2012年4月29日日曜日

心霊体験シリーズ 011 霊障あり (マジメに心霊現象について語る)

数年ぶりにそこを訪れたわたしは思わず「まだあったか....」とつぶやいた.

そこは、目黒駅から山の手線の内側沿いに五反田方面へ坂を下ってゆく途中、左上方のマンションへ至る脇道の入り口に設置された公衆電話BOXである.
携帯の普及により多くの公衆電話が撤去されるご時世なので、この電話BOXももう無くなっていると思っていたのだが、今回改めて現地を訪れたところそれはまだあった.下は脇道から見た写真だ.











目黒界隈の心霊スポットとして有名なのは、目黒川沿いの目黒雅叙園に隣接した辺りがダークな雰囲気で、女性の霊がいるといわれる.夜更けには歩きたくない雰囲気の場所だ.

この電話BOXはというと、周囲は明るい雰囲気で何の変哲もない電話BOXであるが、心霊スポットという情報をキャッチしたので、たまたま遊びに来ていた友人のA君と昼食を食べに行きがてら現地視察に赴くこととなった.その日は天気のよい週末の昼下がり.わたしも現地を訪れるのは初めてであった.

現地に着いて、まずはやや離れた位置から電話BOXを眺める.我々2名は霊感があるという自覚のまるでない2名なので、とくに何もおかしな雰囲気は感じないし、なにも見えはしなかった.

触らぬ神に祟りなしで、見学しておしまいにするつもりだったわたしとは違って、A君は電話BOXに入るやいなや、テレホンカードを取り出し電話機に挿入し、ダイヤルはせずに、「こんにちはー、幽霊さんいますかー?」と挑発的行為をするではないか! ああぁ~っそんなことをしたらいかんぜーというまもなく、「なにも返事はなかった」とシレッといいながら電話BOXから出てきたA君.

ま、オレたちに露骨に見えるような霊なんかいないよねと納得して、帰途についた.再び目黒駅方面へ向かって坂道を登って行く.

クルマが通るので、1列縦隊でわたしが先頭に坂を登って100mぐらい歩いたあたりで突然、
     Aクン    「ああっ、なんだこれは」
振り返ると、立ち止まって自分の身体の異変に唖然としているAクンであった.Aクンの視線の先、ズボンの右ポケットのあたりを見やると、なんとAクンのズボンは血液を拭ったとおぼしき汚れで真っ赤に汚れているではないか!? ただならぬ事態にわたしも驚いて、
     ひら     「うわっ、なんだよそれ??」
     Aクン   「わからん! なぜかズボンが血だらけになってる」
どこで付いた血液なのかわからないAクンだったが、まもなく、Aクンの右手の小指がスパッと切れていて、そこが出血源だとわかった.
     Aクン   「あ、切れてるのここだ.でもなんで?」
    ひら     「さっきの電話BOX? テレカしか扱ってないし切るようなことしてないよね?」
    Aクン   「なんでだか全然わからない.どこでだ?」
2人とも小規模なパニック.

さほど大きな傷ではなかったようで、まもなく出血は止まった.再び歩き出した我々であったが、やはりあの電話BOXでの挑発行為に罰が当たったでのはないかという思いは拭い去りがたいものがある.触った神の祟りだったのではないだろうか?  その後Aクンは怖い目に遭うこともなく、ピンピンとして今も元気で大阪で生きている.よかったよかった.

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