２０２５夏アニメ折り返し点を過ぎて・・・ ネタ切れ？

ラインナップは見事なのだけど盛り上がりに欠ける２０２５夏アニメ．

続編タイトルが比較的静かなのが理由の１つである．

２つめは、アニメ企画のネタ切れがついに露呈したんじゃないか？

下記の「今期アニメひら的ランク」の中で、ブルーのタイトルが企画に困った苦し紛れみたく見える．

アニメ業界は海外配信収入で赤字にはならずに済むビジネス環境らしいのでカネはある．カネがあるからどんどん作る．作りすぎて企画が枯渇する．企画が枯渇するからニッチに突っ込むか、破れかぶれの極振りに走る．わけわからんタイトルが増える．それが今期の特徴かなと思う、という話だ．

【Ｓランク】該当なし

【Ａ＋ランク】わたしが恋人になれるわけない、ぬきたし、ダンダダン、よふかしのうた、サイレント・ウィッチ

【Ａランク】怪獣８号、ガチアクタ、青春ブタ野郎、彼女お借りします、渡くんの××

【Ｂランク】カッコウの許嫁、薫る花は凛と咲く、光が死んだ夏、ずたぼろ令嬢

【Ｃランク】瑠璃の宝石、公女殿下の家庭教師、ばっどがーる

【斬ってしまった】CITY、人妻の唇は缶チューハイ、フードコートでまた明日、帝乃三姉妹、インヒューマンズ、Turkey!、神椿市建設中、最近の探偵、ゲーセン少女、雨と君と、9-nine- Ruler、ミルフィーユ、傷だらけ聖女より報復、ネクロノミ子、着せ替え人形、デキちゃうまで婚、出禁のモグラ

なろう系ファンタジー作品は、ヲタクの記号をちょいちょいと導入して作られる．オリジナリティは乏しいが理解はしやすい．それゆえ初見でもなにをやりたい作品なのかはだいたいわかるようになっている．従来のアニメはそうゆう微小改変作品が多くを占めた．

しかしブルーの作品は微小改変じゃない．もっとニッチで判りづらい企画だ．

ぬきたし

わたしはこれを高く評価している．

だけど、「テクニカルエロに極振りした決定版」を狙っていて、それは自分のクビを絞めてもいる．正しいのだけど過激すぎて一般民衆の支持を得られなかった政治勢力とか宗教勢力って歴史上たくさんあるじゃない．それら埋没勢力と似た運命を辿ってしまうんじゃないかな？

薫る花は凛と咲く

恋愛が進展しない恋愛storyとはなんぞや？

この作品は恋愛が中心軸じゃないと思うんだ．

男子校サイドにあるホモソーシャルと、女子高サイドにあるホモソーシャルが中心軸で、そいつらを巻き込んだ人間ドラマってやつ．

このちょいズレた恋愛物に新規性はあるのかもしれないが、果たしてそれが面白いのかは別問題であって、企画のネタ切れから出てきた苦し紛れ感が漂う．

瑠璃の宝石

わたしはこの作品を評価していない．理系の研究現場はこんな人間味のある喜びになぞ満ちていない．この作品はウソだ．人間性なんかそっちのけで重箱の隅に没頭してこそ実存がグワワと来るのが理系の病んだ知性なのである．この作品はウソだ．

理系の研究員が蘊蓄をご披露するのをお望みなら、ブルーバックスでも読むのが正解．アニメにそれを求めるのはお門違い．

企画が豊富に在るご時世だったらこの企画は優先順位の下の方で通らなかったと思う．

ばっどがーる

twitterで原作者が「５か６か７話まで見れば何をやりたいかがわかります」とポストしていた．序盤で「なにやってんの？」という評判が原作者の耳にも入っていたのだろう．原作者も判りづらいことを認めているのが痛い．(笑)

芳文社銘柄でこんなにイミフなのは初めてじゃないか？　よくこの企画通したな．度胸というより無謀と評されるべきだろう．

CITY

ぜんぜん理解不能だが、懐かしさもこみあげてきた．赤塚不二夫めいたナンセンスギャグだなと．

やたらとよく動くが、セル枚数はもはやアニメビジネス成功の条件ではない．アニメテクニックの誤った行使だ．

企画が豊富に在るご時世だったらこの企画は優先順位の下の方で通らなかったと思う．

ホテル・インヒューマンズ

どう料理してもアニメ化成功する原作じゃない．お色気混じりのなろう系原作でもアニメ化した方がマシだっただろう．甘い企画．「ファブル」の成功事例から学んだらよいだろう．

Turkey!

趣味ネタのアニメは数多い．当然ボウリングもいつかアニメ化されて不思議はない．

だが本作は戦国時代にタイムスリップしたJKの武器がボウリング球なのだから無理がある．誰かが企画にブレーキをかけるべきだった．

まったく最近の探偵ときたら

売れない探偵のところにJKが弟子入りしてドタバタコメディ．JKの性格は錦木千束っぽい．

凡庸．全然ダメとまでは言わない．かといって新規性があるわけではない．ギャグが秀逸なほどでもない．制作資金が余ってるから仕方なく通した企画に思える．自分がスタッフだったらこれを作る意欲は湧かない．意味がないから．

以上から２０２５夏アニメの特徴をまとめると、

・制作資金が余ってるから仕方なく通したやる気の感じられない企画が目立つ

・ニッチに極振りで首を絞めている企画が目立つ

・テクニカルに極振りで勝てるほど甘くない

・企画の枯渇に困っているアニメ業界関係者の姿が透けて見える

かしこ