2014年11月5日水曜日

日銀の金融緩和は消費増税のための援護射撃なのか?

経済についてわたしが信ずるいくつかのコト.
■現在のようなデフレ下では金融緩和の効果はとても大きい   (=黒田バズーカ)
■過去の自民党政権は景気刺激のための財政出動をしたが、変動相場制の下で金融引き締めしつつ財政出動するとマネーが海外に流出してしまい(=円高)効果が弱い  (=小渕政権が典型)
■デフレを脱却してないのに増税するなんて経済に冷や水を浴びせかける事はすべきでない   (=今の悲惨な状況)
わたしは経済学を学んだ経験はありませんが、このようなマクロ経済の説にリアリティを感じます.

実際に過去15年間ぐらいの日本を取り巻くマクロ経済状況を振り返ると上の説は当たってるように思います.なぜ15年ぐらいかというと、バブルが弾けて5年間ぐらいは、まだバランスシート調整で四苦八苦していた時代でしたから、金融緩和してもマネーがブタ積みのままで効果的でなかっただろうと思うから.でもバランスシート調整期を過ぎてからはドカドカ金融緩和してデフレ退治すりゃよかったのですが、いろいろと陰謀があって金融緩和できない時期が15年ぐらい続いてしまい、ようやく黒田日銀総裁になって黒田バズーカ(=金融緩和)でデフレを脱却しかかっている.けれども、消費増税8%による冷や水で景気回復の先行きが危うくなっている.というのがわたしの脳内風景です.

一方で真逆の説も依然として強くて、金融でマクロ経済を引っ張って株価をつり上げて喜んでいるような経済運営は、実体経済に則さないので危険であるという説を信奉する向きもじつに大勢いるようですが、モロ外れとまでは言わないまでも、木訥すぎる見方であり、それじゃ資本主義経済は回りませんぜとお説教したくなりますが、あいにくわたしは経済学には疎いので、皮膚感覚的なコトしか言えません.皮膚感覚的に表現すると、人類の射幸心や先取り心理を刺激しつつ、軽い熱病に浮かれさせた状況を持続させる(=マイルドインフレ)のが正しい経済政策である.だがデフレはその逆の状態だから経済活動が止まってしまう.そんな言い方しか出来ないかな.

↓ところでこれはネットで拾ったデータなんですが、縦軸の意味はよくわかりませんが、丸印のところを見るとわかるのは、今般の消費増税8%による景気への悪影響の度合いが、リーマンショックよりも大きく、東日本大震災よりも大きい、と読み取れるゾッとするデータです.だから8%増税なんかしたらいけなかったのですが、それでも増税してしまう日本という国は、カルトによって支配されているとしかわたしには思えません.さすがは真珠湾攻撃をしてしまって滅亡しかかったカルト民族は伊達じゃないってコトだわ~.もう全然笑えないっす.
いま、10%増税するかどうかを判断する12月が近づいているわけですが、昨年の8%増税の時とは雰囲気がずいぶん異なり、10%増税に異を唱える説が多いのはどうしてだ?と書いたのはこちらの記事.   http://hirasaka001.blogspot.jp/2014/09/blog-post_6.html
この記事を書いた2014年9月6日よりも、いまでは反増税をペチャクチャと喋る人はマスコミも含め増えています.なので、消費税10%増税が阻止される可能性は高まっているように思います.

増税を悲願とするのはもちろん財務省ですが、去年の8%増税のときは、現役財務官僚のみならず大蔵OBも総動員で各方面への圧力をかけていたようですが、10%増税の今年は財務省の圧力が弱いのか、各方面の抵抗が強いのか、その辺のパワーバランスは存じませんけれど、ともあれ去年とは様相は全く異なるように思われます.財務省も、上のグラフのような経済指標を見ているでしょう.「これで増税したら非難の矛先が財務省に来かねない」などと思うマトモな人も居るでしょうから、財務省内でも少々仲間割れみたいな様相なのではなかろうか?
ちなみに8%増税の功労者である木下元次官は、7月に退官してから天下りもせずに米コロンビア大学の客員研究員になったそうで、いまいち謎の人事みたく感じます.

