題して「CO2をエタノールに変える方法」とのことです.しかも常温で.(常圧かは知りません)
論文はこちら.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/slct.201601169/full
ネットでも一部で話題になっています.
研究機関は大学ではなく、オークリッジ国立研究所というところです.怪しい企業ではありません.
アメリカ合衆国エネルギー省の管轄下でテネシー大学とバテル記念研究所が運営する科学技術に関する国立研究所。テネシー州オークリッジにある。基礎研究から応用の研究開発まで、多方面にわたって活動している。 (wiki)
もしもこれが本当なら、高温超伝導フィーバー、常温核融合フィーバーに並ぶビッグニュースとなるかもしれません.嫌われ者のCO2をアルコールに変えてくれちゃうわけですから、自動車・エネルギー・気候変動業界への貢献は巨大なのではと思います.
原理としては、レアメタルではないとある触媒と、CO2と、電気をチビチビ流すと、60%ぐらいの収率でエタノールが生成されるとのことです.触媒はカーボンナノなんたら+銅から成るものだとか.(またしても銅か...)
化学反応式はこうなっているらしい.
2CO2 + 9H2O + 12e- → C2H5OH + 12OH-
電気はたくさん食うみたいですね.Al2O3の精錬が6e-ですからそれの2倍の電気を食うというのはなかなかの電気食いかもです.
あと、OH-をどうやって回収するのかしら?
ひら的に怪しいと思うのが、どうしてエタノールだけが出てくるんだろう?というところでして、メタノールだって混ざって出てきちゃうでしょ?と思うんですが.
その辺について論文の中に興味深いグラフがありました.
横軸は電圧です.
各電圧で触媒を3種類試したようです.
Cu/CNSという触媒で-1.2の電圧を加えると、濃い青のエタノールが大量に生成されます.
それと同時に、一酸化炭素CO、メタンCH4、水素H2も出てくると、そんなことが語られているものと想像します.それでもメタノールが出てこないのはへ~っと言いたいところですが.
やっぱり、なんでエタノールなんだろう? メタノールじゃなくて、メタンでもエタンでもないところがどうも眉唾っぽく感じてしまいます.メタンでいいじゃん.なのに一足飛びにエタノールというところがあまりにもバラ色っぽすぎるかなぁ?
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今後本件はどうなってゆくでしょうか?
CO2を削減でき、太陽光発電の電力をアルコールの形で蓄積することができ、生成物であるエタノールは燃料として使いやすい、それはもうバラ色のメリット3連発ですよね.
ただし、総合的エネルギー効率がどうなるかは今後の進展次第かもしれません.
たとえば改良版ハーバーボッシュ法でアンモニアを生成してアンモニアを燃料とする方がトータル効率が勝るなどと云うガチンコ勝負に本件が勝ち残れるかどうか?
研究機関がマトモっぽいので、捏造とか研究者のコピペみたいな、生物学の誰かさんみたいなプアな成果ではなさそうですが、高温超伝導.常温核融合のように下火になっちゃった残念な事例もあるので、今後の関係者のご発展を祈願いたしまして、一本締めとさせていただきます!
エタノールよしっ、、、
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