「イノセンス」の作画監督で有名なアニメーターの沖浦啓之が監督・脚本・原案をやった「ももへの手紙」を観ました.
2013年の米アカデミー賞、長編アニメ部門にエントリーした作品の一つです.日本から同年にエントリーしたのは、『ももへの手紙』『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』『風立ちぬ』でした.受賞したのは『アナと雪の女王』でした.
あらすじ:
瀬戸内海のとある島へ引っ越して来た母子家庭.小学6年生のももは、そこに棲む妖怪が見えてしまう.作物を盗んだり好き勝手する妖怪だが、ももにしか見えない.妖怪の目的はそうやって悪さをするコトではなくて、死んだ父が霊界に安住するまでの見守り役だった.
ある日、妖怪が盗んだ作物が母親にバレて、母親から犯人扱いされたのがキッカケで喧嘩をしてしまうもも.その夜、母親が喘息の発作で死にそうになるが、台風が来ているので医者は来ない.ももは妖怪に助けを求めるが、妖怪法により見守り以外の行為は禁じられている.しかし妖怪達がももを助けてくれて母親は回復する.
ラストでは、妖怪が手配してくれた、天界の父親からの手紙がももに届く.....
(上映時間120分)
沖浦啓之は大変優秀なアニメータですので、手描きで動かす妖怪の描写が秀でています.とりわけゴラムみたいなこの妖怪の、前屈みで頭蓋の重さが感じられる動きは3Dじゃないかと疑いたくなるくらいの名人芸です.骨格を意識して原画を描ける数少ないアニメータです.
アカデミー賞にエントリーするくらいですから少しは期待していたのですが、つまらなかったです.破綻はないけれども、評価すべき部分は特にありません.この内容で120分は長すぎます.
フェチシズムとか、際どいとこを狙っている感とか、そういうものもなにもありませんでした.
あえて観る必要はないでしょう.
かしこ
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