今明かされる平坂読と平坂久門との関係---平坂姓の有名人---

平坂という姓は少ないです．

そもそも平坂というのは縁起の悪い名前なんです．古事記に書かれたエピソードで、死んだイザナミに会うためにイザナギが黄泉の国に降りて行きます．そのとき現世と黄泉の国の境目にあるのが黄泉平坂（よもつひらさか）という坂道なんです．半村良の「わが故郷は黄泉の国」がイザナギイザナミ伝説をモチーフにした短編小説で、平坂久子というキャラクターがでてきます．他人とは思えません．

愛知県西尾市はかつて平坂町だったところが市町村合併で西尾市になったところなので、平坂中学校とか喫茶平坂があって、王様気分になれるところです．わたしはわざわざ観に行きましたから．地名で平坂町とか平坂入江が残ってます．

横須賀に平坂書房という本屋がありまして、こちらも観に行きました．とくに不吉な感じはせずフツーの本屋でした．オーナーが平坂さんなんではなくて、たぶん縄文時代に横須賀に住んでいた「平坂人」が語源なんだと思います．横須賀には平坂貝塚とかもあるようですし．

わたしの父親の出身地は岩手県で、平家の落武者の子孫かというとそうではなくて、源義経と一緒に東北に落ち延びた佐々木という武将が正体を隠すために平坂と改名して住み着いたとかいう話です．手塚治虫の「火の鳥－乱世編」で義経と一緒に逃げる佐々木という武将が一瞬出てきますのでこいつかと思ったりして．

西尾市は地名に平坂が出てくるものの、平坂姓は全然いませんでしたが、長崎県の諫早のあたりには、平坂姓がうようよいて驚きました．平坂は希少種なので電話でヒラサカですと名乗れば一発でわかってもらえるんですが、諫早の知り合いに電話したら、どちらのヒラサカさんでしょうか？と聞き返されて驚いちゃったです．こんな土地は日本唯一なんじゃないでしょか？

平坂姓の有名人はほぼこの３人でキマリです．

エロOVAで「夜勤病棟」というのがあるんですが、こいつに平坂さんという男がでてくるんです．右の人が平坂さんです．「平坂さんそんなことしないで、ああっ」などというセリフをオレに浴びせかけるこの作品はいったい何物？ ちなみにこのエロイ平坂さんのモデルは私ではないのです．

実在系では、２０年ぐらい前に花王の役員で平坂敏夫というのが日経新聞に写真入りで出てまして、なんだコイツはと思ってしまいました．今は長崎の大学の教授をやってるようで、長崎県諫早市出身者なのかしら？ この人とは親戚でもなんでもありません．

平坂でいま有名なのはやはり「僕は友達が少ない」の作者である平坂読でしょう．黄泉平坂からとったペンネームなんだそうで．最近ネットラジオ等で「ひらさかよみ」という発音を聞く度にビクッと反応してしまうわたしです．残念ながら、平坂読とは親戚でもなんでもありません．ああ残念．やっぱり残念．