2025年10月19日日曜日

婚活と静かな退職

こんにちは、婚活動画watcherのヒラサカです.

とある婚活動画で、近年の女子が好む男子のトレンドをこのように解説していました.
かつては、高年収一辺倒の男子人気だったが、
近頃はそうでもない事例が増えてきた、
高年収男子は多忙なので意味がないとバレつつある
収入はそこそこで、残業が少なく休みたいときに休める男子を選ぶ女子が増えてきた

高年収リーマンが多忙なのはかなり言えてる.
残業と出張が多い、会社都合で行動が決まってしまい、自己都合行動が無理な社畜.
自己都合行動が制約されると、育児休暇が取れないから高年収であっても意味がないわという判断をいまの女子はする、というstoryだ.

理屈は理解できるのだが、、、
わたしはリーマンから15年以上遠ざかっているので、男子の育児休暇が奨励されるような場面を見たことがない.高年収だろうが中年収だろうが、多忙でないホワイトカラー像を知らない.

と、ここまで思ったところで雑忙に紛れて本件を忘れてしまっていた。

----
先日のこと、深田萌絵たんのchに「静かな退職という働き方」の著者が出た.海老原嗣生というヒトでわたしと同じ年齢かな.

「静かな退職.....」という書籍のタイトルは知っていた.
どーせこんな感じじゃねって思って無視してた.
 心療内科医がメンヘラ間際の読者へ贈る「頑張らなくていいんだよ論」
俺ってこうゆうキモクサいstoryって嫌いなんだよね.(笑)

しかし全然そうゆう内容じゃなかったと、萌絵たんのchで知った.人事system論だった.(読んではいない)

現在の婚活女子が「共稼ぎ・共家事・共育児」を最優先で選好し、そのためなら必ずしも高年収でなくても良いとする軽く謎な事情が、海老原の人事system論で初めて腑に落ちた.

海老原は、
 ・なんで50歳でリストラされるのか
 ・なんで男子は育休を取りづらいのか
 ・なんで少子化なのか
みたいなところを人事system論で説明する.

1990年代から人事は成果主義・ジョブ型雇用などにトライして来たが全て失敗した.
給与体系と雇用条件に原因があるのにそこに取り組まないからだ.
 悪い慣行:
  窓際族でも55歳まで昇給が続く
 正しい慣行:
  業務で給料が決まる

そんなの当たり前じゃんと思ったらいけなくて、車庫証明のハンコ押すおじさんでも年収1,000万近くまで達する人事systemが実情でしょと海老原は言う.

ここで海老原の議論の対象を弁えておく必要はあるだろう.
 中堅企業以上のホワイトカラー
 正規公務員
が年功給与だと言っているのであって、
 零細企業
 庶務さん
 工場労働者
は昔から年功給与体系ではない.ヒラサカの知る場面ではそんな感じだ.

車庫証明のハンコ押す係が55歳間際で800万円900万円とる給与体系なのだから、50歳超えたらハンコ係をリストラしたくなるのは当然だと、海老原はいう.
ならばどうするか?
 「貴方は車庫証明係です.年収400万です.一生値上げしません」
という仕組みにすればイイと.
そうすれば50歳超えたらリストラとかしたくならない.なぜなら、若い非正規に入れ替えるよりも長年組織に居るおじさんを使い続ける方が便利だから.

人事systemをこう変えろと海老原は言う.
 給与体系1)転勤でも長時間労働でもなんでもする高年収リーマン
 給与体系2)転勤なし、決まったjobだけやる、給与は400万円で一生固定
現状は1だけしかない.2を創設せよ.

ここで冒頭の婚活女子のトレンドがピッタリ来る.
 収入はそこそこで、残業が少なく休みたいときに休める男子を選ぶ女子が増えてきた
この男子って謂わば給与体系2なんだよね.

加えて労働法制の変遷も給与体系2を後押しする.
男女雇用機会均等法で女子の採用枠が増え、
 →でもやっと戦力になった30代で妊娠して辞めちゃ困るので育児休暇を充実させる
 →男子社員にも育児休暇を充実させる
 →給与体系2のニーズあり
年金破綻を先延ばしするために定年65歳にしたが、
 →今後は70歳75歳まで働けるようにしてゆくだろう
 →窓際なのに年功賃金なんか維持できるわけがない
 →給与体系2を創設しないわけにはいかない

共働きが当たり前だとするならば、、、
男子も女子も給与体系1しかなければ、ハードさゆえにDINKSになるのが当然だ.
男子も女子も給与体系2で、合算で年収800万で、育児に適する世帯があったっていいじゃないか.

つまり、「静かな退職」とは「給与体系2のホワイトカラー」を指しているんだ.
メンヘラ予備軍への愛を説くキモクサい書籍ではなかった.


ヒラサカ自身は、「静かな退職」ではなくて「本物の退職」をしたんだなと我が身を振り返る.それはつまり、なんでもやります、転勤も海外赴任もなんでもします、という高年収リーマン生活を打ち切るのが目的であって、方法論が「静かに窓際に居る」か「リーマン稼業をブチ斬る」の違いだったということ.(ヒラサカは後者なのね)

ゆえに15年前に「給与体系2へ移行する宣言」をできたらわたしはリーマンを辞めなかったかもしれない.

とはいっても、失業したのは正解だったと思う.失業したから獲得できた経験値はぬるいリーマンやってるよりも2倍3倍ぐらいあったから.

かしこ

8 件のコメント:

  1. murasaki
    自分の知っている大半の会社は体系2かも〜。ただ、そこでずっとハンコを押しているような人は家でも手伝いしない人のような気がしますので、婚活の人の期待通りにはいかないような・・。

    返信削除
  2. murasaki
    自分の知っている大半の会社は体系2かも〜。ただ、そこでずっとハンコを押しているような人は家でも手伝いしない人のような気がしますので、婚活の人の期待通りにはいかないような・・。

    返信削除
    返信
    1. ソニーは体系1でした
      HPは外資なので体系2かな

      フリーライダーのラストリゾートは公務員

      むかしはよかったですね
      ハンコ屋さんでもおせっかい仲人さんが登場して結婚出来て
      年功序列で賃金が上がって

      削除
    2. murasaki
      HPは給料400万ではなさそうなので・・。
      印紙代節約のため契約書はだいたいどこも電子押印になっていそうなので、ハンコおじさんは更にヒマに。

      削除
    3. 仲人の悪魔
      結婚の悪魔
      印鑑の悪魔
      公務員の悪魔

      削除
    4. murasaki
      印鑑の悪魔は河野の悪魔に襲われて息も絶え絶えに・・

      削除
    5. 実印の悪魔しか生きとらん

      削除
  3. あれっ?久々に二重書き込み発生。

    返信削除