2012年3月22日木曜日

アニメ監督 石黒昇 ご逝去

アニメ監督の石黒昇がご逝去されました.

初代宇宙戦艦ヤマトって、いま観ても泣きそうになるくらいの名シーンが多々ありますが、ヤマト制作スタッフの誰の貢献でああいった優れた演出ができたのかがわかりにくい作品です.
プロデューサーの西崎義展なのか?  設定の松本零士なのか? SF作家の豊田有恒も参加していたりと、どうしたらこういうチームができるのだろうと思えるおもしろいスタッフ構成です.今では、アニメオタクな人材があふれかえっているので、その筋の人間でチームが結成されるわけですが、ヤマトの当時はマンガ家とかSF作家がスタッフとして招集されたのでしょう.

ちなみに、作画的には芦田豊雄が描いたシーンがGOODです.「進、許してくれ」のあたりとか.芦田豊夫的にはヤマトの作監だったことは黒歴史として封印したいようですが.芦田豊雄は後に「アラレちゃん」とか「ミンキーモモ」で活躍します.

で、多くの名シーンを描き出した張本人は誰なのかというと、それはたぶん演出チーフだった 石黒昇 の功績です.石黒昇はヤマトスタッフの中では出しゃばらなかったためか、アニメマニアの中ですらちっとも有名にはなりませんでしたがね.

ヤマトから10年以上経って、アニメ関係者が再び石黒昇にしてやられたのが「超時空要塞マクロス」でした.マクロスの演出で石黒昇にしてやられたのは、自己中心主義者のリン・ミンメイに主人公の一条輝が振り回されるという腹立たしい演出を辛みスパイスのように効かせたところだと思います.河森正治のメカと美樹本晴彦のキャラと板野一郎の戦闘シーンだけではマクロスフィーバーは起こらなかったとわたしは思います.
マクロスで有名になったのはメカデザイナーの河森正治でして、またしても石黒昇は有名になりませんでした.映画版マクロスは河森正治監督によって作られ、人物描写的には別物になりました.TV版と映画版に甲乙はつけ難いかもしれませんが、やはり最初に石黒昇テイストで作られたマクロスがあったからこそマクロスシリーズは人気作になりえたと思います.-------あたかも初代ルパン三世における大隅正秋のような役割だったと言えるでしょう--------

マクロス以後の石黒作品にはこれといった作品が出現しなかったのは少し残念でした.
マクロスの次に来るのは「エヴァンゲリオン」まで待たなければなりませんでした.

#リン・ミンメイのCVの飯島真理のお兄さんと職場の同僚だったことはわたしの自慢だ

初代ヤマトのリメイク版の公開を目前にしてお亡くなりになった 石黒昇氏のご冥福をお祈りいたします. 石黒さん、ありがとうございました.

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