わたしは病的なまでにスポーツができません

完全音痴の人は、どんなに努力しても、脳神経が切れているので歌を正しく歌えません．

色盲の人は網膜のタンパク異常ですから、どんなに努力しても特定の色を知覚できません．

わたしは、運動神経がまったく発育しなかった人間、完全運痴（かんぜんうんち）なんです．

●ドッジボールのような、自分の手のひらよりも大きなボールを投げる動作って、難しくありませんか？ わたしはああいう巨大ボールを投げられません．投げる動作中に、重力に引かれたボールが掌から脱落してしまうんです．なので、わたしにとって、ドッジボールはゲームとして成立しないんです．バレーのトスなんか突き指するのでゴメンです．

●遠投ができません．軟球みたいな掌に収まるサイズのボールであっても、手の振りと手首のスナップで飛ばすことができません．わたしにとって野球・ソフトボールは成立しないんです．

●キャッチボールができません．時空間を移動するボールのベクトルに合わせて、自分のグローブを移動できないんです．だからキャッチできません．たぶん、動体視力が弱いので、脳がボールを知覚できていないんだと思います．
キャッチボールで思い出したんですが、世間の父親的には息子とキャッチボールするのが幸福なんですって？ へ～っそうなんだ．何が面白いんですか？

●フライを取れません．フライが上がると、空とボールがアニメの背景のように１枚の絵に見えてしまうので、ボールの着弾点と着弾時刻を想定できません．

●野球大会でど顰蹙をかったことがありました．ソニーマグネスケールの野球大会があって、そのときわたしは親睦委員でした．体育会系出身者が多い部署のチームが熱く闘ってるのをわたしはシラーッと観ていたのですが、審判が足りなくてわたしも３塁の審判に混ざりました．走者とボールが３塁まできて、ボールが速かったのでアウトにしたんですが、なぜだか場が凍りついています．次にアウトにされたチームが怒り出しました．わたしはなぜだかちっともわかりません．あとで知ったんですが、走者にタッチすればアウトにできるらしいです．そのほうがゲームバランスが良くなるんでしょうか？

●TVの野球放送で、ストライクのシーンとボールのシーンの見分けがつきません．まして、カーブ・シュートの差違なんかTV画面ではなにもわかりません．そもそも、カーブ・シュートの曲がる方向がどっちがどっちなのかを知りません．

●移動するボールをバットで打つなんかできるわけがありません．人生で一度だけ１塁に出塁したことがありますが、２塁を踏んだ経験はありません．

●テニスや卓球をすると、ラリーが続かずにサーブだけで終わってしまうので、ゲームが白熱しません．申し訳ない気分で退散します．

●ゴルフボールに当てることはできますが、ヘッドの打撃角度がデタラメになるのでまっすぐに飛びません．ぜんぜん面白くありません．

●走るのはのろいです．

●息継ぎができないので泳げません．首を出してする平泳ぎならできますが、２５ｍも泳げば力尽きます．

●走り高跳びの飛び方で、はさみ跳びとかベリーロールがありますけど、できません．着地は体ごとマットにドスンと落ちるしかないんです．

●シューティングゲームは全般に苦手です．ファミコンの「ドラゴンスピリット」ぐらいなら簡単でしたから連射SWでクリアできましたが．．．

●自動車教習所の試験で、反応速度を測るテストがあって、あなたは反応速度が遅いので慎重な運転を心がけましょうと診断されました．

代表的な症状はだいたいこのようになっています．人類の水準ではありえない運痴です．１０００人に一人いるかどうかという珍しさの運動できない人間です．練習すればできるとか言う人がいるんですけど、そういう実情を知らない発言は困りますなあ．

運動が異常にダメな代わりに発育したのは、器用さでした．１０００人に一人いるかどうかという異常に器用な人になりましたｗ．