このご時勢に、安保法案に賛成の御仁が33%ぐらいもいるというのは、まことに心強い.
子供から大人になるまでの教育はあのとおり「平和憲法によって日本は戦争せずに済みました」という嘘を教え込まれ(正しくはUSAの核の傘のおかげ)、大人になっては読む新聞も見るテレビも安全保障だの地政学だのを論ずるコト自体が悪行だといわんばかりの偏向報道.
そんな外部環境に何10年も置かれ、かつ騙され続けるコトに頓着しない性格であったとしたら「安部総理は好戦的な独裁者」と思うのがフツーだわな.安保法案の衆院通過のあれのどこが「強行採決」なのか理解不能ですが、ともあれ「安保法案を強行採決」した安部総理は「好戦的な独裁者」で「子供が徴兵されて死ぬ」というレッテル貼りには、騙される人の多さにも助けられて成功したのでしょうな.
ところが、そういうレッテル貼り戦術にめげない御仁が約33%も居るわけで、それは心強いと思うわけだ.
一方で、安保法案に反対の約67%のうち、仮に真逆の軍国主義教育を受けても「安保法案反対」と主張できる頑固な者はどれだけいるんだろうか? 極左は10%ぐらいかな.だとすると残りの約50%は、騙され続けるコトに頓着しない性格ゆえに世論調査で「安保法案反対」と答えている人々なのであろう、大雑把には.
世論調査の質問の仕方にもよりまして、仮に、
Q1: 日本国憲法は、戦争を禁じ、ゆえに集団的自衛権も禁じていると思いますか?
と問われたら、わたしですら、
A1: 禁じている
と回答して50%の人々の仲間入りしてしまうでしょう.
だってそう書いてあるんだもん.日本国憲法は、日本人の生存権すら認めないようにGHQが作った、強盗に家族が目の前で殺されそうになっても一切の反抗を放棄しますと書かれている、怪しからん文章です.ところがその日本国憲法を変えるコトができるかというと、ハードルが高すぎてとてもじゃないがサクッと変えれそうにないのが現実.
だから憲法どおりに何もしないのが正しいのか?
Q2: 中国が南シナ海の島を勝手に埋め立て工事中で、そう遠くない将来に南シナ海の覇権を中国に握られて面倒なコトになる.なのに憲法を守るために何もしないのが正しいのか?
Q3: 憲法を守るためになら、「健康で文化的な生活を営む権利」が奪われている北朝鮮拉致被害者を救助しないのが正しいのか?
Q4: 日本人は、日本人の「健康で文化的な生活を営む権利」よりも、日本国憲法を守るコトが上位概念なのか?
集団的自衛権の解釈変更を閣議決定した2014年以来、今般の安保法案の衆院通過まで一貫している命題はQ2Q3Q4ですから.Q1じゃないですから.憲法を守れれば守るに越したことはないけれど、憲法を墨守していたらダメになるけどそれでも憲法を守るのが正しいのか?と問われています.
Q5: 兵隊が戦争で死ぬとしても「安保法案」に賛成ですか?
A5: 賛成です
そりゃぁ兵隊を死なせたくはありません.
ただ、非戦闘員や婦女子が死ぬくらいなら、命を賭す事を職業としている兵隊が闘って死ぬ方がまだマシだっていう比較論です.自衛隊員が死んだら二階級特進で遺族年金が出て靖国神社に魂が祭られる.それに比べたら、流れ玉で死んだ非戦闘員には何の特典もありません.北朝鮮の拉致被害者なんかどれだけ気の毒なんだか知れたもんじゃありません.
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脱線しますが、ギリシャを巡るEUの動きは興味深いです.
1) ギリシャの政権が緊縮財政反対を主張する政権に変わった
2) ギリシャがデフォルトしそうだ (いつの出来事)
3) ギリシャ人が国民投票で大差で緊縮財政に反対 (大差とは意外)
4) ギリシャがEUに緊縮策はもう嫌だといった
5) ドイツが怒った (ドイツだって一次大戦の賠償金を反故にしたじゃん)
6) ギリシャが緊縮財政を受け入れ (おいおい、国民投票はどうした?)
7) EUはギリシャへ支援する代わりに改革の確約をしろ
8) ギリシャ人激怒 ←いまここw
さすがに宗教戦争を何世紀もやってきた虐殺大好きな人々だわ.何かの理念にかこつけて徹底的に敵を追い詰める戦闘力は半端ないわ.当ブログで何度も書いているけどギリシャ人の無間地獄はお気の毒です.
ユーロにギリシャを入れたかったし、ギリシャをユーロから追い出したくなかった西ヨーロッパの政策決定者の脳内には、ロシアの脅威があると思うんだよね.バルカン半島で西ヨーロッパとロシアとイスラムがゴタゴタすると大きな戦争になってしまう.イスラムはトルコが防波堤になっているからさておくとしても、ロシアは既にウクライナまで戦車で来ているからギリシャがロシアと接近したらマズイぞと.そんな風にロシアっていうのは何世紀にも渡ってず~っと厄介者なのだろう.
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安保法案の件に戻ります.
上で憲法を守ってばかりもいられないと書いたその理由、すなわち仮想敵国はどこなのか? もちろん中国です.中国が内政の不満逸らしのために反日を国是にし、戦争で勝てる見込みがあるなら尖閣諸島を軍事占領する気満々.それに対する反作用が民主党政権以来現在まで日本の外交や防衛政策の変更を後押ししています.
一体それはいつまで続くのか?
ひら的には、アジア人にとって中国という新興国は今後、中国共産党王朝が続こうと滅ぼうと関係なく、あたかもヨーロッパにとってのロシアのような厄介者でありつづけるのだと思う.それはロシアがそうであるように数世紀経ても終わらないと覚悟しておくのがよい.
だとしたらいつか日米vs中国が戦争になる?
島嶼で紛争はあるだろうけど、ベトナム戦争みたくはなるまいて.ただし中国による台湾侵攻があったら上陸作戦を伴う激アツな展開で大変だろうが.
全面戦争が無いなら安保法案も日本国憲法改正も不要で、警察力で対応可能だよねっ、と考えるのは早とちりです.継続的に何世紀にも渡って領土的軍事的経済的拡張志向を発揮し続けるであろう厄介な隣国を、何世紀にも渡って抑え付けなくてはならない.ヨーロッパにおけるロシアのように.しかも戦争でケリをつける手段を採れず、総合的抑止力でしぶとく抑え付けなくてはならない.総合的抑止力の一環として、集団安全保障を活用するし、憲法9条を廃止するし、核武装をする、東アジア版NATOをつくる、、、、仮に戦争になっても負けないポーズを見せ続ける.そうすれば戦争は起こらず、戦争による犠牲者を出さずに済ませるコトができる.
そういう気の長い営みの入り口に我々は立っているのだと思います.
#日本がUSAの属国である状況は放置していてよいのか? 優先度的にUSAは2番目でしょうな.反米親中の人も大勢居ますが、そりゃとんでもないです.
かしこ
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