製作者がわざとつまらなくした映画「２０１２」は今年です

先日の当ブログで、野田総理はわざと不人気な政策を遂行しようとしているんじゃないのか？と書きました．

それと同じノリなんですけど、大地殻変動を描いたSF映画「２０１２」を観たとき、あまりにもつまらないので、これは絶対にわざとつまらなくしたとしか思えない！と思って腰が抜けたわたしです．

←２０１２

まず、うろ覚えながら２０１２のあらすじを書きますね．うろ覚えで書いても実害がないってゆうチョロい映画でして．

２０１２のあらすじ：
太陽活動が活発化した．太陽が発する未知のニュートリノの影響により、あたかも電子レンジのように地球のマグマが溶けて、大地殻変動が起きると予想された．人類はヒマラヤの頂上に３隻の巨大潜水艦を建造し、搭乗できる数万人を選別した．科学者の予想通り到来した大地殻変動スペクタクルシーンの連続．まさにハリウッドSFXの真骨頂シーンが続く．一方、巨大潜水艦に搭乗した人々は、津波がヒマラヤの頂上までやってきて潜水艦が建造ドックから首尾良く進水する瞬間を固唾を飲んで待っている．しかし、主人公が乗る艦はドッキングポートの故障で進水できなくなってしまった．主人公が決死の素潜りでドッキングポートのギアにからまったケーブルを外したので、めでたく進水できた．ラストは、浮上航行する３隻の巨大潜水艦＝ノアの箱船のシーンでおしまい．

あ～あ～書くだにつまんねぇ～．

電子レンジみたくマグマを溶かすニュートリノって何だという設定の突飛さはさておきます．もっとトンデモない設定のアニメを日頃たくさん観ている私ですから設定が納得できないと非難する資格はないですもん．

わたしが強烈につまらなかったのは、主人公の決死の素潜りで艦が救われたという事態の矮小化のひどさです．アニメファンは、同じく人類滅亡の瀬戸際でゼーレと碇ゲンドウとミサトさんがシンジとレイと戦自を操って三つ巴の争いを繰り広げたエバンゲリオンという難解な作品を理解するリテラシを持っています．そういうアニメファンからすると、たかが素潜りで人類を救ってんじゃねぇよと不満を言いたくなるわけです．

潜水艦の進水は軍事オペレーションなわけですから、ドックの故障なんつう些末なトラブルは、艦隊司令が工兵に「ポートを爆破しろ」と命じて一件落着してしまう程度のエピソードにしかなりえません．それを、人類滅亡という事態に直結させてしまう白々しさ、しかも一人の民間人の素潜りで解決させてしまう矮小化．いったいどういうセンスで脚本を書いたらこんなつまらなくなるんだい？

そこで思い出したのが、「アバター」は盗作訴訟を２００本抱えているという話です．まともな脚本を書いてしまうと盗作だと訴訟を起こされるリスクを抱えるので、わざとつまらなくしたんじゃないのかしらと思いました．「マトリックス」の監督が押井守に会ったときに「これは我々が独自に考えたんだ」としきりに説くので、なんでだと聞いたら押井守から訴訟されないかと恐れていたそうです．

egobarのお客さんで映像制作者の方がいて、上の疑問をぶつけてみましたら、その方曰く、「ハリウッドはすでに死んでいるという説があります」．  それはこういうことでした．膨大な資金調達をしなくちゃいけないSFX映画の場合は、１社で出資できないので、複数の企業がシンジケートを形成して出資します．すると、各社から弁護士が送り込まれて、脚本にケチをつけます．ケチをつける論拠は投資に失敗しないことですので、「そのストーリーだとリテラシのない客が観たら理解できない恐れがあるから、もっと理解しやすく変更せよ」というプレッシャーがかかり、脚本がどんどん劣化してゆくのだそうです．それは、死んでるんじゃなイカ？

その結果、２０１２ができてしまうと．わたしはSPEはとりわけ劣化してると思っています．いかにもMBAがパワポで作ってる臭いがする．もちろん２０１２もSPEですｗ．

オレUSAに生まれなくてよかったヨ．日本のアニメファンで良かったよ．

＃そうそう、USAの映画監督には編集権がないって知ってました？ それも驚きです．


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