2012年3月31日土曜日

車いす介助者視点からの熊本観光旅行(その4 熊本市街)

熊本市街の観光スポットはそんなにたくさんないです.加藤清正とか細川家とか宮本武蔵とかの名所旧跡はあるんですけど、ドカーンと大きな所はやはり熊本城です.熊本の桜は1分咲きぐらいでした.
熊本城のロケーションは地図の左が山で下~右が低地になっています.市街地から入った我々は右下のうまや橋を渡って須戸口門から熊本城に入りました.しかし赤丸で囲った部分が階段なので車いすでは進入不可なので、ぜんぜん天守閣の方向へ近づけません.そこで一旦棟方門から外へ出て、桜の馬場にある送迎バスで頬当御門まで行きました.頬当御門から天守閣のふもとまではすぐでした.
城に行ったら天守閣に登りたいわたしなので、子供と奥さんを置いて天守閣を登りました.姫路城の天守閣はギシギシ音をたてる木造の階段を登るのがすごくワクワクするのですが、残念なことに熊本城の天守閣は鉄筋コンクリで再現されたものなのでビルの非常階段を登っているように思え、あまり楽しくありませんでした.まぁ世界遺産の姫路城と較べちゃぁ気の毒ってところかもしれません.

帰途は頬当御門から桜の馬場まで下り坂を歩きました.桜の馬場には食物屋が多数あるのでバクバク買い食いしました.その模様は次回のグルメ版で書きます.

他には熊本市街で観光したところ特にないんです.水前寺公園という水前寺清子みたいな公園があるのですが、新宿御苑を小さくしたようなもんなので見送りました.その代わり、子供が電車好きなので市電とかJRにはたくさん乗りました.

市電の終点である上熊本では、信じ難い古い車両(左写真)を見ました.この車体ってむかし246を走っていた東急玉電の車両(右写真)と思われます.まさに朽ち果てる寸前というボロさで、錆びてたり塗装が剥がれていたりと筆舌に尽くしがたい趣の車体でした.運転席もボロボロで、メンテナンスしてない展示用車両に見えましたが、唖然としてるわたしの前をトコトコと走り去っていきました.これを目撃したのが今回の熊本旅行の最大の収穫だったといっても過言ではありません.














市電は、車いすで利用するにはかな~りサバイバルです.まず低床式の新型車両が1時間に1本ぐらいしか走ってないので乗れるチャンスが少ないです.下写真は市電の停留所でして、島の幅が90cmぐらいありましてこれならOKなんですけど、停留所によっては島の幅が70cmしかないところがあります.70cmだとタイヤが脱輪しないギリギリの寸法なので転回すらできないという際どい操作テクが要求されることになります.
帰りの空港まではシャトルバスを利用しましたが、これも車いす的には難儀でした.市街の路線バスの停留所から乗ろうと思えば乗れるのですが、なにせ普通の停留所ですから、バスのトランクを開けて車いすを載せたりしていては渋滞の元になってしまうので、中心部のバスターミナルまで歩いてそこからバスに乗りました.空港までは50分ぐらいかかります.

車いす視点で熊本が全般的にエライのは、旧い市街であっても歩道の段差を小さくするケアがちゃんとなされていることです.これは昔から段差をなくすような条例が制定されていたから長年かけてこのような市街ができあがったのだろうと推測します.熊本エライじゃないか!
最後に熊本のいたるところで遭遇するゆるキャラである「くまもん」をご紹介しておきましょう.電撃を出すとか「ピカチュウ」と鳴くとかそういう設定についてはわたしはしりませんが、おみやげのクッキーなどで誰でも嫌でも見かけることになるでしょう.

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