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日銀の話に移ります.

USAが量的緩和を終了すると発表したのが2014年10月29日.
その2日後、2014年10月31日に日銀は金融緩和第2弾を発表.
ドルが稀少になり、円がダブつくとなりゃ円安一直線、というわけで、$1=¥115は見えてきましたね.わたしは約1年前に、2014年は¥120にタッチすると予想していたので、もう少しイケ~と思うのですが、USAの量的緩和が思ったよりも遅かったので、年末までに¥120は難しいやもしれぬ.ちくしょう、     http://hirasaka001.blogspot.jp/2013/12/blog-post_4592.html
この日銀の金融緩和は市場から驚きと歓迎をもって受け入れられ、円安株高が進行しているのは喜ばしいです.

さて、日銀の黒田総裁は、どうして今頃になって金融緩和第2弾なんかやったのか? その意図は消費増税のための援護射撃ではないか? という説がありますけど、どうでしょうか?

黒田総裁が、「増税をしない結果日本国債の信任が危うくなった場面では中央銀行に出来るコトは限られる」というような発言で「予定通り増税しろ」と言ってたのは事実です.

でも、だとしたら、安倍総理が「7~9月期のGDPを見て増税するかどうかを判断する」と言っていた7~9月の景気を金融で下支えする動きを全くせずに、10月末になって遅まきながら金融緩和第2弾を撃ったのはなぜか?という疑問がどうしても湧きます.

飽くまでもヒラサカの邪推で証拠はありませんが、黒田総裁は増税反対論者ではなかろうかと思う.そして黒田総裁の行動はこういう筋書きだったのではないだろうか?と今にして思う.
■一年前、8%増税は財務省の熱心さと、国会議員の無頓着さゆえに阻止できないと読んで、財務省に反抗するのも得策ではないので、黒田総裁は増税に理解を示した.
■その後、黒田総裁はわざと景気回復のための金融緩和を追加しないようにして、8%増税が想定外の冷や水だったという環境を作るように誘導した.
■しかし、出身の財務省への義理も無くはないので、黒田総裁は「予定通り増税しろ」と越権行為紛いの発言をして人々を煙に巻いた.
■黒田総裁の筋書き通り、7~9月のGDPがガッツリと悪い値になって、政府も自民も財界もマスコミも10%にしちゃマズイだろと思いだした.最近では公明党の一部すら反増税を言い出す始末.
■そうして雌伏することでまずは消費増税10%を潰した後、11月から景気を回復させるべく金融緩和第2弾に着火した.
■元々消費増税に反対の安倍+菅には、7~9月の経済指標により増税すべきでないと言い易くした.また11月からの円安株高によって景気回復への信頼が回復すれば、安倍+菅への信任にもつながる.

このように考えてこそ、黒田総裁の行動に筋が通るように思えてなりません.

あとは、安倍総理が根性を見せてくれるコトを期待します.
10%延期なら財務省の勝ちでしょう.10%廃案なら安倍の勝ち.というか5%に戻してよ.

北京のAPECで毒盛られてお腹を壊したりしませぬよう(笑)   >   安倍総理殿

#USAの量的緩和終了発表が2014年10月29日だったというのが、日本の政治日程にずいぶん上手くハマった感があるが、そんな偶然ってあるんですかねぇ???

かしこ


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2 件のコメント:

  1. いま増税をするとまづいと思うのですが、まあ越年でしょうね。いずれにせよどこかでしないと、わたしは子孫を残すつもりがないのですが、こども達にツケが行くのでかわいそうだなあとは思いますです。ところでLIXILのリフォームのCFは、敵ながらウルッときてしまいました。

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  2. 中央、地方とも支配するのは官僚と大企業、その源流を調べると意外なことが。
    支配の手だてに識字率、選挙は閥の役所を選ぶだけ、法律は日本語では?

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