さて、スペアナの件の前にヘリカルスキャンのハナシです.
「DAT RF波形」でgoogle検索すると、DATのテープパス調整について書かれた非常にレアなページがありました.この人すごいわ~. http://blogs.yahoo.co.jp/dat_repairing/26399232.html
そのページにあるこの写真はDTC-1000というDATの初号機だと思います.これが設計されたのは1985年ごろ、ソニー芝浦TECの503号館の5階が源流ではなかったと...
↓DATのヘッド再生波形はこんな間欠的な波形です.プリアンブルは、ヘッドとテープの接触が不安定な捨て領域です.次にATFパターンというトラッキング情報が記録されていて、PCMデータは中央部70%ぐらいに書かれています.つまり30%ぐらいは音声信号以外のデータで占められているわけです.
わたしの担当は、イコライザを調整したり、ノイズを除去したりしてエラーレートを良くするのが仕事でした.そのためにPCMデータ領域のf特をスペアナで測定する必要があったわけなのですが、プリアンブルやATFパターンがスペアナ測定を邪魔します.
↓そこで、PCMデータ領域だけを打ち抜くゲート信号(上図)をつくります.ヘッドスイッチングパルス(SWP)から74HC123で遅延させてゲート信号を作ります.HC123も懐かしいICと言えまいか???
↓ゲート信号をスペアナに入力すると、ゲート=HIGHの区間だけを測定してくれる便利なスペアナがありました.それがタケダ理研のTR4171でした.なぜか灰色カラーの機種もありましたが、わたしは白が好みでした.今となっては、目を疑うほど巨大かつ重い機体で、周波数も120MHzまでしか測れない低性能なのですが、ヘリカルスキャンの再生信号はせいぜい数10MHzなので、帯域的にはちょうどお手頃でした.
TR4171はタケダ理研製でしたが、1985年にADVANTESTに社名変更されたので、機銘板を見るとタケダ理研とADVANTESTの2種類存在していました.
大変お世話になりました > TR4171殿
かしこ
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