2012年9月4日火曜日

ど長文、回路パターン設計ソフトeagleのライブラリ作成体験記

以下は、回路設計ソフトのeagleを使う話なので、一般人の方は読んでも全然わかりませんので、ご容赦ください.

追記9月6日: prefix と Name の追加を末尾に追加


eagleを使っている方は多いと思いますが、ライブラリは既存のを使っている人が多いのではないでしょうか? この度わたしは自分でUSBコネクタをライブラリを作りたくなったので、その手順を以下に書きます.ネット上にeagleの使い方を紹介するページは多々ありますが、ライブラリの作り方についてはわりとサラッとした扱いなので、いまいち理解できませんでした.なので自力本願でeagleでライブラリを作ってみてだんだん判ってきました.たぶん、以下の解説はネットに存在するeagleライブラリ作成手順紹介のうち最も詳細に解説してあると思います.

●使いたい部品はこれです.miniB USBコネクタというやつかな?
●データシートから抜粋した推奨ランドはこうなっています.長穴って値段が高くて嫌なのでデカイ丸穴にしてしまおうと思います.
●まず、空のライブラリUSB.lbrを作ります.file->new->library
 ↓すぐにsave
 ↓名前をUSBにしてlibraryフォルダに保存
 ↓libraryフォルダにはUSB.lbrができます
●USB.lbrを開きます.空のpackageを作るために、editボタンをクリック
 ↓USBという名前のpackageをつくる.下のPacボタンを押します.
 ↓Yesをクリック
 ↓空のpackageができる
●描画に都合がよいようにグリッドを設定する.
 ↓ここでは、作りたい現物の寸法がミリ単位で図面になっているので、グリッドを0.1mmにします.l
●さっそくPADを描きます.PADとは、スルーホールの穴とランドです.Padボタンをクリック.
 ↓最初に信号線の5つのPADを描くことにします.メニューバーにPADの設定が表示されます.PADの形はドーナツ型を選定.直径は1.016mmを選択.ドリルは0.6mm.
 ↓寸法図の通りに0.1mmグリッド上にPADを配置します.下行中央の十字がこのpackageの基準点なので、PADの中心を基準点合わせて配置するのがよいでしょう.
 ↓つぎに周囲の大きな穴を描きます.
 ↓メニューを操作して、直径2.54mm.ドリル1.4mmを選定します.長穴にはしませんでした.
 ↓寸法図通りの場所に配置します.
 ↓つぎに、直径2.18844mmでドリル1.2mmを選定
 ↓寸法図通りの場所に配置します.これでPADの配置はおしまいです.
●さて、ここまでの操作でどのレイヤーが描画されたんでしょうか? それを確かめておきます.
Displayをクリック.
 ↓部品面のレジストであるtStopだけを表示する
 ↓すると、部品面レジストは自動的に生成されています
 ↓つぎにハンダ面レジストであるbStopだけを表示
 ↓するとハンダ面レジストが自動的に生成されています
 ↓外形寸法やバカ穴を意味するDimensionだけを表示
 ↓何も表示されません.スルーホール穴は外形寸法とはみなさないようです.
 ↓つぎにPadsだけを表示
 ↓これはいうまでもなく、いまさっき描画したPADが表示されます
 ↓Holesを表示させてみます
 ↓なにも表示されません.穴はナシってことで.
 ↓ドリルを表示させてみますと、
 ↓ドリルの穴位置は表示されました
●各PADに名前をつけます
 ↓PADをクリック
 ↓名前を入力してOK.    これを繰り返して、外周のデカ穴にはG1,G2,G3,G4と名付け、信号にはG,NC,15,16,5Vと名付けました.
●次にシルクの外形図を描きます.
 ↓レイヤーをtPlaceにします.tPlaceがシルクになります.
 ↓こんなふうに外形を描く
●シルクでCN1などと名前をいれる
 ↓>NAMEと入力
 ↓レイヤーをtNamesにする
 ↓名前の置き場はどこでもよいが、わたしはこんな風にしました
●ここまでで、packageの作成はおしまいです.saveしてcloseしてください.

