2012年10月30日火曜日

追悼、ありがとうegobar (その9) カウンターの中から

閉店した目黒のegobarを追悼する本シリーズは、今回で一旦おしまいにしようかと思います.

実は、バーテンダーにはそこはかとなく畏怖を感ずるわたしです.

というのは、わたしが好きな作家で半村良という人がいまして、いろいろな仕事を転々としつつバーテンを比較的長い間やっていて、30半ば頃だと思いますがSF作家デビューした人でした.
最初に読んでおもしろいなぁと思って虜になったのが「黄金伝説」でした.半村良の初の長編作品だったかと記憶してます(間違っているかも). SFでは直木賞は獲れないと言われていますが、「黄金伝説」はSFながら直木賞の選考に残りましたので、小説家筋でも好評だったのでしょう.SF的なおもしろさもさることながら、生き生きとした人物描写も好きです.デビューしたのが遅かったので、半村良はいろんな引き出しを持っているんだろうよとしばしば評されます.
半村良は飲み屋やクラブを舞台とした小説も書いているんですが、小説家仲間からは、こいつはバーテン時代にカウンターの向こうからこんな風にオレ達のことを観てやがったのか!?といわれていたそうです.短編小説を投稿したりしてたので一部のSF作家とは面識があったのでしょう.

egobar最終日に、結界を越えて禁断の地であるカウンターの中に入らせてもらいましたら、あたりまえですがお客を一望できました.barカウンターの向こう側からこちらもいろいろと観察されていたんだろうなぁ.カウンターに座ってボロボロ泣いてるやつとかもたまにいるわけだし、、、、、  http://hirasaka001.blogspot.jp/2011/10/016.html

カウンターの中から見える男女の風景としては、痴話喧嘩はいろいろあるようですが、逆に階段の踊り場でキスしてたり姦ってたりするカップルが多くなると景気がよい証拠だそうです.bar業界の景気指標は「バカップルの出現頻度」というわけですな~、ラブラブでよろしい指標かとw.egobarの階段を降りようとしたらキスしてたので1390ミリ秒間凍りついたことはわたしもあるんだよなぁ.

「マスター15年間ご苦労様でした」とわたしが言ったときのマスターの返答が印象に残っています.それは秘密ですが.もしかしたらegobarの続編の制作発表がいずれあるの「かも」しれません.そうなったら、またヘロヘロっと行って、カクテルなどを飲ませてもらいながらカウンター越しにオタク話でもさせてもらおうか思います.

ありがとう、かけがえのない egobar.

以上!


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