテ)で、よく映画を創らせたなぁ~って思います。鈴ピーの映画を見る目、センスの無さに愕然としました。本人に「あんた本当に映画のプロなん?」って聞きたかったです。ジブリの看板しょって、あのどうしようもない駄作を世に出したのは、ジブリ最大の汚点です!!
映画制作を決定したときは、宮崎駿が相当怒ってたし、映画公開後は、原作ファンは 「よくも泥を塗ってくれたな!」、原作者は 「ダマされた!」、ってさんざんな評価..
宮崎駿のバイブル「ゲド戦記(原作)」とは似ても似つかない内容だそうです。(私は未読ですけど) 鈴ピーは、なんとか早く宮崎駿の後継者を育てたいっていう思いがそうさせたんだろうけど、素人に、監督、脚本、演出、が務まるほど、アニメは甘くはない!
私が思うに、鈴ピーが「アニメージュ」を立ち上げたとき、まったくの未知数だった若手たちを起用し(そうするしかなかったらしい)、それが大当たりして上手くいった“成功体験”から、新人監督 宮崎吾朗、が誕生したのだと思います。(100歩ゆずって吾朗に才能があったとしても、下積みや経験って大事でしょ~ 鈴ピー、雑誌創刊とはわけが違うぞー!ナメんなー!怒)
◆宮崎駿の作風の軌跡◆
返信削除ヒラサカさんは、男性向け、男のリビドーで創った作品は良い作品だが→ 興収が悪い..
男性向け、男のリビドーを封印し、女性・子供向けに創った作品は凡作だが→ 興収は良い..
とおっしゃっていますが、それは一理あると思います。
ただ、その見解はちょっと乱暴すぎるかな~って思います。
アニメ映画の配収を比べてみます。
1974 ヤマト 9.0億
1978 さらばヤマト 21.2億
1978 ルパン 9.2億
1979 999 16.5億
1979 カリ城 3.5億
1984 ナウシカ 7.4億
1986 ラピュタ 5.8億
1988 トトロ 5.9億
1989 宅急便 21.5億
1992 紅の豚 28.0億
1997 もののけ 113.0億
1999 (山田くん) 8.2億
映画界や作家界で言われているのは、良いものが売れるんじゃなくて、“人気者が売れる”、だそうです。簡単に言えば、「知名度」 と 「認知度」 で売上げが決まってしまうってことです。上の配収を見るとうなずけます。TV再放送で火がつき話題となった「ヤマト」、それに乗っかり映画公開で大ブーム!に、そして続編が続けて大ヒット!(明らかに収益がジャンプUP) 翌年、ヤマトで火が着いたSFアニメブームにまたまた乗っかり、(主人公の年齢まで上げて)中高生向けに制作した「999」が大ヒット! TVで人気だった赤ジャケルパンの映画化第1弾!(VS複製人間)、TVより対象年齢を上げて大人向けに創った結果、幅広い層にウケ好成績!
そして「前作をしのげないのなら2作目を作る意味がない」と、(自信満々で)登場したのは 「カリ城」! SFでもなければ、赤ジャケでもない、当時こう思われていたのでは 「ん、緑ジャケ? 古い城が舞台で悪い奴からお姫様救うって、今さら?」 (映画のポスターもダサダサ)..使い古された物語に王道といえども世間のブームに逆行..冷静に考えれば当たるはずがない..見た人は大満足!でも一部の人にしか見てもらえず..結果は惨敗、完全に乗り遅れてしまった「カリ城」..って構図です。
宮崎駿が再起をかけて臨んだ「ナウシカ」、原作漫画が連載中で、高校生あたりのアニメファンのあいだではそこそこ知られていて、映画としてもなんとかそれなりにヒット、「ラピュタ」「トトロ」はオリジナルストーリーで対象年齢が小学生、ナウシカファンがそのまま雪崩れ込むにはちょっと物語が単純で物足りなかったのか、ターゲット層には知名度という点で弱かったのか、大ヒットとはならず、ただ出来が良かったのでTVやビデオソフトによって見直され、徐々にジブリブランドの知名度は上がり、「魔女の宅急便」でついにブレイク! 時代とタイミング、そしてターゲットがマッチし、それまでの2作品より興収が3倍強UPの大ヒット!となります。
こうなれば(しめたもの)、「ジブリ作品」というだけで客は入り、創る作品、創る作品、ヒット連発!! もはや作品の内容なんて関係ない..(世間一般では宮崎駿と高畑勲の作品の区別がつく人はごく少数ですから..)
