2013年9月14日土曜日

【にわかAVマニアの鉄男】 長岡鉄男はおもしろいですね

連載が長くなってきた【にわかAVマニア】シリーズのラベルを増設しました.

ラベルというと先日増設した【宇宙戦艦ヤマト】祭り状態にそろそろ収束の気配があり、連日大ワープしていたPVが惑星間航行速度ぐらいまで落ちてきたようです.
さて、近頃は自作スピーカーについて書かれた本をチラチラと読んでいます.亡くなってもなお人気の高い長岡鉄男の、「バックロードの傑作」という本を図書館で見かけて借りました.
同書を読んでの感想ですが、長岡氏のスピーカー本がいまでも読まれている理由は、長岡氏のスタンスが既製品スピーカーの音質評論家ではなくて、スピーカー開発者視点の技術的な発言がメインであることだと思いました.あとユーモアのあるレトリックもおもしろい.

同書を読んでへーっと思ったのは、長岡氏って、自分で設計はするけれど、自分で製作はしない人なんですね.図面を描いたら、(編集)担当者に製作の手配を丸投げするんだそうです.ネットワークのハンダづけなども丸投げ.さすがは大御所.なので、製作者がネットワークの接続ミスをして音質がプアだったら、エンクロージャの設計が悪いんだと誤解して撤退してしまったこともあったそうです.

長岡氏の書にはこういう割り付け図面が登場します.わたしとしては、この割り付け図どおりに墨入れしても作業できないので、どういう意味の図面なのかなぁと不思議だったのです.なぜかというと、丸ノコの刃の厚みは2mmぐらいあるので、もしこの図の線上を切断したら全ての材が1~2mmの寸法狂いで切れちゃうので、全然組立できなくなっちゃいます.したがって、この割り付け図面から丸ノコの刃を入れる適切な順番を考えてくれる、ホームセンターの切断サービスの従業員のようなお弟子さんでもいたんでしょう.  わたしは弟子は要らないけれど、ホームセンターの切断マシンを欲しいです.

フルレンジのホーンとかバックロードを好む長岡氏は、その理由として次をあげています.
ネットワークは難しい
2ウェイ3ウェイに必要なネットワークは調整が難しく、音質劣化要因になりやすいというようなことを書いてます.2次あるいは4次のLCRフィルタを、音質の善し悪しを手がかりにして追い込むのは素人がする作業としては高難易度だと思われ、結局最適化不足のままでオシマイになってしまうケースが多かろうとわたしも思います.それと、カットオフ付近の急激な位相回転は音質への影響が皆無とは言い難いかもしれない.
フルレンジの空振り
長岡氏曰く、、、、小型スピーカーでなんで低音が出ないか?それは空振りである.空振りとは赤い矢印のように横向きに空気が逃げちゃうということです.空振りさせないためにはダクトの奥にスピーカーを置けばよいが、しかしダクトが固有共振周波数を持つデメリットと、ダクトの出口を自由空間と繋ぐ操作も必要なのでそう単純ではない.
ダクトの改善策=ホーン
そこで、共振を防ぎ自由空間との繋ぎを良くするとホーンスピーカーが解になる.
フルレンジ+ホーンの効用
高音域感度のためには小型スピーカーが好ましく、小型故に不足する低音域感度はホーン(あるいはバックロード)でリカバリする.フルレンジならネットワークが不要である.というのが長岡氏がフルレンジ一発を好む理由だそうです.なるほど~と納得.

近所のゴミ捨て場にJBLのホーンスピーカーとか落ちてねえかなぁ?

かしこ

#今夜は18:30に町田の「いくどん」で都立大学マン研の一部のOBによる飲み会をやります


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22 件のコメント:

  1. 先日は御付き合いいただきまして、ありがとう御座います。
    いただいたBDを少しずつ拝見させていただいております。
    ところで、ついに『長岡鉄男』先生にたどり着きましたね。

    故長岡先生の自作スピーカーで名作と呼ばれるのは、『スワン』タイプでしょう。私自身は、自作派では無いので製作したことは一度しかないのですが、渋谷東急ハンズでスワンが展示されていて試聴したことがあります。たった8㎝のフルレンジで低域が十分出ており、尚且つ、重たくない明瞭なサウンドでした。今でも多くのマニアが、その設計を参考にして試行錯誤しているはずです。
     また、故長岡氏の文章は面白く、読み物として楽しみで、FMfanやHiViを立ち読み(本屋さんゴメン!!)していたのを思い出します。

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    1. 先日はどうもでした.

      スワンは有名のようですね.学生時代に友人が作ってました.
      音源は点であるべきだという考えでああいう形になってるとか.頭の部分は8cmなんですか.そういや頭が小さいわけだわ.

