忘れ物を押し付けられて徘徊するわたくし （陰謀）

さっき、新橋のジンアンドトニックで少し酒を呑んで帰宅しました．
今回の話題からは逸れますが、テキーラを投入した「ブラッディマリー」を初めて呑みましたら、これが美味いの．マスター曰く、バジルが隠し味なんだそうで、複雑な風味でなんかいい感じだわ．ご来店の際にはどうぞどうぞ．

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それで、日比谷線で中目黒へ帰ってきたんだけど、不穏な出来事がありました．

日比谷線は乗車定員ぐらいの混み具合で、私は先頭車両で立っていました．中目黒へ着いた日比谷線は終着駅なので全員が降車します．

中目黒駅でドアが開き、降車の人の流れが出来る一瞬に、わたしの前に座っていた女性Aが急いでいるようで先に降車する流れになりました．通常なら５ドア近傍に立っているわたしが先に降車する流れでしょうが、わたしの横の客のカバンがこちらに干渉するので動きづらく、やや不自然な流れになりました．

それでわたしが降車しようとしたところ、その女性Aの隣に座っていた女性Bが、わたしの足元を指差して言うんです．
  「これ、忘れ物よ」
２０ｃｍぐらいの紙袋がわたしの足元に落ちています．
  「これ、オレのじゃないなぁ」
  「さっきの女性のね」
というやり取りを女性Bとしました．

紙袋をわたしが拾って、先に出て行った女性Aの後姿を捜しましたが、東横線待ち行列には女性Aは見つかりません．女性Bは東横線に乗り換える様子だったので、
  「わかんないから駅事務所にもって行きます」
と女性Bに告げると、女性Bは「めんどくさくてごめんね」という表情で、そこで別れました．

紙袋を持ったわたしは、回送の先頭車両に駅員を探しましたが不在で、仕方なく階段方向へ歩きます．顔もわからない持ち主を探すことは諦めています．紙袋の中身は金目の物ではなさそう．

駅事務所は階下の地上改札口にあります．ただ、忘れ物を持って徘徊しているとこっちが置き引きだのと疑われかねないので、あまり現場から離れるのも得策ではないだろうと思われます．駅員を探します．

回送の日比谷線が走り去りホームの見通しが良くなったところで、駅員さんが目に入りました．まずは駅員に事情を話してアリバイを作ることにしました．
  「これ、今の日比谷線の先頭車両の忘れ物、、、」
というところまで駅員に喋りかけたところで割って入ってきたのが落とし主の女性A．
  「それわたしのです、ありがとうございます」
ということで紙袋を女性Aに渡して、状況終了．

この間、わずか２分ぐらいでした．

忘れ物が持ち主に戻ってよかった、なんて微塵も思いませんでしたよ．

だってどう考えてもですね、他人の紙袋を持ったわたしがホームを人の流れと逆に歩行している姿を、女性Aは「自分の忘れ物を持った見知らぬ男」としてマークしてたわけです．男が駅員に「忘れ物がー」と話しかけているので割って入るチャンスを得た女性A．

一連の流れを振り返ると不自然な事象が連続した２分間でした．
－降車時の不自然な人の流れ
－女性Bから体よく押し付けられるような推移で忘れ物を持って徘徊する羽目に至った不自然な流れ
－落とし主の女性Aが一瞬で視界から消えた不自然さ
－駅員との会話開始２秒後に割り込んできた女性Aの素早い行動

こんなの、女性Aが１０万円抜き取られたと騒ぐ役で、公安が置き引き容疑でわたしの身柄を確保するための罠じゃなかったのかと．
仮に中国でこんなお人好しな行動をしてしまった日にゃ、こいつが１０００元抜き取ったんや、と冤罪かまされて人生終了じゃなかったかと．

どうやらそれは杞憂で終わったみたいです．だがしかし、日比谷線でわたしの周囲に居た数名が全部グルだったのか、嵌められたぁ、、、と留置場でうめいているわたし、という並行宇宙がどこかにあるに違いない．おぞ～

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とある有名な学者が、温泉の脱衣所で高級時計の忘れ物を置き引きした容疑でパクられた事案がありました．ちょうどその当時、その学者はとある政府組織から恨まれていたので、嵌められたのではないかという説が一部で流行したことがありました．わたしは陰謀説に一票です．

忘れ物なんかに関わるもんじゃないですな．

かしこ


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