何が言いたいかというと、作品の良し悪しは、映画の興収にはあまり関係がない!ってことです。映画がヒットするしないは、「知名度」 「認知度」 による要因が大、ってことですね。(たまに例外はありますけど..)
「興収が良い = 名作 (秀作)」 とは限らない、っていうのは映画ファンの間では公然たる事実ですから..
◆対象年齢が作品を左右する◆
では、作品の出来不出来について話を移します。
私はアニメはその作品のターゲット、対象年齢が作品の内容を決定づける大きな要因だと思っています。(今さらですが)
前述のように、私は脚本、物語のレベルをとても重視してその作品を見ています。「ラピュタ」「トトロ」「豚」「ポニョ」「ホームズ」といった作品は、完成度が高くよくできているんですが、所詮小学生・幼稚園児が対象ですから、物語が単純だったり、浅かったり、物足りなかったり、と感じるのは当然だと思います。それは、宮崎駿がわざと物語のレベルを落とし、子供たちが理解しやすいように、シンプルに複雑にならないように作品創りを心がけているからだと思います。伏線を張るとか、含みのある言動(台詞)とか、作品にメッセージを込めるとか、そういったことはすべて封印しているのだと思います。その“対象年齢”という封印を解いたとき、ある意味とんでもない、奇想天外な、はじけた作品を創ってしまうのだと思います。
いい例が、漫画「ナウシカ」です。とてもレベルが高いです。映画「ナウシカ」を1とすると漫画「ナウシカ」はその10倍物語は深く、後半はかなり哲学的になり、とても難解なストーリーに変貌します。「ついて来れない奴は、ついてこなくていい!」って感じで描きたいことを描きなぐっています。(私は大好きですけど) 物語のレベルが高すぎて宮崎駿のポテンシャルの高さに、ついつい唸ってしまいます。頭の中はどうなっているのだろう..って恐ろしくなることがあります。
さらに、(1990年)漫画「飛行艇時代」も、短編ながらなかなか面白く単純なのに良くできています。(2009年)漫画「風立ちぬ」は最近購入して読みました。(私的には漫画の方が物語の流れが分かりやすく、しっくり頭に入ってきます、説得力、納得感は、残念ながら映画より断然上でした..) この2作は、月刊模型雑誌(モデルグラフィックス)の中で連載されていたものなので、明らかに大人の成人男性向けに描かれたものです。子供向けのアニメとはまったく違う演出手法、段違いの情報量の多さとマニアックさが特徴です。
漫画の場合、仮に売れなくても映画のような金銭面での大きな損失(リスク)はないので..自由度が全然違いますね~(安彦良和などはアニメ界を干され漫画家に転身した後は、大人向けの良質な作品をたくさん描いています..)映画のような何億という大金が動かないので、のびのびと好きなことを好きなだけ描いているのが手に取るように分かります。
それから、ルパンシリーズ 「カリ城」「アルバトロス」「さらば愛しき」、中高生(男子)向けにもかかわらず、大人の目も意識した、レベルの高い細かい演出、伏線、リアルな描写、センスのイイ作画、なによりサービス精神全開!で、創られています。(宮崎駿の才能はとどまるところを知りません)大人が見ても十分に楽しめる、その完成度の高さレベルの高さは、言うまでもなく誰もが認める名作です!
(作画のことを少しだけ言わせてもらうと、アニメーション制作をちょっとでもかじったことがある人なら(志望も含む)、その巧みさは理解していると思います、本当に 上手い! テクニックがすごい! 唸ります! 今見ても色あせてない、っていうのが すばらし~い!)
