「公式ガイドブック 四月は君の嘘 Prelude」という本を買ってパラパラとページをめくって、すぐに封印しました.読んでしまうとネタバレになると判ったからです.わたしがこの本を読めるのは放映が終わってからになります.しょぼーん.
わたしが二度観や三度観する映像作品は、作りが上質だから気持ち良くて何度も観てしまうんです.「四月は君の嘘」の監督はイシグロキョウヘイという監督初体験の人なんですけど、イシグロさんは監督初心者なのに老練の演出家の如く画面造りが上手いと思います.いるんですねぇ、最初から上手い人って.しかもイシグロさんって、制作進行がキャリアのスタートだったそうで、なんだかSHIROBAKOみたいです.
現時点で7話まで進行しております.以下は印象的なシーンです.他にもたくさんあるんですが、とりあえずこれだけリストしておこう.
第壱話
実を言うと、第壱話ではそんなに注目しなかったんです.なぜかというと、やはり第壱話は視聴者の注目を引きつけるべく入念に制作しますから、どの作品でも第壱話が上出来なのはあたりまえ.本作の第壱話の出来映えも、あまたあるアニメ作品の第壱話と大差ないレベルだったんです.
↓ヒロインが金髪で、しかも公園の遊具の上に乗って登場なんてベタベタな演出だなぁと、結構ネガティブな印象でありました.
複数の録画がぶつかったため、第壱話が25分ぐらいで尻切れになっているコトに気付いて、虫の息になっているところです.むし~っ
ひら的には神動画だと思っているのが、宮園かをりのバイオリン演奏シーン.とくにこの舞台下から斜めに見上げたこのカットです.すげぇ、、、、と固唾を飲むと共に、第二話でこんな手間のかかる作画なんかしちゃって、第三話以降は息切れして終わっちゃうんじゃないのか?と心配になってしまいました.
第三話
第二話の神動画はまぐれかもしれんゾーと思いつつ、軽く猜疑心を持ちつつ観た第三話.
↓有馬公生が「音が聞こえないんだ」と告白する夕暮れの公園でのシーンで、こういうロングショットをしっかりと設計する気があるんだ、この監督エライなぁと思いました.夕暮れの桜の背景もイイ.
↓EDで最初から好きだったのがこのカット.奥行きのあるロングショットです.こういうのもイシグロ監督のセンスのようです.
第四話
宮園に引きずられる形で、有馬がピアノ伴奏者としてコンクールにカムバックする.「シャキッと弾きなさいよ」という宮園のプレッシャーと、水の底に沈んでゆく有馬のメンタルと、演奏に呑まれている観客達の三つ巴の緊迫感が募る演奏シーン.面白かったぁ.
第五話
サブタイトルが「どんてんもよう」の第五話は、各キャラの心がいまいちスカッとしません.そのせいで爽やか基調だった1~4話とは打って変わって、不完全な画面レイアウトを多用したみたいです.
↓宮園の入院シーンなんかこんなのばっかしですから.
↓第五話で一番好きなのは、度胸橋で有馬に精神注入する宮園のこのカット.ここでこう来ましたか.第五話を観終わって、この監督について調査しなくちゃいけないと思って調べましたら、イシグロキョウヘイという新人監督だと判ってビックリ.
第六話
有馬を好きだが有馬に近寄れない澤部椿のエピソード.
↓暗くなった放課後に宮園と澤部が下校するこのシーンは10回以上観た.説明セリフなんか何もないんだけど、このシーンには「時の流れ」があるんだ.しかもその「時」は、宮園と澤部と有馬と野球部の先輩の4人の全然違う時が並行している.こういう優秀なシーンは、作るもんじゃなくて、持ちこむもんだと思うんだ.つまりここに持ちこむために前段を入念に作り込んでこそ成立すると思う.さすがだ.
↓第壱話~七話までで、一番好きなカットがこの寂しいカット.パースの奥にある踏切が「踏ん切りつけなくちゃと思っている澤部の心」を暗示しています.細かい事をいうと、宮園がカメラの前を横切る時点では手前にいる宮園にピントが合っていて、宮園がフレームアウトした後に澤部にピントを合わせるように作られています.
第六話を見終わった時点で、「四月は君の嘘」は本物だと確信しました.
第七話
ラストがかっこよかった.有馬が出場するピアノコンクールで、ライバルが演奏を始める瞬間でSTOPしてto be continuedになるところです.
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以上が第七話までの感想ですが、本作は一貫して演奏コンクールの物語なんで、演奏コンクールって実際あんなもんなの? とプロの音楽屋がウチに来たときに聞こうと思ってビデオを準備していたんだけど、わたしがペンキ塗りのために帰宅が遅くなって意見を聞けませんでした.残念です.
wikiによると、本作は全22話になるようです.まだまだ先は長い.
それとこの作品は、きっと、後日映画になるよ.まぁ映画版は観ないと思うけど...
かしこぉぉぉ
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