本シリーズ015のクッションフロアは住宅によく使われます.
今回はビニル床シート貼りです.ビニル床シートは住宅にはあまり使われませんけど、学校とか病院とか工場の床によく使われています.裸足で歩くと冷たくてピタピタする感触の床です.あーアレかと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
タキストロンという製品を使って施工実習をしました.ラベルによると、幅1.8m、長さ1.5m、厚み2.5mmと書かれています.広い施設だとこれを大量に継ぎ合わせて貼るわけです.
クッションフロアで使ったのと同じ接着剤で床に貼りつけます.クッションフロアと同じ雰囲気で施工するのかと思いきや、実態はかなり異なります.クッションフロアに比べると、はるかに硬い部材なので、クッションフロアでやったようなパーキリでズバッと切るようなことは出来ないと思います.部屋の外形に合わせて地道にカットするしかないでしょう.
ビニル床シートの施工上の特徴は、継ぎ目の処理です.
Vカットして断面を熱融着するんです.病院の床なども、じーっと見ると熱融着したスジが見えるはずです.
熱融着の手順を説明します.
①接合部は一旦重ねて床に接着します.
②スクレイパーで下地のエッジを上地にけがく
③上地をカットする
④接合部をVカットする
⑤熱融着する.融着棒を使います.
⑥熱融着の凸部をカット
融着棒は棒というよりも電線というイメージのブヨブヨした線です.リールに巻かれて売られています.下に見える熱融着ヒーターで溶かして熱融着します.
熱融着ヒーターの断面はこのようになっています.黒いのが熱融着棒で、熱風に晒されて溶かされつつ、Vカットしたビニール床シートも熱風で溶かされ、熱融着ヒーターの先端で押しつぶされて融着されます.
これはかなりコツを要する作業です.あらかじめ熱風で床を溶かす必要があるのであまり速く送ってはいけません.かといって送り速度が遅すぎると、融着棒がヒーターの中で溶けて目詰まりしてしまいます.ノズルを床に平行に当てないとうまく押しつけられません.10回ぐらい失敗すれば最適な角度と速度を会得できます.
順序が前後しますが、Vカットする専用工具があります.カッターの先端は交換できます.
ハミ出た融着棒をカットするにはこのような変な形のナイフを使います.
ビニール床シートについてはこんなところです.
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