わたしはシングルモルトウイスキー好きだと先日書きました.今、マッカラン12YOを飲みながら書いています.これは会社を辞めたときにもらったやつです.
昨日、信濃屋に行ったら、クライネリッシュ14YO ¥3380、ロイヤルロッホナガー12YO ¥2980 など、ひら的にはハイコストパフォーマンス銘柄が安く売られていたので買いそうになりましたが、いまはお金がないので節約のために買うのを控えました.在庫消費に努めよう.
ウイスキーの他にも蒸留酒はいろいろあります.他の蒸留酒は飲んでみてどうだったか?
結論は、味の多様性ゆえに、ウイスキーがもっともおもしろく、また旨いと思います.
味のスペクトラムが単純だという例では、バーボンが挙げられます.バーボンは、麦の他にトウモロコシを追加してUSAで作られるウイスキーですが、熟成する樽が新品のオーク樽と決められているらしいんです.なので、熟成段階で加わるフレーバーに差違が生じにくいです.だから、フォアローゼスだろうがターキーだろうが他の銘柄だろうがバーボン特有のあの甘い香りは必ずしますし、またそれ以外の個性的な香りがことさら強まる理由もないんです.なので、あの狭い味と香りのスペクトラムの中で旨さを嗅ぎ分けているバーボン好きな方はある意味エライです.egobarにあるバーボンの中には個性のあるバーボンももちろんあります.とくにカスクストレングスの(加水してないので50度以上あるのはザラ)バーボンには旨いのがあります.
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その点スコッチウイスキーはどうかというと、材料は麦一筋ではありますが、熟成樽が多様です、新品中古ごちゃ混ぜである、樽の入れ替えをすることがある、別の酒の熟成に使った樽を流用するなどです.
わたしが好むスペイサイド地方のウイスキーですと、シェリー樽といって元はシェリー酒を熟成するために使われた中古樽でウイスキーを熟成させる銘柄が多くあります.あまい香りがついておいしいんだなこれが.--------シェリー酒っていうのは、ワイン+ブランデー=シェリーです.旨いですよ~.日本人にワインは不味いと印象づけた悪名高き「赤玉ポートワイン」もシェリーの一種ですがね.
一度ウイスキーの熟成に使った樽を捨ててしまうのかというとそうではなくて、内面をバーナーで焼いて再使用します.きっと焼きの強弱で苦みが変わるんだろう.
また、オーク樽で長期熟成した後に、シェリー樽に移して香り付けすることもあります.シェリーフィニッシュなどと呼ばれます.
シェリー樽ではなくて、まれにブランデー樽熟成っていうのもあるようです.
樽から赤色がしみ出してやけに赤くて綺麗なウイスキーもあったな.
樽だけでこんなにいろいろと多様さが生じることがスコッチウイスキーの楽しく飲めるところです.
バーボンも新品のオーク樽などと決めずにもっとめちゃくちゃやったほうがいいんじゃなイカ?
サントリーのウイスキーだと、たぶん「白州」だけはシェリー樽熟成で作っているんじゃないかと記憶しています.コストパフォーマンスはともかく味の傾向としては「白州」は好みです.
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樽以外に決定的な違いをスコッチウイスキーに生み出しているのが、石炭です.
ウイスキーの製法は、麦芽を水に浸すところから始まります.発芽したところで麦芽を殺します.発芽した時点で、デンプン分解酵素が種子内に発生するから生体としての麦芽に用はないんでね.あとは酵母をブチ込んでおけば発酵してビールができる.ビールを蒸留するとウイスキーになる.というわけです.
で、麦芽の殺害方法は石炭で燻して殺します.この石炭が、ウイスキーの香りに大きく影響します.イギリスは高品質な石炭資源が豊富ですが、西側の土地では泥炭と呼ばれる品質の悪い石炭もどきがどこを掘っても出てくるっていうくらいあるらしく、昔の人はこの低品質炭で麦芽を燻したんで、ヨード臭の強いウイスキーができました.ラフロイグ、カリラ、アードベッグなんかがヨード臭ウイスキーです.これを好む人は多いです.わたしはこれらは今のところ苦手なんですが、将来嗜好が変わって好きになるかもしれません.
バーボンには、ヨード臭はありません.
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鉄道イベントで、またがって人が乗れる小さな機関車を運用しているサークルの人に尋ねたことがあります.「あの機関車は普通の機関車みたく煙がモクモクですよね? でもあの機関車は煙が全然でないけどなんでですか?」 答えは「煙が出るのは日本の石炭、煙が出ないのはイギリスの石炭」でした.イギリスの石炭は純粋炭素ですぞ.
また連れてってくださいね。<(_ _)>
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