2013年7月5日金曜日

「銀河鉄道999」って悪夢なんだ、わたしにとって

昨夜は、某出版社で「言の葉の庭」を120inchのプロジェクターと5.1chサラウンドで視聴させてもらいました.いやー、音響がすごかった.あんなに細密に環境音が収録されていたとは知りませんでした.なんとかして5.1chサラウンドを導入したいと思いました.その視聴レポートにつきましては、一週間ぐらい後に、某出版社のウェブサイトでの情報と同期して当ブログでもお伝えします、などと予告なんてものをしてみたりしちゃったりして.わたしの顔写真が公開されてしまうかもしれん.

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1980年前後に足かけ3年ものあいだ「銀河鉄道999」というアニメが放送されました.劇場版もすごく盛り上がりました.でも、なんてつまらない作品なんだろうと、最初から最後までずーっと思いつつ見続けました.当時は、アニメの放送枠がいまよりもはるかに少なかったので、つまらなくても観るっきゃなかったわけでした.

たとえ作画がしょぼくても、制作者がやりたいことが明確な作品なら楽しいです.たとえ制作者のやりたいことがしょーもないフェティシズムであっても、ハハハッそう来ましたか、と大抵は楽しめてしまいます.
ひら的にはつまらなかった「銀河鉄道999」にも、実は濃厚なフェティシズムがあったのです.松本零士が999に織り込んだ設定は、かな~り倒錯したセカイでした.幼くして母親と死別した主人公の鉄郎は、母親の面影をメーテルに重ねる.母親代わりのつもりで寄り添いたかったはずのメーテルだが、思春期ゆえに「メーテル筆降ろしさせてくれないかなぁ」というリビドーも併せ持ちつつ旅をする鉄郎.すなわち近親相姦願望の香り立つ倒錯設定が「銀河鉄道999」の根底構造だったと思われます.だから、もしもフェティシズム全開で999を作ることが出来てたら、さぞや際どい描写の変態アニメが出来上がったはずで、わたしは999がそういう作品でなかったことにがっかりしているんです.

実際に制作された999はどうだったかというと、いろんな惑星でなんてことのないエピソードが延々続いて飽きた末に、アンドロメダで機械生命体を滅ぼして、別れ際にメーテルにキスされるだけでオシマイってわけで、観ているこちらもリビドー溜まりまくりっていうまことに煮え切らない展開.「今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る」とかいう詩的なナレーションなんかでリビドーを昇華させてないで、機械伯爵を倒した達成感よりも「メーテルとやったHよかったなぁ」って達成感でガッツポーズ決めてるやんちゃな鉄郎が999で去ってゆくシーンを観たかったよ、ひら的には.
そのような平板で残念な「銀河鉄道999」が出来てしまったのは、あの時代なりのアニメ業界の事情がありました.
1980年の年間アニメタイトル数は61タイトルでした(2006年はなんと279タイトル).各タイトルが最低半年、999なんか足かけ3年も放映していたので、東映動画はりんたろうの999、日本アニメは高畑勲+宮崎駿の名作路線、サンライズは富野由悠季のロボット物、タツノコプロは笹川ひろしのタイムボカンと各社のカラーが決まってて意外性のある作品は滅多に登場しなかった.これら古いアニメ制作者達は実写映画で育った世代で、アニメ作品における表現には自主規制がかかっていたように思います.宮崎駿はクラリスで寸止めしたし、富野はセイラさんの入浴シーンで寸止めしたということです.う~ん大人しい.
そんな中で1981年に放映開始された「うる星やつら」はアニメで原作のパロディをやってるかのような型破りさで注目され、さらに1984年にOVAが発売されたエロアニメ「くりぃむれもん」はついにここまでやったか~とうめいてしまったフェチ作品でした.
やがて、90年代にもなるとガンダム世代がアニメ制作者になって、思い思いのフェチ全開のアニメを作りたくて仕方のない奴らによる粗製濫造祭り状態がkick offされ、現在に至ると、そのようにアニメ業界の変転を概観しているわたしです.

だから、「銀河鉄道999」時代はわたしにとって暗黒時代.その中でも平板な999は暗黒作品.アニメ業界がああいう時代には決して戻ってほしくないと思う象徴が999なのです.

タイトル数の出典   http://gigazine.net/news/20121003-tv-animation-history/

かしこ


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7 件のコメント:

  1. ソニーOB:佐藤2013年7月7日 0:21

    NHK-BSで「がんばれ!!ロボコン」の初回と最終回をやっていてなかなかほんわかしていて良かったです。
    月曜日から21:00にNHK-BS(プレミアム)で1作品ずついろいろありますよ。興味があるのはブラックジャックとさるとびエッチャンと変身忍者嵐と人造人間キカイダーくらいかなと言いながらほとんどかな。
    番組表をチェックするといいですよ。
    まずは情報提供まで。

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    1. 猿飛エッチャンみたいですー.しまったいまBS映らないのでした.迂闊

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  2. ソニーOB:佐藤2013年7月7日 1:03

    今日は「マグマ大使」「仮面ライダー」「がんばれ!!ロボコン」「鉄腕アトム」
    7日「ブラックジャック」 8日「変身忍者 嵐」 9日「ビッグX」 10日「さるとびエッちゃん」 12日「ミクロイドS」「人造人間キカイダー」 13日「サイボーグ009」 15日「ジャングル大帝」「秘密戦隊ゴレンジャー」「リボンの騎士」がラインナップです。
    とりあえずすべてHDDレコーダーには落とすので必要とあらばBlu-rayにでもコピーできます。大雨が降ると観られない事はありますが。
    詳細は
    http://www.nhk.or.jp/tedu-ishi/

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    1. ああなるほど、手塚治虫と石森章太郎原作ですね.いまでは放送禁止用語の関係で絶対放送できないと言われる「どろろ」はたしか手塚治虫だったかと思います.
      BDへのコピーですが、お心遣いどうもです.まぁ今回のラインアップはとりあえず無くてもOKですので.

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    2. ソニーOB:佐藤2013年7月7日 22:24

      あまり気にしていないのでどこが?って感じですが、今まで見たのも”オリジナルそのまま放送しました”と出てました。
      以前スカパーの日テレで放送していた巨人の星は問題部分は無音になるので変でしたね。
      伴宙太の親父が理事長が父親の職業を聞く時の飛雄馬のセリフがそうでした。「ぼくの父ちゃんは日本一の〇〇〇〇〇だ!」という部分です。あまりに不自然です。
      そういう意味では”佐武と市捕物控”も難しいかも。

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    3. 「佐武と市捕物控」ですか、いやーそれは観たことないんですよ.
      昭和39年生まれには古すぎて観たことないのかしらと思うんですが.
      まぁ間違っても放送はできんでしょうw.

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    4. ソニーOB:佐藤2013年7月7日 22:49

      私は再放送で見たことがあるくらいです。
      ムーミンの虫プロVerはもおう観ることが出来ないみたいだし。本家からNG出されたら難しいんでしょうね。虫プロVerの方が親しみやすいと思います。
      ビッグXは国道に立っており交通安全を呼びかけてました。別府あたりにありました。

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