◆「コナン」ってすごい!◆
ここで注目すべきは、「未来少年コナン」です。
対象年齢は小学生(男子)、作品の立ち位置としては、家族みんなで楽しく見ることができる子供向けアニメ、「アルプスの少女ハイジ」と同列くらいでしょうか。(ジャンルはSF冒険活劇)
本題に入りますが、何がすごい!かって言うと、私が「子供向け作品は物語が単純で捻りも何にもない、大の大人が真剣に見るもんじゃない」って、今までさんざん言ってきた理屈に、まったく当てはまらない、ってことです。子供向けアニメなのに、大の大人が見ても、見るに十分耐え得るクオリティの高さ! 絵を見て、いかにも子供向け、って敬遠する方もいると思います..それは浅はかというもの、物語は全編手抜きはなく、起承転結がしっかりしてて、山あり谷あり、いろんなエピソードが次から次へと目白押し、アクションあり、メカあり、SFあり、コテコテのヒューマンドラマあり、悪人あり、小悪党あり、人間群像あり..よくぞここまで詰め込んだって感じです。序盤~、中盤~、終盤、クライマックス、結末、オチ、にいたるまで、目が離せない..(中だるみ一切なし)さらに作画は、動く動く止まっているシーンはほとんどなく、「アニメは動いてなんぼ!!」 っていう宮崎駿のポリシーそのもの、TV連続アニメの常識を覆すセル画枚数に(←当時のTVアニメ基準)、綿密な画面構成、人物と背景(美術)の一体感、どれ一つとっても、一級品!
これは何なんでしょう! どうしてこんなアニメが創れたのでしょうか?
う~ん、一つ言えるのは、2時間前後の映画と比べ尺が圧倒的に長いことですね。物語の背景や登場人物のバックボーンなど、深く丁寧に描くことができます。それは作品にとってすごく有利に働き、面白さは倍増し見ている者を惹きつけ、メッセージを込めるにも優位です。もう一つ、宮崎駿自身のモチベーションの高さもあるでしょうか、裏方とも言える今までの作画作業とは違い、演出家(監督)としてのデビュー作ですから、テンションが上がらないわけがない!年齢も脂がのりきった30代、頭はキレっキレっでアイデアが溢れ出てきていたのでは..そして、必然というか、運命というか、宮崎駿に(アニメの神様が降りてきて)..ミラクル!が起こり、名作誕生! となったのかもしれません。
後に、とても良い環境・条件とは言えない中、「カリ城」でも、ミラクル!を起こします。
◆私の持論まとめ◆
返信削除宮崎駿は、「コナン」でミラクル!
「カリ城」で再びミラクル!
「ナウシカ」で復活するも、「子供たちのアニメを創る」と決意!子供たちのためのアニメしか創らなくなります。わざとレベルを下げて創ります。決してネタ切れ、才能が枯れた、わけではありません。「コナン」「カリ城」ファンには物足りないと感じるでしょう~。
「もののけ」で、最後だから、という理由で「子供たちの・・」という封印を解き、メッセージ性の強いものを目指し創ります、が支離滅裂で空回り..残念な結果に。
引退したものの、高畑勲が「山田くん」で大コケしたせいで、ジブリを救うべく “宮崎駿” 再び立つ! なぜか子供向けアニメに原点回帰し「千と千尋」を創ります。できたものは、とんでもなく奇想天外、驚きました。宮崎駿の才能を改めて再認識します。(60歳、まだまだ衰えなんて感じさせません)
「ハウル」は途中から難しく創っちゃいました~ でもファンタジーだと思えば気が楽になります。「ポニョ」も同じです。ファンタジーに理屈はいりません!
(ファンタジーなので女性と子供にウケるわけです、私はファンタジーアレルギーありです、きっと..)
最後の作品 「風立ちぬ」、話がちらかっててまとまりがない..漫画「風立ちぬ」の方がシンプルで良かった。よけいなものを足しすぎたんじゃないかな~ 宮崎駿の恋愛観にも疑問を感じます。(単純すぎる) そもそも、物語として魅力がなく、飛行機作りか、恋愛ものか、どちらか一方の二者択一で創ってほしかった..両方をミックスして良いとこどり..って、ちょっと無理があったのでは。
◆以上です◆
勝手な持論を長々と書き込み済みません。
ご精読、ありがとう御座いました。
どうやら、書き込みの操作がうまくいかなかったようです。
返信削除繰り返し同じ文章が登録されてしまってます。
済みません、ご容赦を・・・