      #次期引き渡しDISKを準備しときます

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    2. 私は九州福岡県北九州市に在住の竹谷康男と申します。35年以上前からの長岡鉄男氏の大ファンで、現在は、氏設計のバックロードホーンD-55を使っています。FE-83を使用したサテライトも製作しました。スワンは、どうしても作りたかったスピーカーでしたが、オーディオルームが六畳ですので、D-55の横に置けず、断念しました。その代り今度はダイヤトーンP-610を使用したトールボーイスピーカーを置いています。サブロク一枚で二本出来るよう私が設計しました。バスレフですが、確かP-610ですのであまり低音を欲張らないで、チューニングは70Hzにしたと思います。それにしても、おしい人を亡くしました。氏がお亡くなりになってから、ステレオの雑誌も、やたら高額なスピーカーやアンプを紹介するようになったと思います。以前は、コスパの高い比較的安価な機器を紹介していたと思います。100万もするアンプやスピーカーで良い音は当たり前で、私のようなものには手がでません。近頃、価格もまあまあの商品も出てきて、少し安心しています。12月から、ブログで良かったようなホームページを開きましたので、良かったら「オーディオマニアのうさぎ小屋」で検索してください。http://2001hal9000.web.fc2.com/

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    3. WEBページを拝見いたしました.”筋金入りのAVマニア”でらっしゃるようですので、わたしのような”にわかAVマニア”としては御指導御鞭撻のほどよろしくおねがいしたく存じます.ちなみにわたしは49歳になったばかりです.

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  2. 一番下のフロントロードの名作と言えば A-7 ですね。(冷蔵庫位有りますが)

    8cmの純正再生範囲(空気インピーダンスと整合し、分轄共振が気にならない範囲)は800から3000位でしょうか、
    しかし、音圧、共振カーブを見てみますと100位までだら下がり、此は振動系に重り(MASS)を入れて
    共振点を下げているからです。(このため音圧レベルが低い)

    後室を適切に設計すると此所の圧力負荷を適切にし次に繋がるホーンで空気インピーダンスの滑らかに繋がります。(しかしマス効果があるので音圧が上がりません)
    ホーンを共振型にして低域の音圧を上げますと重低音が出たように感じられます。
    この時フロント側は振幅が抑制されるので高域専用となり、低域の少し上は共振しないのででないのですが、バランスを上手く取ると、気にならなくなります。

    しかし、スワンてマグナ社のカメラによく似ていますね。

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    1. マグナ社のカメラはたしかに似てます

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  3. 連投ごめん。
    以前、同じネットワークで幾つかの類似SPを駆動してみますと、全く違った音になりました。
    (ネットワークは無罪)
    SPをPA用にしますとほとんど同じ音になります。
    此は能率重視で補正マスが追加されていないのが原因と思われます。

    JBLのホーンはカーブが多用されていますが、アルテックのマンタレーホーンは2種類の平面を上下左右に使い接続点をずらして、音響インピーダンスの暴れを少なくしているから出来るのです。
    フロントとは切りっぱなし(少し暴れる)か窓枠を付け(暴れが少なく、箱付けが楽)
    一番難しいのはドライバー(1’~2’)の穴を丸から縦長のスリット状に換える所ですが、
    硬質ウレタンパテなども使えるので、斜め面付け(外面に補強桟を入れても大丈夫です)も含めて、平さんなら、楽勝でしょう。

    あとはドライバーを捜すのみです。
    うちは警報用のベークダイヤフラムも試してみましたが、問題なく使えました。(最高域が少し落ちます)

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    1. いずれはドライバを調達してホーンを味わってみたいです.

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  4. またまた連投。Yオクでカーブドがでていました。(JBLにそっくりです)
    http://page22.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/l211335991
    ドライバーは
    http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f132128829
    ここら当たりでも使えそうです、安ければ後で取り替えもききます。
    前に使ったのはパトライトが付いていて、SWを入れると、パンパカパーンと競馬場の音楽がでるのと
    軍艦マーチがでるのがあり、ROMで音声合成していました。

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  5. ソニーOB:佐藤2013年9月15日 2:57

    久しぶりの小出裕章氏の記事。ただ大手新聞社の記事ではない。大手新聞社は書けないのかも。

    小出裕章氏「汚染水は制御不能。安倍首相の発言は恥知らずだ」
    http://news.nifty.com/cs/item/detail/gendai-000193843/1.htm

    国費投入でも解決不可? 福島第一原発、汚染水問題のドロ沼
    http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/playboy-20130912-21801/1.htm

    概してお役所はお金は出すけど責任取らない丸投げ体質だからなぁ。

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    1. 小出氏久しぶり.ソースは赤旗あたりでしょうか?

