わたしは2年間ほど神戸市に住んだ経験があり、そこは神戸地下鉄の伊川谷という駅で、たしか2つ隣の駅が酒鬼薔薇事件の舞台でした.事件は1997年に発生し、わたしは少年Aが逮捕されてからまだ1年も経たない時期に伊川谷に住みはじめたのでした.
あれだけ日本中を騒然とさせた事件でしたから、地元民は酒鬼薔薇の本名も家も知ってましたし、わたし自身もクルマで通りがかりにタンク山が目に入ったり、惨劇の校門の前をたまたま通ったりして、うへぇ~此処だったのかぁとうめいてしまうコトもありました.
あれから18年経過したそうですが、酒鬼薔薇が事件の経緯を書いた本を出版するそうですね.
出版社は太田出版.中堅どころの出版社でしょうか? 知ってるマンガもいろいろある出版社です.「完全自殺マニュアル」を出した出版社でもあるので、いささか企画が過激な会社なのかな?
わたしはこの本は出版されるべきでは無かったと思います.なんといっても遺族感情を第一に考えるべきで、遺族感情を大切にするならば、日本中に公開する形で事件の経緯を記すのは止めておくべきだったろうと.
太田出版の社長は、「少年犯罪について加害者本人から語られることはほとんどない。この本は、少年がどういう衝動の中で事件を起こしたかが第三者に伝わる」と述べています.
http://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201506/0008111100.shtml
シリアルキラーの衝動を明かすコトに何らかの価値があるのは確かにそうかもしれません.ならば、心理学者や精神科医の手に手記を委ねて50年間ぐらい封印しろ、とアドバイスして断るのが正しいだろう.被害者は酒鬼薔薇の異常性衝動の犠牲になったのでしょう.その経緯が18年経って再び遺族の前に晒されるのだとしたら度し難い.
遺族は出版と出版社に反発しています.
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201506/0008119720.shtml
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201506/0008110757.shtml
土師淳君の父親は、「こんな特異な事件の経緯を公開しても公益に役立たない.被害者の承諾を得るべきである」 と述べています.
山下彩花ちゃんの母親は、「自分の物語を書きたいなら、日記で済ませろ」と述べています.
酒鬼薔薇は、「自分の物語を自分の言葉で書いてみたい衝動に駆られた」ので、仲介者を介して出版社に持ち込んだそうです.「自分の物語」ですか? ヒーローじゃないだろって.気持ち悪くてゲロ出そうだわそんなの.
遺族の皆さまにご同情申し上げます.
人気ブログランキングへ
>>こんな特異な事件の経緯を公開しても公益に役立たない.被害者の承諾を得るべきである
返信削除全く同意です。これ、承諾なしに書かせて出版直前に、遺族に出版することを公表したそうです。
金に目がくらんだ太田出版ですね、決して小さい出版会社ではなく中堅どころなのに対応が残念でなりません。
書店のほうの対応はまちまちで、販売しないと公表している書店も多数あります。また、販売する書店(大手)は、書店利用者に判断を任せるそうです。
これと対照的なのが、通称『NEVADA事件』を書いた【謝るなら、いつでもおいで】です。
事件後10年たって書かれたもので、被害者の父の部下だった人が書いたものです。
川崎の殺人事件で急に思い出して読み始めました。
執筆者は家族のように被害者、その兄、父と一緒にいた人の手記なので、涙なくしては読めません。
太田出版ってちょっと冒険的な書籍も出すし、マンガもそれなりに面白いのを出す出版社のように思います.今までは太田出版に対してはひら的には「おもしろいからいいんじゃね?」と好意的でしたけど、この件は度し難く思います.
削除本件について芸能人の反応が興味深かったです.芸能人曰く、「自分の物語を公表したいのなら、隠れてないで、実名を顔を晒すべきだ」という反応.普段プライバシーを晒して働いている芸能人ならではの、なるほどな反応でした.
名前は 一字 の左右対象系 大陸系 とかも
削除