このコミックには、伊藤潤二自身による作品解説と、執筆当時のアイデアノートが収録されています.
伊藤潤二自身が選んだ9作品とは果たして何だったのか?
人の心を惹きつける謎のスキャットが録音されたレコードを友人から盗み、友人を殺してしまう.レコードの奪い合いはエスカレートし、本人も事故って死んでしまう.なぜか死体はレコードのメロディを口ずさむのだった...
伊藤潤二がデビューしてから3年あまり経った頃の作品.
この女子のやぼったい服装と小太りっぽい体型が田舎っぽくて、なぜかそこがこの作品の好きなところだったりする.
死に関する作品で、自殺を推奨するカセットテープがあり、「納得したので僕も自殺する」というのがあったのを思い出しました.それにも高い評価を与えたい気がする.タイトルは忘れちゃった.
寒気 1991年11月
体に無数の穴が空いて死に至るという呪いの作品.
最後に収録されている「グリセリド」の不快さには及ばないが、ひら的には本作品はトライフォビア的にすげー苦手な作品.見るだにヤバイわ.
ファッションモデル 1992年5月
おぞましい外見のファッションモデルは、本当に人喰いだった...
ひら的にはそれほどの思い入れは無い作品ではある.
首吊り気球 1994年1月
自分と同じ顔のバルーンが襲い掛かってくる.首吊りの輪でつられると、絞首されてしまう.人を吊り下げているバルーンの比率が日に日に増えてゆく.
これは傑作のうちの一つで間違いない.自選傑作集にふさわしい作品だと思う.
あやつり屋敷 1994年3月
人形一座家族の兄が事業で成功し、弟が兄の邸宅を訪れると、家族は皆「あやつられ人形」になっていた.その呪いの原因は、、、
伊藤潤二はこれを選んだんですね.そうかそうか.
画家 1995年7月
富江は自分の美しさを記録に残すべく画家に自分の絵を描くよう命ずるが、優秀な画家は富江の醜い部分をも描いてしまう.
富江シリーズから一作品を選んだようです.富江シリーズはいろいろありまして、どれも甲乙つけがたいです.ひら的には「ある集団」が好きだったりする.
長い夢 1997年1月
客観的には夜寝て朝目覚める生活サイクルなのだが、自覚的には眠りの長さがどんどん長くなると訴える入院患者がいる.症状はどんどん重くなり、末期には一晩の眠りで数千年も経過したと訴えるようになる患者.....
これも、傑作集にふさわしい作品です.伊藤潤二のなかで最もSF的な作品だと思う.
ご先祖様 1997年9月
このヘビのような毛虫のような物体は、ある家系の先祖代々の頭の連続体で、意識もある.
奇抜な発想は首吊り気球に匹敵すると思う.
グリセリド 2003年3月
焼肉屋を営むある家族.兄は食用油をごくごく飲む油中毒で、にきびから油脂があふれ出してくる...
なるほどこの作品がトリというわけか....わたしも本作品が伊藤潤二の最高傑作だとおもう.
死体だとかミンチだとか様々な不快さの表現形態はあれど、本作の不快さはただ単に、脂っこい家、脂っこい皮膚、に過ぎない.だが、本作のクライマックスシーン(P.360)を見ていただければそれがどれだけ不快かが判ってもらえると思う.そのコマをコピペするのは自粛しておきます.あまりにもグロすぎるので.
新作ショートストーリー
またしてもこの人喰いモデルが登場.普通のモデルがまた犠牲者になってしまう.
最近の伊藤潤二はまた絵柄が変わったかなと思いました.
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出版社が異なるとかいう事情があったのかもしれませんが、「潰談」は傑作扱いとしても良かったのではないでしょうか?
#自選傑作集(下巻)を出してくれないかな?
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