こちらのURLにて、フリエネ発電機を製作したと匂わせる動画があります.
https://www.youtube.com/watch?v=pbfDuVQs_l8
この動画の面白いところは、作者が神奈川県秦野市の人だっていうことの他に、保有特許を3500万円で売ると書いているところです.
動画を見ると、フリーエネルギーだとは明言してません.オーバーユニティだとは明言してません.「外部電源が不要な発電機」だという言葉を喋っています.離島や災害時にエネルギー供給が不要な発電機として使える、と受け止められるセリフもあります.微妙な言い回し.
ともあれ、数件の特許を保有しているとのことです.エネルギー保存則を否定する内容の特許は拒絶されると云われますから、どんな特許なのか興味が湧いてその特許を読んでみました.
特許文書の対象物はマグネットモーターという装置です.マグネットモーターって、フリエネ業界以外でも通用する言葉なんだっけ? と思ってしまうのですが、特許文書中に堂々とマグネットモーターと書かれているんですよね.
マグネットモータには、永久磁石しか着いてません.極性切り替えが可能な電磁石は使われません.それじゃ回転しないだろ、というのはその通りです.
まず、通常のモーターが回転する様子を復習しますと、
↓回転子が電磁石だとします.①の位置に居る回転子はNSで引き合って回転します.②’の位置に来た瞬間に電磁石を切り替えてNN/SSで反発させるようにします.するとグルグル回転します.マブチモーターと同じですね.RE14みたいな.
つぎにマグネットモーターですが、
↓最初に手で回転子を時計回りに勢い良く回して起動します.①の位置に居た回転子はNSで引き合って時計方向に加速します.でも②の位置を通過するとブレーキがかかってしまうので、しばらくは惰性で廻るけど次第に軸の摩擦で止まってしまいます.最終的にNSで引き合って②の位置で止まります.
回転し続けるマグネットモーターを開発したという人は、このブレーキ問題を克服するために、
1) 何らかの手段で永久磁石のNSを反転させるカラクリを発明した
2) ②から90度区間の動的磁場を遮蔽するオーバーテクノロジーを発明した
のどちらかと思われます.
ひら的には2を実現した人がいたら、この宇宙の場を改変する能力を持つ万能神と認定してあげます.マクスウェル方程式が通用しない新しい宇宙!みたいなw
↓下図は、発明されたマグネットモーターの断面図です.中央は回転軸です.左右に固定子の永久磁石があります.エアシリンダーで上下に動くように作られた回転子があります.回転子には、上下にNS2つの永久磁石が着いてます.メカニカルな手段で回転子のNSを切り替えることができます.ゆえに、エアシリンダを回転角度に依存したON/OFF制御してあげれば、れっきとしたモーターとして動作します.
つまり投入エネルギーはエアーということですね.固定子磁界のど真ん中で回転子のNSを切り替えるのですから、さぞや大量のエアパワーを要することでしょうwww.そして、フツーのエネルギー効率で回転してくれることでしょう.
というわけで、どこにもフリーエネルギー要素は存在しません.これなら、エア動力源のモータの一種という理屈で特許が成立するわけです.OKOK.、無問題!驚き要素なし!
公平のために書いておくと、固定子磁界が中立的な回転角でNSをロスレス切り替えという特許も出されていて、しかしそれだと加速と減速が等しく生じて結局止まってしまうはずw
メカニカルな固定子NS切り替え方法も特許が出されています.軸方向に固定子がスライドすることで固定子のNSを切り替えます.電磁気的エネルギー消費はさておくとして、メカの構造としては特許が認められたようです.
というわけで本件の特許調査はあえなく投了です.全然フリエネじゃなかった...
これを3500万円で買う人はいないだろうなぁ.メカの回避手段はありそうだし.
もっともフリエネのキモの部分は非公開なのかもしれない.秦野の人なんで、実家と近いので、フリエネを頑張ってもらいたいとは思ふ.
かしこ
エアでふーふー吹いて回しているだけで、磁石要らないような・・。
返信削除そのとーり、風車でいいじゃんという
削除永久磁石と云う、エネルギーの源を介在させることによりオーバーユニティを達成する礎にするのだっっ!ということなのでショー.
削除でも永久磁石はただのポテンシャルなのですがねぇ.見える人にはエネルギーの源泉に見えるのだろうか?
似たようなことを磁界ではなく電界で考えたらどうなるんだろ?と少し思う.
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