2012年6月16日土曜日

伊藤潤二「ギョ」がアニメ化、その出来に富江が一喝

当ブログで伊藤潤二について言及するのはこれが初めてです.数年前に「富江」という映画が何作か公開されたことがある、その原作者の天才ホラーマンガ家が伊藤潤二です.わたしが結婚する前に奥さんの家に遊びに行ったら、朝日ソノラマ版の伊藤潤二作品がたくさんあり、そこで伊藤潤二を知りました.わたしが最も好きな作品は「グリセリド」です.

↓下記は「富江」の後期の絵です.富江はとても美しい女性ですが性格は最悪で、男を惑わします.しかし、富江に惑わされた男はなぜか富江を殺してしまいます.そして死体を切り刻むのです.すると切り刻まれた肉片の一つ一つから「富江」が再生するというホラー作品.
富江さんは何に怒ってるんでしょ?
伊藤潤二による「ギョ」という作品があります.これが今回アニメ化されましたので観ました.いったいあれをどうアレンジするんだと興味がありました.しかしその出来映えはイマイチだったと言ってよいでしょう.

↓ある日、機械じかけの足の上に魚が載ったなぞの生物が海から大量に上陸してきました.
↓小魚ならさほど有害ではなかったのですが、大型のサメは人を殺しまくります.
↓歩行機械の動作原理は、腐敗する魚が発生するガスで動きます.腐敗が進んでガスが出なくなると魚は外れて、代わりに人間を捕まえて動きだすようになります.
↓羽田空港では歩行魚の大群のため旅客機が着陸に失敗.世界各国でも同様の被害のため、短期間に人類文明はほぼ壊滅します.
↓武力制圧のための軍隊も歩行魚転じて歩行機械人のあまりの数の多さにやられてしまいます.
生き残った人間が少数はいるものの、人類はほぼ滅亡しておしまいです.

このアニメは原作マンガ通り作られていますが、それで成功はしてないです.↓予告で見たこのキャラゆえにコミカルタッチで描くのかしらと予想していたんですが、淡々とした展開でした.
主人公が乗る旅客機が着陸に失敗するシーン(上のやつ)は、人類文明が滅亡するシーンの連続の1つなので、旅客機のひとつぐらい失われてもいいやって思ってしまい、緊迫感がなかったです.

兵隊が歩行機械人に囲まれるシーン(上のやつ)では、兵隊に危機が迫って視聴者をハラハラさせた後、兵隊が背後の歩行機械人に気づいて振り向き、襲われて死ぬのが妥当な描写でしょう.ところが本作品では、上のカットでおしまいなんで、緊迫感が薄いです.

というわけで、せっかく作ったものの甲斐性のない作品でした.監督の平尾隆之は無名な人のようで力不足だったのでしょう.

これだと富江に「つまらない!! あんたたち死になさい!!」と言われてしまいます.

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