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    2. トリチューム検出、此は中性子線がでていると思われます。
      酸素窒素に当たるとトリチュームになります。
      もしかこれって核反応をして居るんではないですよね!
      汚染水問題は回りを3重位に矢板を岩盤まで打ち込み伏流水の出入りを止めて、汚染水は
      炉内に戻すことをすれば、炉内はどんどん濃くなりますが、外へは出てこないはずです。
      http://www.asyura2.com/13/senkyo152/msg/251.html
      によりますと「当地にて第三紀層が安定している地盤であることを確認していた」
      そうですから、岩盤は相当浅いようです。
      此所に載っている「連壁工法」はビル工事現場でよく見られる工法です。

      凍土作戦成ってやっていたらなんぼ有っても足らないのは氷を見るより明らか(火)
      国民のカネを大手に差し出す作戦です。

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    3. トリチュームの作用
      http://nucleus.asablo.jp/blog/2013/05/04/6799155
      トリチュームの散布
      http://phnetwork.blogspot.jp/2011/11/blog-post.html
      この人たちはいったい何をしているのか?

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    4. トリチュームはベータ線しか出さない、ベータ線は細胞に当たったら何ミクロンかしか入れないので、表面部分の一部をはじき飛ばしたり、ラジカル化して、死滅させる。

      もう一つの作用は時限爆弾、普通の水素と区別できないので取り込まれ、場合によってはDNAの4素対の2重結合部の部分にも置き換わることもある。
      この場合崩壊すると、対結合が切れてDNAがほどけるかもしれない。
      あるいはMACと言われる完全弁のような部位にMAC環を作りいわば結び目を作りほどけるのを止めたり、害毒性物質の製造酵素を作らないようにして、止めてくれるかもしれない。

      しかしこれ以外の場所だとほとんどはガン化してしまう、現在福島で、幼年性ガンが増えているのは、沃素由来と言われていたが違うかもしれない。
      (もしそうであれば、チェルノブイリでの比ではなくなる)

      アメリカの原発事故では、トリチュームの被害が多かったと聞く。

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    5. トリチュームには、もっと反応があるかと思ったが、何にもない。
      http://www.youtube.com/watch?v=_BZCP3XbO5o
      他のは何とか除去出来ても此には何にもない。

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    6. 以前もどこかで書いたと思うんですが、
      ステンレスの容器に格納すれば大丈夫というのは違うんです。

      たとえば 同じ所に放射線 特に 威力(質量)があって遠くまで(貫通力)届く中性子線
      が有れば、ぶつかった原子は変性して別の物になってしまいます。

      ゴルゴ13 の様に 同じ所にに続けて当たるとそこはガスや可溶性物質になったりして、
      ピンホールとして外界と通じてしまいます。
      同じ所ばかり当たると言うことはありませんから、線状のトンネルが出来ることはありませんが、線量が多いと全体がスカスカのスポンジや焼結メタルのようになってしまいます。
      (間に鉛の板を入れれば、放射性能を持つだけで鉛のままですが、圧力などには耐えることが出来ませんし、突き抜けた分は外部の構造体にも、同じ様な作用をします)
      詰まり完全な格納容器は出来ない、配管などのピンホールや、ひび割れなどが早く起こったりもします。
      此を解決することは出来ません。

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    7. 中性子を遮蔽するために水に保存っていうのはどうなんでしょうか?
      それでも10万年の保存なんて全く信ずるに値しませんが.

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    8. 特別管理放射線強度について。
      http://www.youtube.com/watch?v=DeWz2Xj8jH0

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    9. 確かに水は、一番有効ですが(原子炉の減速剤)通り抜ける分もあります。
      スカスカメタルから出てくるガス性、廃棄物、特にトリチュームとそれを含む水が一番やっかいで、分離することが出来ません。

      比較的短い時間で、重水素とヘリュームになる例の分です。

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  6. ダクト と書いた画像はよく考えると、インピーダンス変換はしていませんので、ダクト中の空気マスが重りとなって共振点を下げ。かつ共振ピークがでやすくなります。
    バスレフの場合はダクトエアマス と BOXコンプライアンスで共振とダンピングを調整し、ダラ下がり部分を補正して、合成出力がフラットになるように(願うのです)。

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    1. まともに20Hzあたりまで通用するホーンを実用化できない(大きすぎて)のが現実のようですね

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    2. うちは800Hz以下はローレンジ(ウーハ)、以上は16KHzまでホーンです。
      FOSTEXのFT66H-22KHzまでのホーンもあるのですが接続していません。
      回りとセンターを固定した、ルングラジエータ-ホーンです。

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