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●つぎに回路図symbolを描きます.packageとは違って寸法をケアする必要はないのでサクサク作成しましょう.
↓Editボタンをクリック
 ↓名前をUSBにする.下のSymボタンを押す.
 ↓YESをクリック
 ↓外形を描く
 ↓PINを描く.
 ↓PINに名前をつける
 ↓全てのpinに名前付けを行った結果.名前が重なって表示されちゃうのが嫌なので外形を大きくしました.
●CN1のような名前を入れます
 ↓>NAMEと入力
 ↓レイヤーはNamesにします
↓シンボルの適当な場所に配置
●以上で回路図symbolの作成はおしまい.saveしてcloseください.

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●次は、packageとsymbolを統合してライブラリを作ります.
↓Editをクリック
 ↓名前をUSBに.下のDevボタンを押す.
 ↓YES
 ↓空のライブラリが表示されます
●まずsymbolを統合します.
↓Addをクリック
↓USBを選択
 ↓このようにsymbolが入りました
●次にpackageを統合します.
↓Newをクリック
 ↓USBを選択
 ↓packageが統合されました
●次に、symbolのピンとpackageのピンを接続します.
↓Connectをクリック
 ↓それっぽい名前同士をクリックして、connectをクリック.これを最後まで繰り返す
 ↓全ピンを接続し終えたところ
 ↓接続完了すると、チェックマークがつく
●以上でライブラリ作成は完了です.saveしてcloseします.

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●簡単な回路図を描いてライブラリが使えるかどうかをチェックします.
最初に使う時には、回路図編集画面でLibrary→Useで今作ったUSB.lbrを使うようにします.これを怠るとADDできませんのでご注意ください.

↓つくったUSBをつかった回路を描く
 ↓パターンを自動生成させる
 ↓DRCをするが、ドリル径が0.6mmを採用したので、DRC条件的にエラーが出るので、Minimum Drill=22milにしてDRCするとノーエラーでパスする.作成したライブラリが使えることを確認できた.
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追記1:   prefix  と Name の追加方法を追記します.

まずライブラリのファイル構成を復習しますと、USB.lbrを開き、そこから①symbol(回路図)+②package(基板)+③device(symbolとpackageの統合) を開いて改変するという流れを思い出しておいてください.

●まず、③USB deviceを開き、prefixボタンを押します.
↓お好みの接頭文字(prefix)を入力します.これで、CN1のような名前がつきます.
↓次にvalueを追加します.valueとは、10kとかminiUSBとかのようないわゆる定数のことです.value=ONにして、deviceをsaveしてcloseします.
●つぎに①symbolを開いて、”>value”というTEXTをレイヤーValuesに追加します.
↓その結果symbolをこんな風にします.saveしてcloseします.
●回路図がちゃんと変わるかどうかをチェックしてみます.新しい回路図を開いて、USBのsymbolを置いて、Name=CN1、Value=miniUSB に設定します.
 ↓すると、回路図symbolがこのようになります.CN1とminiUSBという文字が入りました.
●つぎに、②packageを開いて、”>value”というTEXTをレイヤーValuesに追加します.
↓その結果packageをこんな風にします.saveしてcloseします.
●board にちゃんと文字が入ったかどうかをチェックしてみます.新しい回路図を開いて、USBのsymbolを置いて、Name=CN1、Value=miniUSB に設定します.boardを開いてpackageを拡大してみると、ちゃんとminiUSBという文字が入っています.

これでライブラリづくりはおしまいです.

すげえ大変ではあるのですが、ライブラリを自由に作れるようになるとPCBアートワークのかゆいところに手が届くようになると思います.

なお、表面実装デバイスの場合は、クリームハンダのレイヤーもあるんです.今回はそれは試してませんです.


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2 件のコメント:

  1. eagleの解説はあちこちにありますが、おっしゃる通りわからない人は見てもわからないページがほとんどです。
    こちらを拝見して何とか登録までできました。ありがとうございます。

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    1. お役に立てましてよかったですー.手間がかかりますね.もう私は忘れちゃったと思いますw

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